第38話 ヒデオの危機

ヒトミ

「で ユウキ?この子 何処で拾って来たの?」

ユウキ

「そのへんは ややこしくて…おーい 父さん 母さんに詳しく話してくれ」

しかし ヒデオは バールと話し込んでいて 全くこちらに気づいていない

ユウキ

「…あ…もう…しょうがない…俺から説明するしかないか…」

ユウキは 刀剣を売っているお店の事 そして そこで起こった事など ヒトミに説明する

ユウキ

「………と まあ そんなことがあったんだ」

ヒトミ

「………へー…そんなことが…あったの…で…この子が…封印されていたのが…ユウキの腰にある木で出来た剣と…そして…刀剣の値段が…と…」

ユウキは ヒトミの奥底に凍えそうな冷気を感じる…

ユウキ

「??か…母さん?ど…どうかしたのか?」

ヒトミ

「別に…なんともないわ…ただ…用事を思い出しちゃってね…急いで 家に帰らないと 行けなくなっちゃったわ…」

ユウキ

「そうなのか?ふーん…わかったよ」

ヒトミは ユウキにそう言うと サヤカの元に行く

ヒトミ

「サヤカちゃん ごめーん ちょっと用事を思い出しちゃたから ヒデオさんと一緒に帰るね!」

サヤカ

「え!?あ…そうなんですか?それは 残念です…」

ヒトミ

「まだまだ たくさんピザがあるから みんなでたくさん食べてね!」


ヒデオ

「まさしく!そうなのだ!やはり 男子たるもの!………ん?何か用事でもあったか?今日は せっかく たくさん集まったんだから もう少し いようじゃないか!」

ヒトミ

「ごめんなさいね バールさん ちょっと用事が出来たんです バールさんは ゆっくりしていってくださいね!……ヒデオさん 帰りますよ…」

バール

「う…うむ それならば 仕方ないな では ヒデオ殿 また 後日語ろう」

ヒデオ

「バール殿まで そんなこと言わずとも…ん?」

バールは ヒデオを手招きし 周りに聞こえないように こっそりヒデオと話す

バール

「……なにやら…まずい気がしますぞ……あの…ヒトミ殿の奥にまこと 恐ろしい邪気が見えるのだ…ここは 黙って ヒトミ殿の言うことを 聞いていた方が 良いと思いますぞ…」

ヒデオ

「え!?……ほ…本当か…俺…なにか…やらかしたのか…むぅ…わからん…もしや…少し 調子に乗りすぎたか…」

ヒトミ

「何してるの?ヒデオさん 帰るわよ」

ヒデオ

「あ…ああ…では バール殿 お先に失礼する」

バール

「う…うむ では また」


ヒトミとヒデオが 先に帰り たらふくピザを食べたレモン そしてバールが帰り ユウキとサヤカは後片付けをしている


サヤカ

「ねぇ…お義母様は 何の用事で帰ったの?」

ユウキ

「さあ?良く知らない サヤカは何も聞いてないのか?」

サヤカ

「変ねぇ…買い物行ってた時でも 用事があるなんて 言ってなかったのに…」

ユウキ

「ふーん…あ!そういえば グミの事 聞いた後 急に 用事があるって言ってたな…」

サヤカ

「グミ?なにそれ?」

ユウキ

「ああ まだ紹介してなかったな…ほら 未だにあそこで ピザ食ってる赤い球だよ」

サヤカ

「え…なにあれ…」


ユウキは また同じ説明を サヤカにも説明することとなる


サヤカ

「ちょっとまって…その木剣…って…いくらしたの…」

ユウキ

「ん?ああ 最初は タダでいいって言われたんだけどさ 父さんが それじゃ駄目だって支払うって言って それで 父さんも自分用の剣と この木剣分 全部払ってくれたんだ えっと…たしか…青白硬貨8枚だったかな…それが どうかした?」

サヤカ

「!!!も…もしかして…お義母様にも…そ…それ…言ったの……」

ユウキ

「ああ もちろん言ったよ?それが 何か?」

サヤカ

「!!!ま…まずいわ!!ユウキ!!今すぐ お義母様の家に行くわよ!!下手したら ヒデオさん……消滅しちゃう!!」

ユウキ

「は? 何言ってんの?お…おい」

サヤカは強引に ユウキの手を引っ張り 走り出す

ユウキに一定の距離以上離れられないグミも 地面にバウンドしながら ヒトミの家に直行した


ユウキ

「なんだ?なにが どうしたってんだ サヤカ」

サヤカ

「い…以前 ヒデオさんが 青白硬貨1枚の剣を 買ってきたことがあったの! その時は ボディーブロー2発とビンタで許したって言ってたのよ! それを 今回 お義母様に相談なく8枚よ!ヒデオさん……どうなるかわからないわ…」

ユウキ

「い!?ま…まじか…お…おい!グミ!お前なんとか 母さんをなだめるの手伝え!!」

グミ

「と…うわ!とり…あえず…わ!一旦スピードさげてく…れ!見たら分かる…だろ!」

走りながら 後ろを見ると 地面に引きずられ 時々バウンドしている

ユウキは 急いで グミと自分が繋がっている紐を 手繰り寄せた

グミ

「ふう…な…なんだ…なんなんだよ…せっかくピザ食べてたのに…」

ユウキ

「後で 食べさせてやるから 今は黙ってついてこい!」


ユウキとサヤカは ヒデオとヒトミの家に着くが 変わった様子はない……と…思ったが…庭をそっと見て サヤカとユウキは 後ずさりをした


ヒデオ

「おう ユウキとサヤカちゃんじゃないか?まあ…この状態を見てくれれば 察しはつくだろう…なんとか 母さんに許してもらえるように 手筈をしてくれ いや…してください…」


ヒデオは 逆さまに十字架に貼り付けられ 手足は 氷の魔法で固定されていた

サヤカとユウキとグミで ヒトミに許してもらえるように説得したが 当然なかなか許してもらえず 一日中 貼り付けの計で なんとか 許してもらえたのだった…

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