第18話 元上司の息子に対する制裁

 僕が目を覚ましたのはそろそろ慣れてきた僕の部屋だった。


 外を見るともうすでに太陽は登り切っていた。


「あれ?あれからどうやって帰ったんだろう?」


 昨日最も大きな傷を負った横腹を見てみる。


 そこには傷一つない張りのいい肌があった。


 そこに微かな融合痕から高級回復薬のボルベルク領産の『カプノス』が使われたのが分かる。


 なかなか高いものだが、そこまでひどい傷だったのだろうか?


 そばにあった眼鏡を取り付けベッドから立つ。


 立ったそばからフラッとし、そばにあったものに倒れ掛かる。


 よくあることで、以後気を付けながら寝間着からお気に入りの服に着替える。


 ボタン一つ一つすべて宝石仕立て、生地から何からすべてにこだわった見た目はきっちりとしても着ると結構伸びもよく、楽な服だ。


「ってことは今日授業さぼってしまったのか……」


 一日ミライムさんに会うことのできるチャンスを逃したことに落ち込む。


 誰が僕の血だらけの服を寝間着に着替えさせてくれたかはちょっと頭によぎったが、特に気にならなかった。


 状況を把握すると今度は腹が減ってくる。


 もう十五時間くらい飯を食っていない。


 よくもそんなに寝たなと思う。


 裸眼で限界を超えた時間使うと大体これくらい寝ることが多い。


 ベッドに掛けられてった件を手に取り、刀身を確認してご飯を求め、部屋を出る。


 刀身には刃こぼれがたくさんできており、いつも丁寧に磨いている刀身も傷だらけいなっていた。


 何度かむりなつかいかたをしたし、こんなものだろうとは思うが修理に出すとしてこれを修理に出すと常備する武器をどれにしようか迷う。


 部屋を出て、食堂に行き、ご飯にありつく。


 今の時間帯は誰もいなくて、食堂にいた使用人から奇異な目で見られたが、そんなことはいつものことなので、特に気にしない。


 いつも通り、僕の舌には合わない。


 僕はもっと繊細な味が好みなのに、ここに来るのは子供ばかりだと、大味なものが多くなっている。


 大味にするならもっと振り切ってほしいと思う。


 それなら僕も逆においしく食べられるはずだ。


 かつて名前も覚えていない村で食べたように。


 食堂を後にすると部屋に戻る。


 これから遅れてでも授業に出ようという気持ちにはなれなかった。


 ミライムさんには今日休んだことどのように思われているのだろうか?


 ミライムさんは自分が貴族であることに対する誇りを他の誰よりも持っている、高潔な人なのだ。


 あまりいい感情を持っていないだろう。


 ちょっと前になるが、ミライムさんと一緒に入学式を休もうとして断られたように、誰よりも美しく、誰よりも高貴で、誰もが近くにいたいと夢を見るような人なのだ。


 部屋に戻っても特にやるべきことはない。


 宿題とかは特にないし、昨日の戦いのせいでフラフラして、トレーニングどころではない。


 しょうがないからこれからボロボロになった剣の代わりの武器を手持ちの中から見繕わなくてはならない。


 そういえば剣の修理も出してなかったから出さなくてはならない。


 考えればやるべきことなどいくらでも見つかること僕はこの数秒で知った。


 どちらを先にするか迷ったが、ここ最近物騒らしいし先に携帯用の武器を見繕うことにする。


 ビカリアさんが運び入れてくれた山のような荷物の中からいろんな種類の武器が入った箱を取り出す。


 そこから各種武器を床を傷つけないように意識しながら丁寧に広げる。


「これとこれと……これ……………かな?」


 広げたたくさんの種類の武器の中から僕が扱いの得意な武器を選んでいく。


 家の方針で、可能性を狭めないようにボルベルク家の人間はメジャーな武器から滅多に見ることのないようなマイナー武器までたくさんの武器を幼少の時からたたき込まれている。


