第3話 地獄への門
アモン
「さあ 着いたぞ」
ユウキとサヤカは 周りを見渡したが 何もない
ユウキ
「? 門なんて どこにもないぞ?」
アモンは ユウキの言葉など気にせず 手のひらに小さな鍵を取り出す
ユウキ
「うわ!小っちゃい鍵!?しかもすっげぇちゃちいな」
アモン
「だあぁぁぁー!いちいちお前は反応しないといけねぇのか!黙ってろ!ったく…えーっと あったあった…」
そう言うと 空中に鍵を差し右に回す
空気が震え 空が真っ白に輝き 光がおさまったあと 禍々しい大きな門が空中に現れた
サヤカ
「うわ…いかにも…地獄に通じる門って感じ…なんだか…怖いな…」
アモン
「まぁ…人間の魂は 契約者しか通れないがな」
ユウキ
「?だったら 人間は死んだらどうなんの?まさか 全員 天国にいくってことはないよな?」
アモン
「いや そのまさかだ 人は死んじまったら天上界に行く まあ まれに地獄からスカウトしたりしてるがな 今回みたいにな とにかく今は 地獄についてからだ」
アモンが ブツブツと何か唱えた後 ゆっくりと 門が開く
アモン
「んじゃ 行くぜ」
真っ暗なトンネルの中 アモンが歩を進めると アモンの先は うっすらと光る
アモン
「出来るだけ 離れるなよ 迷子になって探しに行くのは 面倒だからな」
ユウキ
「あ…ああ わかった」
アモンの後ろを歩くユウキ そしてユウキにべったりくっついて ビクビクしながら歩くサヤカ
ユウキ
「……サ…サヤカ?いくらなんでも ひっつきすぎだよ…歩きにくいよ…」
サヤカ
「だって…怖いんだもの」
恐る恐る歩いていると 急にアモンが振り返る
サヤカ
「ひゃあ!?な…なに」
アモン
「そんな声だしたら こっちのほうがビックリだよ…それより ここからもう少し進むと 地獄だ お前たち2人には カモフラージュの魔法をかけておく すぐには見つからないとは思うが…何かあった時に まあ…気休めにはなるだろ」
ユウキ
「うお!?なんだこれ…」
ユウキが 驚きつつ歩を進めると 急に 世界が変わり あたり一面森のような風景に変わった
その風景にも驚いたが それよりも驚いたのは 目の前にいる 顔が牛のような顔をした 体長3メートルを軽く超えている魔物だった
???
「アモン様… 現在 獣覇王シャース様が 陽動し こちら側が手薄になっております…それから すでに 3台の空馬車で指示通り走らせております…」
アモン
「そうか よしわかった で オレたちの馬車は?」
???
「こちらに 用意しております …しかし こんなみすぼらしい馬車でよかったのですか?アモン様がお乗りになるには いくらなんでも…」
アモン
「いいんだよ あいつらに見つからなければな」
???
「わかっております…ただ…」
アモン
「気にするな よし お前らこの馬車に乗るぞ」
ユウキ サヤカ
「み…みすぼらしい?こ…これが?」
ユウキとサヤカには みすぼらしい馬車とは 到底思えなかった
ユウキ
「ま…まあ 俺たちとは感覚が違うってことで」
アモン
「おい 何してる?早く乗り込め」
アモンに言われ 慌てて乗り込もうとした時 馬車を引っ張っている馬らしき者と目が合う
ユウキ
「こ…これ…馬なのか…馬というより 竜じゃね?」
そんな疑問を 抱きながら 乗り込む2人
アモン
「んじゃ 行くぜ!」
アモンは馬という名の竜に 合図を送ると 馬車は一気に加速していった
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