第26話 サヤカの魔法

ヒデオ

「いやー…良かったな!さすがは 我が息子だ!俺も鼻が高い!…ところで HPが高いのは 分かったが 何か役に立つのか? 俺には 全く使い道が分からん… アモン 我が息子に 何をさせるのだ?」

一同

「……………」

ヒデオ

「…ん?な…なんか 余計な事 言ってしまった…のか…な?」

アモン

「そ…そんなことないぞ…例えば…そう…ほら…レミュ!なんかないか?」

レミュ

「は!?なんで あたいにふるのさ!」

アモン

「お前 第一線で活躍間違いなしって言ってたろ?」

レミュ

「う……そ…そうだね…やっぱり あたいの 実験台かな?」

甲這王 バモス

「…クックク いくら類いまれな者としても 戦力にならないなら 全くの無意味ですな…おっと そういえば もう一人の方は たしかHPも1でしたな…結局 両方とも 私の頭では 利用価値は見出せませんな ハッハハハ!」

レミュ

「この娘かい? それなら 問題ないよ HPが例え1でも この娘は 一切ダメージを受けないからね」

サヤカ

「え?…レミュさん 一体どういうこと?」

アモン

「なに!そうなのか? 全ての攻撃を無効にするスキルでも サヤカが持っているのか!?」

レミュ

「そんなスキルなんてないよ ただ この娘が 受けるダメージは 全て肩代わりしている奴がいるって事さ…」

そう言うと ユウキに向き直る

レミュ

「そう…あんたさ あんたがこの娘が受けるはずのダメージ 状態異常 全て あんたが受けている まあ 肩代わりしているユウキも 肩代わりさせてるサヤカも 全く自覚ないけどね」

アモン

「そんなことありえるのか?」

レミュ

「ないよ そんなことないに決まってるだろ でもね もうこの2人には いままでの 常識なんて通じないんだ」

アモン

「なんで わかったんだ?肩代わりなんて………まさか…」

レミュ

「ご名答 ひっそりと サヤカに状態異常の魔法をかけてみたよ まあ 流石に あたいの勘が外れたら 困るからさ ダメージを受けるような魔法はかけてないよ だから 遅延魔法かけてみたんだけどね…そしたら ユウキにかかってた…

笑えるだろ?こいつ…3倍の遅延かかってるのに 全く行動制限がかかってないし やっぱり 本人も全然気付いてないしさ…」

サヤカ

「い…いつのまに…」

ユウキ

「え!?俺…なんか変な魔法かかってんの!?」

レミュ

「あんたは かかっても 何の影響もないんだから かかってないのと一緒」

ユウキ

「う… な…なんだか 即死魔法の時もそうなんだけど 凄く雑な扱いになってきてる気がするんだが…」

カイ

「わかる…わかるよ…ユウキ君 なんだか 君には 僕とおんなじ風を感じるよ…お互い めげずに 頑張ろうね!」

ユウキ

「え?は…はい」

ガムラ

「シシシッ…まあ それはおいといて しかし 困ったのぅ…確かに無尽蔵のHP 状態異常をほぼ無意味な存在とはわかったが 攻撃手段がないとなれば…ただの 壊れれない置物にしかならんのぅ…さて どう扱うべきか…シシシッ…」

サヤカ

「あ!わ…わたし えっと…火の魔法が使えるみたいですけど…だ…駄目ですか?」

アモン

「火の魔法?そうか…ただ うーん 火の魔法だけじゃなぁ…他の魔法はないのか?」

サヤカ

「……ごめんなさい… それしか使えないみたいです…」

アモン

「そうか…でも もしかしたら 高威力かもしれないな…試しに使ってみてくれるか?オレは火の魔法全般反射しちまうから 何かあったら面倒だ 誰かいないか?」

カイ

「僕もダメだね…僕も反射持ちだよ…ごめんね…力になれなくて…」

ガムラ

「シシシッ…なら わしが受けるかのぅ…わしは無効じゃから 気にせずうってみるがよい…」

アモン

「そいうことだ サヤカ気にせず このじいさんにうってみな!」

サヤカ

「ええ!?い…いいんですか?」

ガムラ

「シシシッ…遠慮せず うってみるがよい…」

サヤカ

「は…はい わ…わかりました…えっと…こうかな?」

サヤカは 火の魔法を使用すると 手のひらより 少し小さな火の玉が ガムラに向かって飛んで行った しかし ガムラに当たる手前の 透明な壁に当たり 音も無く火は消えてしまった…

バモス

「…ブッハハハッ…それでは 全く攻撃手段がないのと 同じではないか ハハハッ…」

バモスの笑い声が 闘技場に響き渡る

サヤカ

「……むぅ…そ…そうだ ガムラさん!すみません もう一度いいですか?」

ガムラ

「ん?別にかまわんが…残念ながら 主が放った魔法では 話にならんぞ…威力も初期も初期じゃった…魔力1は 出鱈目な数字ではなかったようじゃ…」

ガムラは サヤカにそう促すが サヤカはブツブツ言って聞いていない

サヤカ

「よし!とりあえず基準がわからないから このぐらいで…では いきます!」

サヤカは また手のひらより 少し小さい火の玉を出し ガムラに向かって放つ

ガムラ

「…何度やっても わしには無効なんじゃ…大きさも威力も 何も変わらな…ん?な…なんじゃ!?なぜ警告の表示が?む!こ…これは!」

ガムラに放った火の玉は 先程 音も無く消えた場所を突破し ゆっくりガムラに近づいてくる ガムラは 慌てて防御壁を作り そこに当たり 残念ながらそこで消えてしまった…

ガムラ

「お…お主!い…一体何をしたのだ…」

アモン

「ん?どうしたってんだ?ガムラ?」

ガムラ

「………わしは…火炎無効なのじゃぞ…な…なぜじゃ…なぜ わしが火のダメージを受ける…」

ガムラは 警告が表示され とっさに防御壁を張ったが もしその警告を無視していたら…ガムラは久しぶりに胸が踊る… 

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