 もちろんその中には得意な武器も苦手な武器もある。


 だが、技術が身に着くのは子供の時だけと、いろんな人たちにかわるがわる教えてもらったおかげで、今、僕はどの武器でも見苦しいとは思われないくらいにはうまく扱えるようになっていると言えるだろう。


 さて、どの武器にしようかと真剣に悩む。


 武器をもって学園に通うわけだから大きな武器、目立つ武器、かさばる武器は候補から外す。


 こうなってくると一番扱いやすくて、よく携帯している人を見かけるダガーに決める。


 二本セットで、一本はすぐに取り出せる、腰に差し、二本目は隠すように懐にしまう。


 腰に差すのはプッシュナイフと呼ばれるもので、金などで美しく装飾されている成金が好みそうなものだが、しっかり実戦でも使えるとボルベルク領にいたとき、短剣を教わった恩師からはお墨付きを得ている。


 もう一本の懐にしまったものはククリナイフと呼ばれるもので、指一本でバランスをとることが出来る優れた作りになっており、威力も問題なくあるものの、ただの実戦用で武骨なつくりとなっている。


 だが、いい武器というものは総じて飾らなくても美しいものである。


 僕は最初はこの変わった形に違和感を覚えたものの、今となってはその有能さを知りかっこよく見える。


 どちらも一般的なつくりのものより少しだけ大きめに設計してもらっている。


 今まで持っていた剣よりも重量が軽く、大きくないのでそこの気を使う必要がなくなり、楽になった。


 武器も決まったし、剣を握り外に出る。


 未だに貧血気味でくらくらするが、大分気にならなくなってきた。


 僕が目指しているところはとある先生のところだ。


 これまたボルベルク領出身の先生で、あの人には良く武器の目利きの仕方について教えてもらった。


 元ボルベルク領専属の鍛冶師だったが、その人の弟子が十分育ってきたこともあり、もう少し、責任を感じなくてもいい職場に付きたいとのことで職を求めて旅に出て行ったらしいが、すぐに帝国学園初級に就職が決まったらしい。


 日々、ボルベルク領ではその過酷な訓練ゆえ、武器が壊れていく。


 武器とはもともとそういうものだが、毎月毎月ノルマがあり、好きでやってた仕事が嫌いになりかけたことが多々あったらしい。


 それは学園領の北の端にあった。


 まだ新しい部類に入る奇麗なレンガ造りの建物が人気のないところにポツンとあった。


 ここに目的の人がいる。


「ブリギットさんおはようございます!」


 よく相談にのってもらったり、いろいろ教えてもらっていた関係で、さらにボルベルク家の所属から離れた人なので、気兼ねなく話せる人だ。


「今はもうおはようの時間帯じゃないだろう。……こんにちは、いや、ご機嫌麗しゅうフリード様」


「いやいや、僕たちはそんな関係じゃないでしょう。そんなに会わないことなんてやってないで、何か相談事あったら聞きますよ。対価はもらいますが……」


 ボルベルク領にいた時代は僕に心を落ち着かせて休むことのできる時間帯というものはなかった。


 毎日礼儀作法、兵法もしくは戦闘訓練それらの英才教育を受けており、座学の時間帯は只々怖い人に教わり、少しでも集中を乱すと鞭で手をたたかれる。


 そんなところでは全く気が休まらず、疲れだけがたまっていく。


 戦闘訓練は言わずもがな、命にかかわるようなことばかりさせられて、僕よりも少しレベルの高い魔物とばかり戦わされて、唯一心を休められるのは武器を壊したときにだけブリギットさんのとこに行くことが許され、直る、もしくは新しく僕専用の武器を選ぶ少しの間だけ、休むことを許してくれた。


 もし、ブリギットが女の子でかわいい子でミライムさんに出会う前までだったら惚れていたかもしれない。


「ここ最近、ボルベルク領から離れてノルマがなくなって、また武器を作ることが楽しくなったのはいいんですけどね。この立地が悪いせいなのかフリード様以外ここに来たことがある人がいないんですよ」


