23.詩興

自「分 」をここまで失って尚生きる意味はあるのだろうか

自分の好きなものや考え方 自分の思いという思いを どこまでも押し込めるのはいい

そうすれば自分が傷つかずに済むのだから でも・・・そうせざるを得ないのだとしたら? 

そうして押し込めた自分に何が残る? ふとそんなことを考えてしまう


大袈裟かもしれない 死ぬべきなのでは?と削ってきた命を自ら擲つのは とは言え――

どう足掻いても書くことでしか使い方を知らなかったこの命 生かす道などあったろうか

だがもし本当に命に終わりが来るというのなら 書く手を止めるのは暴挙とも言える

そしてそれが図らずも自ら命を擲つことに繋がる そう信じるのは誰か? 私か・・・


音より先に言葉を放った

光より先に景色を映した

この喉が この瞳が

その奥底から湧くは詩興 だのに何故押し留めていられようか


誰一人として関知されない夢を見ては その都度お辞儀するかの如く深く項垂れる

間違って見たその夢が「これは誤りだ」と教えてくれることはなく

だから今も見続けているこの夢に終止符を打たねばらないのに

項垂れることに慣れ果てた夢と共に いつの日か今度こそと仰ぎ見た今日に立つ

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