第41話 いざ 王都へ

サヤカ

「で…でも 結構高いね…どうやったら 乗れるの…」

馬車は 地上から数メートルは浮いており ジャンプしてどうにかなるレベルじゃなかった

グミ

「何言ってんの?浮けば行けるだろ?」

ユウキ

「………俺たち……飛べないぞ…」

グミ

「は?う…嘘だろ…嘘ってわけじゃ 本当になさそうだな…はぁ…マジか…ったく 長くは俺の魔力じゃ浮かせられないから さっさと乗れよ」

ユウキ

「すまん…グミ…助かるよ…」

その様子を見ていた エイガとエイシャ

エイシャ

「……本当に…あの方たちで 間違いないのでしょうか…どう見ても 相当な能力者に 私には見えませんが…」

エイガ

「…それは 私たちが 検索することではない…」

エイシャ

「…はっ…申し訳ありません…」

エイガ

「…行くぞ…エイシャ 王の命令だ 何があっても この方たちを 我が王 ハデス様までお連れするのだ」

馬車の右手にエイガ 左手にエイシャが陣取る

エイガ

「では ユウキ様 サヤカ様 今から我が王都までお連れします」

エイガがそう言うと 馬車より少し大きめの 真っ黒な太い道らしきものが 遥か彼方まで 空に道を作る

ユウキ

「あ…はい よろしくお願いします」

サヤカ

「…でも これだけ目立つ黒い道が出来ちゃったら 目立っちゃうね…」

グミ

「…俺が 見えるようにしてんの…本来なら 見えねぇよ…」

サヤカ

「え!?そうなの?な…なんか グミちゃんって 実は凄い子なの!?」

グミ

「そうだぞ 俺はかなり凄いんだぞ まあ 俺がいりゃなんとかなるさ サヤカ お前は どうやらユウキにとって 1番大切なやつだから お前もちゃんと守ってやるさ」

ユウキ

「あ!バカ!そんなこといちいち言うなよ!」

サヤカ

「ユウキは 私が 1番大事なんだ へーっ」

ユウキは照れながら 目線を逸らす

グミ

「は?なんだか よくわからねえな…大事にしているっていうことは ダメなのか?…ユウキが ますますわからん…」

ユウキ

「そういうもんなんだよ…ったく いちいち言葉に出すもんじゃないんだよ…で いつ 出発するんだろ?」

グミ

「何言ってんの?もう 出発しているぞ…お前…いくらなんでも鈍感すぎるだろ…なあ サヤカ」

サヤカ

「え?ええ…そ…そうね で…でも 外の景色が見えないのは 残念ね…」

グミ

「…………ふーん……お!着いたのかな?…止まったな サヤカ?」

サヤカ

「あ…あら ホントだ 結構早かったね…」

グミ

「クックク…なんだ サヤカも全然分かってねぇじゃねーか!止まってねぇよハッハハハ!」

サヤカ

「あーー!!こら!グミちゃん!試したのね!くぅ…やられた…」

ユウキ

「なんだよ サヤカもわかってないのか…変だと思ったよ こうなったら グミに全面任せるしかないか…いくら集中しても わかんないし 主人はこれからボーッとしてるから 何かあったら教えてくれ グミ」

その様子を外で見ていた エイガ

エイガ

『………あの…赤い球 相当な化け物だ…なぜ…あんな化け物が あの2人についている…もしや…あの赤い球に ハデス王は用事があるのか…なら…わかるが…しかし…分からぬ…なぜ…あれほどの化け物が あの2人を守っている?……いやいや 私が 詮索することではない…』

エイガには さっぱり分からなかった…エイシャと同じく ユウキとサヤカの能力がグミよりも高いとは思えなかった…そして 王都がもつ最高級の馬車で迎えに行けと言ったハデス王の命令にも困惑していた

それから 数刻が過ぎる

ユウキ

「…ふうああぁ…しっかし 何もしないってのは 退屈だな…なあ…グミ?」

グミ

「………おい…言っておくが 俺はずっと集中してるんだぜ…少し減速したぞ…もう少ししたら 目的地かもな…」

サヤカ

「え!ホント?…やっと 王都が見れるのね!どんなとこかしら?」

ユウキ

「そういや アモンの城の時も楽しみにしてたよな?サヤカは城が好きなのか?」

サヤカ

「えーっ…やっぱり 憧れるでしょ?ずっとお姫様になりたいわけじゃないけど 一日体験お姫様とかだったら 女の子ならみんななりたいんじゃない?」

ユウキ

「へぇ…そういうもんか…男にはわかんないなぁ でも 確かにサヤカが言うように 一日だけなら なってみたいかな?」

グミ

「……止まったぞ…着いたんじゃね?…いや…違うな……落ちてる?…ユウキ!サヤカ!グダグダ言ってんじゃんねぇ!!外で戦闘になってるぞ!!」

ユウキ

「せんとう?……せ…戦闘!?な…なんで!?」

ユウキがグミに言葉を投げかけていると 突然 馬車の扉が開いた

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