 うーん……ただ愚痴を言われてストレス発散に付き合わされるだけかと思っていたが、これは思ったより、深刻だなぁ。


「宣伝とかはしてるんですか?」


「……したらたくさん人が来て、忙しくなってしまうだろう。そんな武器の良し悪しも分からないような子供を相手になって一人や二人ならともかく、元ボルベルク領専属鍛冶師だったんだ。肩書につられてわらわら来るだろ。そうなったら……怠い」


「わがままだなぁ。そんなんだから誰も来ないんじゃないか」


「そうはいってもなぁ……この学園のトップ層なら最低限の良し悪しぐらいは分かるだろう。そんな人たちに噂話程度にでも腕のいい鍛冶師がいるってほのめかしてくれたら有難いなー……なんて」


 そういいながらチラチラこちらを見るのはやめてほしい。


「まず、似たような形の武器をいくつか用意して、客にどれが良くてどれが悪いか試してみたらどう?」


 そう提案してみても顔は難しいままだ。


「それも考えたんだがなぁ、そんなことをしたらガキだぞ。それも貴族やボンボンの。大人でも聞き訳が悪いのにそんなことしたら最悪暴れられて店を壊されるぞ」


 確かに、僕以外の人間というのは誰もが愚かで醜い。ミライムさんは除く。


 そんなやつらがお前には資格が無いなんていわれて確かに大人しくしているようには思えない。


 てか、僕でも腹が立つと思う。


「確かにそうですね。……しょうがないですからエレーファにでも紹介しておきますよ。あとミライムさんと、知り合いにエルメ『固位』を発現させていつ人が何人かいるので広めておきますね」


「ああ、そうしておいてもらえると助かるが……スタローン家の令嬢はなんか武術とか修めてるのか?よくうわさに聞く人ではあるけど、強いって噂は聞いたことが無いぞ」


「全く……ブリギットさんはダメですね。うん、全然だめだ。ダメダメだ。ミライムさんほどの人にできないことがあるわけないじゃないですか。さては実際にあったことないんでしょう。会えばわかりますって」


 少し僕のことをうざそうにしていたが、そんなことはありえないだろう。


「……そっか。確かに悪い噂を聞いたことがない人だからなぁ。悪いことにはならないだろう」


 少し悩んでいたが、ミライムさん自身の噂の良さに折れてくれたみたいだ。


 それでも、僕はミライムさんは本当に強いと思っている。


 さすがにエレーファほどではないと思うが、何度も何度も凝視してきた僕の目は誤魔化せない。


「まぁ、フリード様と同じ年齢でエルメ『固位』を発現させているなら。ましな部類ではあるだろう。高望みはしないさ」


 十分望みは高いとは思うのは僕だけだろうか?


 確かにブリギットさんがこれまで働いてきたところを考えるとそう考えてもしょうがないだろう。


 ある超大企業で部長まで上り詰めた超エリートが別の企業に行くと営業をさせられるみたいなことなのだ。


 不満はあるだろうが、自分で選んだことなのだ。諦めてもらうしかないだろう。


「それで僕がここに来たわけですが、剣を見てほしいんですよね」


「うん?フリード様が使う剣って言ったら隔絶遮断・ゼラオシリスか?」


「ええ、これです」


 握っていた剣を歯を見せるようにして差し出す。


 それを厳かに受け取ったブリギットは剣の手入れぐらいは自分で出来るはずなのにどうしてここに来るのか疑問に思ったようで、鞘をすべて外し、吸い寄せられるようにして見る。


「おま、フリード様!これほどの名剣がどうしてこんなことになってるんですか?これって今のフリード様程度ならただの射程範囲が伸びる程度の剣ですけど、それこそ幹部レベルが使うと防御不可能の攻撃を放つものですよ。それをこんな雑な扱いをして、もしこれを素人が持っていたらたくさんの鍛冶師たちが殺しにかかるほどはらだたしいものだぞ!」


