第7話 この世界は階級社会。

 二人が驚いた表情をして私を見つめてきた。あれ?変な事を言っちゃったかしら?え?でも、ルリちゃんは目を潤ませてるし……お嬢様は、そっぽを向いてお怒り気味?お嬢様には関係なくない?


「ミサちゃん……ありがとうございます……うぅ……」

「さっきも仲良くしてたでしょ?もうお友達だって」

「……はい」


 ルリちゃんが目を潤ませて、私を見つめて今にも抱き着きそうな感じをして、我慢をしいる雰囲気で拳を握ってプルプルしていた。

 

「ふんっ!貴方……身分を弁えなさいよ。下級貴族の娘が、上級貴族を……ちゃん付けで呼ぶとは不敬ですわっ」


 それをお嬢様が、不快に思っていたらしく絡んできた。全く、気に入らなければ権力を使い文句を行ってくるのって最低……こういうの私、キライ。本人の私が良いって言ってるのに何か問題があるの?もぉ……

 

「本人の私が許しているんです」

「貴族階級の軽視ですわ。ミサさんだけの問題じゃありませんわ!」


 え?問題発言だった?そっか……階級社会なんだよね……こんなところで意地を張っても、ルリちゃんにも家族にも迷惑が掛かっちゃうよね。


「そうでした。すみません!深く考えない発言でした」

「わ、分かって頂ければ……良いのですよ……ふん」

 

 そう言うと、また戻っていった。うぅーん……面倒なお嬢様に目をつけられてるなぁ……面倒くさいけど、勉強になったなぁ。階級社会ね……でも、ルリちゃんとは仲良くしたしなぁ……主従関係みたいな関係は嫌だなぁ。


 校庭の更に端に移動して、ルリちゃんを手招きして呼んで小声で話をした。


「あのね……私はルリちゃんと、このまま友達の関係でいたいの。だから人前では……悪いんだけどさ、前みたいな感じでいてくれる?」

「はい。……でも……良いのですか?本来ならば……」


 ルリちゃんが否定をしようとしていたので、言葉を遮り話を続けた。

 

「良いの。良いの……私はルリちゃんが好きだし、仲良くしたいの!ね?」

「……はい♪ お願いします」

「良かった。休み時間とか放課後になったら、なかよくしちゃお!」

「……はい!分かりました」


 ルリちゃん回りから見つからないように、私の制服をそっと掴んできた。


「少しだけ……掴んでて良いですか?」

「見つからないようにねー」

「は、はい……安心します……♪」


 そのまま授業は進み、魔法の練習をするが全く魔法が発動することがなく、放課後にも練習も始めて数日が過ぎた。


 最近では妹の友達が付いてきて、また私好みの可愛い子が増えて放課後の練習が楽しくなっていた。どうやら妹の事が好きなようだった。


 「シャルロッテ……くっつきすぎですよ!もっと離れて下さい!邪魔です」


 妹の方は、ただ付きまとわれて迷惑そうな感じで嫌そうな顔をしているけど。


「ごめんね。リコちゃん……ここなら大丈夫かな?」

「リコちゃん……シャルちゃんが可哀想だよ。そんな邪魔者扱いをしないのー」

「邪魔ですもの……勝手に付いてきているだけですよ……お姉ちゃんの魔法の練習の邪魔ですよ」


 まぁ……そうなんだけどさ。魔法の練習をしているのは私とルリちゃんの二人で、妹は先生役で教えてくれていてシャルちゃんは……魔法の練習がしたいと言っていたんだけど、リコちゃんの後を嬉しそうに付いて仲良くしようとしているだけだた。


「そんな事を言わずに仲良くしてあげなよ」

「イヤです。私は……お姉ちゃんと仲良くしたいのっ。お姉ちゃんこそ、わたしともっと仲良くして下さい……」


 そう言うとシャルちゃんがジト目で私を見てくるし、リコちゃんも不機嫌になるし……。私はシャルちゃんの味方をしてるんだけど?はぁ。も良いや放っておこう……


ルリちゃんが、真面目に魔法の練習をしていて指先に魔力の小さな球体らしき物が現れだした。


「ねー?それどうやるの?」

「意識を指先に集中させて……詠唱をするのです」


 あーそれ……何回も聞いてるってば。隣でぎこちなくだが、小さな火球に変わりだしてきていて指先に魔法を出して、魔法を成功をさせたルリちゃんが羨ましい。


「それ……何回も聞いてるー。もぉ……どうやるのよー」


 ルリちゃんに後ろから抱き着いて邪魔をした。


「ミサちゃん、ダメだよ……危ないよーわぁっ……あはは……♡ くすぐったいよーミサちゃん!」

「お姉ちゃんっ!もぉ。何しているんですかっ!?抱きつくなら、わたしに……」

「リコちゃんは、わたしに……」

「だから……シャルロッテは邪魔!魔法の練習がしたいって言ってたでしょ。魔法の練習をしないなら付いて来ないでっ」


 リコちゃんから注意をされて俯いていたので声を掛けた。


「シャル大丈夫?」

「大丈夫ですっ!放って置いてください!お姉ちゃんだけズルいです!」


 シャルちゃんに声を掛けに近づくと、リコちゃんが抱き着いてきて嬉しいけど……シャルちゃんにジト目でみられていてコワイよ。


 シャルちゃんの笑顔は可愛くて、ツンツンした感じも可愛いし……仲良くなりたいんだけどなぁ……


「もっと仲良くしようよー、ね?」

「イヤです。お姉ちゃんは……敵です。ライバルです!」

「……お姉ちゃんを敵扱いをするのですか?」


 抱き着いていたリコちゃんが離れて、シャルちゃんに詰め寄った。


「違うの。えっと……その……ライバルって言いました!リコちゃんを奪い合うライバルって……」

「そうですか……わたしを奪い合う……ですかぁ……うふふ♪」


 シャルちゃんが回避できてホッとしていて、リコちゃんが嬉しそうに頬を赤くさせて戻ってきた。


「お姉ちゃん、ライバルが出来ちゃいましたねー♡頑張ってくださいね!」


 ライバルって……リコちゃんは、私に一途って言ってたよね?ライバル関係が成立してるの?まぁ……リコちゃんが喜んでくれるなら……それで良いけどねー


「ライバルかー。リコちゃんが取られちゃったらどうしよー」

「うふふ♪取られないように優しくして下さいねっ!」


 放置されていたルリちゃんが寂しそうにしていた。


「おいでー」

「はい♪」


 なんだか恒例となってきている3人でのハグ?というか抱き付き合いをしたけど、恒例となっていたのでリコちゃんも自然と、ルリちゃんの場所を空けてくれた。


 仲間はずれとなっていたシャルちゃんが、つまらなそうな表情をして見つめていた。呼んでも来ないだろうしなぁ。

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