第14話 ブレスレットの秘密

次の日 ヒトミがユウキ達の家に来て アモンからもらった この世界の通貨を持ち ヒトミとサヤカは 買い物に出かけて行った

ユウキは 2人には付いて行かず 家にいる もちろん 2人には誘わられたが 断った

2階の窓が見える所に 椅子を持っていき ボーッとしながら 窓から景色を見ていた


ユウキ

「……所々 違いはあるけど ほんと 変わらない…」

ユウキは ボソッと独り言を呟く そして そっと右手で左目を塞ぐ

ユウキ

「………まだ 黄色のモヤは 消える雰囲気は…ないな…一体いつになったら 消えるんだろう…」


そして 数時間が過ぎる……


サヤカ

「ただいま」

ユウキ

「おかえり 何か面白いものでもあった?」

ユウキとサヤカは そのままリビングに向かう

サヤカ

「うん 色々あったよ やっぱりこの世界しか無い物も たくさんあったわ」

ユウキ

「へー…で 結局何も買わなかったの?」

ユウキは サヤカが硬貨の入った袋以外何か持ってる気配はなかった

サヤカ

「えーっ…よく見てよ 朝と違うとこあるでしょ?」

ユウキ

「え…えっと…あ!」

よく見て見ると 手首にブレスレットがついている

ユウキ

「ブレスレットか?綺麗だな そんなものまで売ってるんだ」

サヤカ

「これね ブレスレット型 荷物入れなんだって どう ビックリでしょ?」

ユウキ

「はぁ?どういう…」

ユウキの言葉を待たず ブレスレットの中央のボタンらしきものに 指で触れる

すると 大きな棚が現れ ゆっくりと地面に降りた

ユウキ

「うお!す…すごいな…どうなってんだ?」

サヤカ

「このブレスレットに荷物が入っちゃうんだって!すごいよね…どうなってるんだろね…他にも指輪型とか ネックレス型とか 他にも色んな形もあったんだよ!」

ユウキ

「なんだか 高そうだな…」

当面の生活費として アモンからもらったものとはいえ アモンに対して 何も貢献していない事に ユウキは戸惑っていた

サヤカ

「そうなの…高そうでしょ アモンさんから借りてるお金 そう簡単に使えないじゃない?だから 最初断ったの そしたら これは ここに住んでる者たち みんな持ってるんだって だからこれは なんと無料なの ビックリでしょ!で あなたの分も もらってきたわ はい 私と色違いよ」

ユウキ

「えー…無料なのか…す…すごいな…で これ どうやって使うんだ?」

サヤカ

「思うだけでいいのよ それだけで出し入れが可能なの ただ 何でもかんでも 出し入れ出来ないわ 例えば この棚入れみたいに 出し入れ可能に出来る魔法が かかっているものだけね お店で購入した時に この魔法を入れるんだって」

ユウキ

「思うだけ?へー…んーっと…あれ?意外と思うって難しいな…えっと…お!」

ユウキが 頭で 棚を見ながら収納を なんとかイメージに成功すると ユウキのブレスレットが光り 棚がブレスレットに吸い込まれていった

ユウキ

「おお!これは 便利だな」

サヤカ

「ホント 良く出来てるよ お店で商品を購入するじゃない? そしたらその商品と契約を結ぶの それで もし契約者じゃない人が いくらその商品を取ろうとしても 取ることは出来ないんだって あ! もちろん この棚は ユウキも結んでいるから 出し入れ 出来るって事ね」

ユウキ

「なるほどな それなら 物を盗んだり出来そうにないね」

サヤカ

「それそれ まだ通貨のシステムが浸透してなかった頃 当たり前のように盗まれてたんだって それで このままじゃ秩序が無茶苦茶になるって事で この契約式を あのアモンさんが導入したんだって」

ユウキ

「アモンが!?い…意外と 物凄い事してるな…」

サヤカ

「そうよ 商店の方たち みんなアモンさんを敬ってたわよ」

ユウキ

「う…お…俺…ずっとため口だったよな…やっぱ 敬語じゃなきゃダメかな…でも 今更なぁ…」

サヤカ

「アモンさんは そんなこと気にするような方じゃないと思うけど?あ!あとそれから…」

ユウキは サヤカから食材も色々あることを聞き 家にある冷蔵庫のような箱は 状態異常無効がついている1級品で その中に入れておけば 食材は いつまで経っても腐らなくなるそうだ

ユウキ

「………アモンには感謝しかないな… こんなに優遇してもらえるなんて…なぁ…サヤカ 俺たち…本当にアモンの力になれるのかな… 正直 俺は 自分自身に特別な能力があるとは到底思えない…アモンの期待に答えれる自信がないんだ…」

サヤカ

「……お義母様も お義父様も 黄色のモヤみたいなものは すぐに消えたそうよ…そして すぐに能力が開花したと言ってたわ お義母様なんて 真理の眼を入れる前から 空を自由に飛べたそうよ… 私も ここにきて なんの変化も感じられない…でも 私達しかできない事が あるかもしれない 今は そう信じて待つしかないわ…」

ユウキ

「……俺は 怖いんだ… 別に 今さら俺がどうなろうとも構わない ただ 俺たちをここに連れて来るのに あれだけの人員を動かし 一体どれだけの犠牲が出たんだ… 俺が 全く使い物にならなかったら… アモンの責任はどうなる…いくら王子とはいえ なんらかの責任を取らされるんじゃないかって そう考えると 怖くてたまらなくなる……」

サヤカ

「………ユウキ…」

サヤカは 震えるユウキを そっと抱きしめた…

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