 よくわからないが、怒っていることは理解できる。


 静かに怒られることはあってもこれほど感情をむき出しにして怒られることは珍しいのでちょっと新鮮だ。


「しょうがなかったんですよ。そんな強い人がいないと思って出た戦いの場所に地力では僕よりずっと強い人がいたんですから。ここまで大きな刃こぼれが出来ていなかったら僕の腹がこぼれていたんですから」


 そういうと少し考え込んだ。


 鍛冶師なんてものは単純だ。


 自分の作品や自分がすごいと思っていたりする作品を壊したりボロボロにしたりするとすごく怒るけど、命を守るためだというと武器は自分の身を守るためにあるものだって理解しているから何も言ってこなくなる。


 僕の予想通り考え込んだきり、眉間に寄っていた皺はすっかりなくなっている。


「……そうでしたか。それはしょうがなかったのかもしれませんね。……ならこれで勘弁しておいてあげます」


 ブリギットさん、いやブリギットは近くに寄ってきて、僕の左頬を殴ってきた。


 僕の顔を殴りかかってきている様子はしっかりとめにはいってきていたが、僕はそれと同時に眼に入ってきたブリギットの笑顔を見て避けることが出来なかった。


 バシッ!となかなかいい音を奏でながら僕は右側に頭をとばす。


「いった!」


 殴られた場所をすりすりとなでながら不満げな目をブリギットに向ける。


「なんだ?文句あるのか?」


 高圧的な態度で寄ってくる。


「いいえ、何でもないです」


 僕はすぐに大人しくなる。


 どうしてか僕は高圧的になるのはよくやるし、やるのは僕の高貴さを象徴しているようで楽しいのだが、やられるとなれていない分すぐにおびえてしまう。


「まあいい。この武器はしばらく俺が預かっておく。その間武器の使いかたをもう一度見直せ。もしくは盾を使うかのどちらかにしろ」


 そういいながらカウンターに僕の剣を置く。


 物を扱う手つきは丁寧で、一応この人は信用できる人である。


「これを預けるってことはその間の武器はもう決めたのか?」


 すぐにいつも通りの声になり、優しく聞いてくる。


「一応もう決めてますよ。……これです」


 すぐに腰に差してあったプッシュナイフと懐に隠してあったククリナイフを取り出す。


 刃を抜いた状態で取り出したので刃が当たらないようにゆっくり、刃の側面をもって渡そうとする。


「貸せ!」


「危な!」


 ブリギットがひったくるようにして僕の手から短剣を奪っていく。


 ひったくったことによって僕の手が刃に当たって、少し切り傷が出来てしまった。


「おい!」


 さすがにそろそろお灸をそえなきゃいけないかもしれないと思いながら怒気を込めた声で話す。


「黙れ!!」


 もっと大きな土器のこもった声で返され、僕はまたもや委縮する。


 それでも、さすがにそろそろ仕返しをしなければいけないとは思う。


「これまたテンザン様は頭が逝ってしまったのか?」


 ブリギットは嘆くようにして手で顔を覆った。


「どうしたんですか?あまりいい予感がしないのでもう返してもらっていいですか?」


「だめ!」


 ダメもとで言ってみたのだが、やおおありだめだった。


「フリード様提案ですけど、今のフリード様にはこの短剣を絶対に使えこなせません。使いこなせるにはもっと経験が必要になります」


「そうなんですか」


 僕にその言葉に対する疑いの心はない。


 これまでボルベルク領でたくさんの人たちを見てきたのだ。


 それに僕にでもこの短剣にすごい力が宿っていることは分かっている。


 どのように使いこなせてないのかは分からないがその言葉に間違いはないだろう。


「それでこの短剣を俺に預けてくれないか?さっきの剣も含めてこの短剣は『創設期』に作られたものだ。俺を含めて、数多くの鍛冶師の目標が『創設期』を超える武器を作ることだ。だが、その武器は完璧に使いこなすだけの技量と力を持った者にしか本来の力が顕現されないんですよ」


