2. 『ブレインサイト』(著:岡 辰郎)
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『ブレインサイト(著:岡 辰郎)』
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927860386674577
読了話数:1話まで
良かった所:
・圧倒的硬派な文章
・医療関係のリアルな描写
悪かった所:
・文章が詰まりすぎて読みにくい
・ストーリーが始まるまでが長い
その他:
・小説としては圧倒的に正解だけど、Web小説としては不正解だと感じました。
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拝読させていただきました。
いい意味で感想が難しいと感じました。アガサ・クリスティー賞にノミネートされた作品という事で、小説の完成度という点では格が違いました。
ものすごく勉強になりました。
ただし、Web小説としての完成度が高かったかと言われると、それはNoだと思います。
まずWeb小説で何より大事なのは「読みやすさ」だと私は考えています。
暇なとき、スマホでサラッと読める手軽さがWeb小説の魅力です。ボケーっとした頭でボーっとしながらでも読める。
深く考えなくても頭に入ってくるような文章が望ましい、というのが私の考えです。
ですがこの作品はその対極に位置しています。
しっかりと腰を据え、ゆっくりと一文一文を噛みしめながら読まないと頭に入ってこない。
画面の密度も高く、疲れ切った頭で読むと少ししんどくなってきます。
面白いは面白いのですが、英語で言うなら「fun」の面白さではなく「interesting」の面白さ、と言えば伝わるでしょうか?
少なくとも、紙の本で読みたい重厚さです。
仮にも賞にノミネートされた作品を素人が批評するのはおこがましいかもしれませんが、最初に書いた通りWeb小説としては圧倒的に不正解だと感じました。
要するに「求められている物とは違う」という事です。
料理で例えるなら、この作品は『高級フランス料理』です。説明されずとも最高に美味しいのは保証されています。食材から厳選し、丁寧に調理され、盛り付けにもしっかりとこだわっている。なので当然おいしいですし、見た目も完璧です。
ですがカクヨムで求められているのはそんな高級品ではないです。料理で例えるなら『ファストフード店のハンバーガー』です。「やすい・はやい・うまい」の三拍子が揃ったお手軽な品です。
また完成度は高いと感じましたが、ちょっと説明が長すぎるようにも思いました。
話の本筋に入る前に医療関係の解説から始まるのはわかりますが、長すぎないでしょうか……?
読む側も医療ドラマで仕入れた程度の知識はあるので、まず解説よりもストーリーを始めて欲しいと思いました。
先程の料理の例を続けると、ずーっと調理工程を見せられるばかりで中々料理が出てこない、という印象でした。「一体いつになったら料理が出てくるんだい?」と、そんな感じでした。
これはWeb小説に限った話では無いと思いますが、コンテンツが飽和しているこの時代で初動が遅いのはいかがなものかと思います。完成度は高く、小説としてのクオリティも高いですが、本屋でこの作品と出会っても私は買わないかな、と思います。中々本筋が始まらないので、最初の方だけ見て「勉強になるなぁ」と思いそっと本棚に戻しそうだな、と感じました。
以上が読んだ感想となります。
忖度なしで思った通りのことを書かせていただきました。
もし不快な気分にさせてしまったら、申し訳ありません。この感想は削除しますので、仰ってください。
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