「詩集 永劫」(令和1年~)
舞原 帝
24.一世事
形だけじゃない愛のそのカタチを 見つけられたなら
この生涯を終えるまでに 恩のひとつでも返せたなら
そう願ってやまない僕は 未だ愛の「あ」の字も知らなくて
今さら芽生えたその感情に戸惑うばかりで でもどこか安堵もしていて・・・
この世のものを何かひとつでも持っていけたなら
一生分の思い出をひと抱えでも持っていけたなら
そう願ってやまない私は ずっと一人で生きてきた にも拘らず
この掌には いつも誰かの温もりが残っていた 端無くも・・・
最後の最後に 心ごと 想いごと 抱きしめられたなら
その時交わす言葉を胸に 一歩ずつでも前に進めたなら
そう願ってやまない僕は 未だ過去を悔やみ己を戒めようとして
傍から見ればそれは滑稽で でも今さらそんなこと気にしていられなくて・・・
本当にいつか本当の詩を一編でもいいから書けたなら
もしそれが叶わなくても死ぬまで「詩」を書けたなら
そう願ってやまない私は 結局何も果たせずにいた それだのに
この命には 悲しいかな終わりが見えてきた だとしても――・・・
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