 その話は聞いたことがある。


 すべての鍛冶師が目標にするみたいなすごいものだってことは聞いたことがあったけど、それにしては能力そんなにすごくないなって思っていたけどそういうことだったのか。


「はい、それでどうしろと」


「それでこの武器を俺に預けてくれませんか?盗んだりしないって契約もしますし何かあった場合は俺がテンザン様に話をつけます」


「いいとは言ってあげたいが、だめだ」


 はっきりと答える。


 この武器に大金がつぎ込まれていることくらいは僕でも知っている。


 そんな価値がこの武器にはあるということだ。


 僕に使いこなせない武器を与えてくれた父上の意図はよく分からないが、何か目的があってのことだろう。


 この武器を使いこなしてみろということなのかもしれない。


 大金のかかったものを人の預けるのには相当のリスクが生じる。


 契約すると言っても本人の意図しないことがあった場合にはどうすることもできない。


「そうですか。少し残念です。この剣も少ししたらもらいに来てください」


 僕の裁量でどうにかなることにはすぐに折れたり上に流されたりすることもあるが、何か大切なものを背負っているときの僕はぶれない。


 ブリギットも何か執着してた割には意外とすんなりと引く。


「それじゃあ、また返しにもらいに来るときに代金は払いますのでまた」


 短剣を返してもらい、踵を返す。


 工房から出て今日は誰かに会っても面倒だから部屋に直行する。


「フリード様、ブリギットは信用できる人ですよ。後ろ暗い経歴とかもありませんし、貸してもよかったのではないでしょうか?」


 イルミナがするっと後ろから現われ、そんなことを言う。


 部屋にはいなかったが、どうやって聞いたのだろうか?


「確かに信用はしてるんですけど、なんだか今日殴られたんでその腹いせも込めていたのは否定しませんが、ああ言われると使いこなしてみたくなるじゃないですか」


「それでは逆に時間が掛かるから言ってるのでは?急には強く成れません。一つ一つ積み重ねることが重要ですよ。それに今のフリード様には合わない能力でしたでしょう」


 確かに言われてみればそうだ。


 『創設期』の武器には属性武器が少ない。


 無いということはないが、圧倒的に少ない。


 対して現代の武器の能力の殆どが属性武器だ。


 火をまとったりするだけだが、正直言うとそっちの方が使い勝手がいいかもしれない。


 だが、不思議なことに強い人の格言では属性武器を使うものは未熟者である証という言葉があるらしい。


 どういうことなのか周りの人に聞いても誰も教えてくれないし、僕に入ってきているボルベルク家次期当主としての情報ってほとんどないのではないだろうか……


「確かにそうかもしれませんね。でも、そうしたら僕の武器がなくなるじゃないですか」


「武器ぐらいブリギットがいくらでも貸してくれるでしょう。ブリギットはただこの短剣を観察したいだけでしょうし、使いこなせない武器を使うより使いこなしやすい武器を持った方が強くなるでしょうし、何よりかっこいいですよ」


 確かに炎をまとった剣を振り回す僕を想像する。


 なんだか、何にもまとってない剣を振り回すだけの以前よりかっこいい気がする。


「それもそうですね。父上に武器を貸すって手紙を書いておかないといけませんね。どうせ許してくれるでしょうし、今更僕は行きづらいのでイルミナに言ってもらっていいですか?」



「いいですよ。よかったです。ブリギットにはかつてすごくお世話になったんで少しは恩が返せた気がします。ついでにフリード様に合いそうな武器を貸してもらってきますね」


 そういいながら戻っていった。


 僕は気にせず、寮に向かって歩いていく。


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