第七話 帰宅


 あれは何だったんだろうと首を傾げた。でも、考え込んでも答えは出ないので、零夜は帰宅することにした。



 時間はもうお昼、時計を見ると長針はちょうど12時を指していた。お腹が空いてきた零夜は傘をもう一度さし直し、階段に着くと、今度は足を引っ掛けて転けてしまわないように、慎重に降りた。

 日陰を出ると太陽は真上に昇っていて、強い日差しが地面に降り注いでいた。




「暑い…」

 零夜はポケットからハンカチを取り出して、汗を拭き取った。傘は肌に日差しが当たらないように、傘の中棒を体に付けて深くさした。


「思ったよりも、神社で時間が思ったよりも経ってしまったなぁ。」

 零夜は独り言を言いながら、これ以上暑い場所にいたくなかった零夜は、少し急いで帰ることにした。








 

 住宅街の歩道を歩いていると、黒い平らな屋根、壁はクリーム色の家が見えてきた。あれが僕の家だ。僕はポケットのパスケースから、カードキーを取り出してパネルにかざした。


 カチャ


 鍵が空いたので、傘を閉じて傘立てに入れると、すぐリビングに向かった。




 リビングに入ると、台所の冷蔵庫を開けると、今日の弁当が入っている。その弁当にはテープで、


「冷蔵庫で冷やしてあるから、食べる前によく電子レンジで温めてから食べてね。おかずは昨日の残り物で作ったけど、栄養バランスを考えて作ったからね。それと、デザートには好きなみかんをヨーグルトに入れておいたよ。 by 雪花せつか


 という母からのメモが貼り付けられていた。


「いつもありがとう」と僕は小さく呟いて、少し照れ臭かったけど、母が帰ってきてから改めて言おうと思った。



 手に持った弁当は電子レンジに入れて温めた。1分半経って、温め終わった弁当を取り出して、テーブルまで運んだ。

 二段弁当の蓋を開けると、ご飯と少し甘めの味付けの卵焼き、和風ダレのかかった鶏肉の肉団子、ほうれん草の胡麻和えが詰められていた。


「いただきます」


 まず、最初にご飯と肉団子を一緒に食べ始めた。ご飯はしっかり温めたからホカホカで、肉団子のタレと絡めて食べると美味しかった。ちなみに、このタレは僕の母の手作りで、野菜不足にならないように野菜たっぷりでこだわりのタレだと言ってた。卵焼きはあまり砂糖を使いすぎないようにして、胡麻和えはビタミンなど栄養素を考えて作っているらしい。

 僕はよく噛んで、食べ終わり、「ご馳走様でした。」と食後の挨拶をして、立って台所に向かった。



 台所では、中性食器用洗剤を使って洗い終わり、片付けると僕は自分の寝室に向かった。

 ベットにそっと寝て、天井を向きそのまま目を閉じた。



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