第10話 真理の眼の取り扱い説明書

サヤカ

「なんなの!あの半魚人みたいなのは!」

アモン

「まあまあ ああいうやつだから そこまで気にしなくてもいいさ まぁ ユウキは えらく気に入られたみたいだがな」

ユウキ

「…なあ…俺が やたらベタベタ触られたのは 意味なかったんだよな…サヤカは すぐに終わったみたいだし…」

アモン

「ああ 全く意味ないぜ ところで 右目はどうだ?まだ うっすら黄色がかってるか?」

サヤカ

「そうね…薄い黄色の半透明?って言ったらいいかしら 別にそこまで見るのに 支障がある訳ではないけど 確かに モヤみたいな感じがあるわ」

ユウキ

「俺も そんな感じだな…で これは なんなの?成り行きに 任せちゃったけど?」

アモン

「んー…どこから説明しようか…そうだな…オレもそうだが お前たちも 実際の所 身体を持ってない 魂とかコアみたいなもんが 実体を形成してるってことだ」

ユウキ

「ん?この着てる服もか?俺…脱ごうとしたんだけど まずかったのか?」

アモン

「別に 問題ないが 服も もちろん魂が形成している 服を脱いでも お前の本体から離れれば 直に 消えちまう そして デザインの違う服を着たいと思えば 勝手に魂が服を形成してくれるさ もちろん 慣れが必要だがな」

ユウキ

「へぇ…意外と便利なんだな…」

アモン

「ただ 魂ってのは もちろん無限の力があるわけじゃない 限界ってもんがある 例えば 戦いの最中に 腕でも切り落とされりゃ 大きく行動制限になるし まともに戦えなくなる 腕を再生するってなりゃ 並の奴らじゃ すぐに再生も出来ないしな」

ユウキ

「おい ちょっと待てよ 腕の再生も 時間をかけたら誰でも出来るみたいな言い草だな」

アモン

「ああ 時間はまちまちだが 再生は可能だ」

サヤカ

「それだけでも 私たちにとって夢みたいなことなんだけど ということは 真理の眼 をつけていると もっと便利ってこと?」

アモン

「お?察しがいいな 真理の眼をつけていると 腕を切り飛ばされる様な攻撃等を うけたとしても その場で切り落とされることはない 魂の体力っていった方が分かりやすいか?その体力が尽きなければ 常に100%全力で動ける」

サヤカ

「…それで…槍を何度も受けた方は 動けたんだね…でも…最後は…」

アモン

「ああ いくら真理の眼をつけてても 体力が無くなれば 消滅する」

ユウキ

「…確かに すごいけど 自分の魂の体力なんて 全然わからないぜ そういうのって 時間が経てば 大体分かるようになるのか?」

アモンは 得意気に無邪気な顔で

アモン

「ふふん ここからが真理の眼をわざわざ入れた理由の1つだ こいつをつけていると 自分の体力は数値化され 自分で確認することができるようになる オレ達は 天使どもよりも 圧倒的に少ないからな そう簡単に消滅されては困るんだ やばけりゃ 逃げりゃいい …ったく あいつも逃げりゃ良かったんだ…」

アモンは 大きくため息をついた

サヤカ

「……アモンさん…」

アモン

「いや いいんだ しっかり任務をこなしてくれたんだ それより 真理の眼のこと理解してくれたか?」

ユウキ

「可視化できるようになるってことだろ?でも どうやって確認出来るんだ?」

アモン

「真理の眼が 全身を把握し終わってからだな 人それぞれだが ある程度時間がかかる場合もある 黄色の膜があるうちは まだ 把握が終わってないって事だ」

ユウキ

「なんとなくわかったけど とりあえず この黄色のモヤが無くならないといけないんだな?」

サヤカ

「それで 私たちは どこへ向かってるの?お城とは違う方向だし…」

アモン

「ん?城に行きたいのか?別に これといって特別面白いものなんて無いぞ オレは城なんて いたくないがな」

サヤカ

「えーっ…せっかく来たんだから 1度は見て見たいよね」

ユウキ

「だったら どこへ向かってるんだ?」

アモン

「初めて地獄に来たんだし まぁ 数日は休め 真理の眼のこともあるしな お前たちが 休める場所に向かってる」

ユウキ

「休める場所?もしかして 家みたいなもんがあるってこと?」

アモン

「はあ?当たり前だろ?オレを誰だと思ってんの?ちゃんと用意しているに決まってるだろ…あ そうそう お前たち2人同じ場所でいいよな?」

サヤカ

「もちろん ね ユウキ」

ユウキ

「ああ 問題ないよ」

サヤカ

「どんなとこかな」

3人で歩いていると 2つ柱が見えてくる

サヤカ

「あ…これって?」

アモン

「もうなんとなく分かってると思うが あの柱の間からエリアが変わる そこがお前たち2人の住処がある場所になる」

サヤカは少しワクワクしながら ユウキは若干の不安を感じながら2つの柱に到着する そして 足を1歩踏み出すと そこには…

サヤカ

「!!う…うそ…」

ユウキ

「!!うわ…なんだよ…これ…」

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