第3話 パチスロで、ブランド・バッグを買う
さて、私の人生で、唯一、このパチンコ必勝法や攻略法を利用して、馬鹿勝ちをした事があったのである……。
それは、パチスロ「北斗の拳」で、このパチスロ機は、パチスロ4号機(パチスロ史上、最大の爆裂機ばかりだった)の中で、最大の設置台数を誇り、ギネス記録にも載った程の機種である。
どう言う因果か、私の部下には、パチンコで一時期飯を喰っていた人もいたし、もう一人の部下は、このパチスロ機「北斗の拳」について異常に詳しい者がいた。
この部下が、私の横で、このパチスロ機「北斗の拳」について、手取り足取り教授してくれたのである。これは、大変、助かった。
特に、この「北斗の拳」には、明確な攻略法があり、若い者は、皆知っているものの、50歳以上の者で知っている人は、まず、当時はいなかった筈だ……。
その攻略法の内、一番、使い易い攻略法とは、要は、コインを投入して、レバーを叩いた時の、北斗の拳の主人公、ケンシロウの発する背中のオーラの色を見ると言う、極、単純な方法だ。
もし、ケンシロウの背中から立ち上るオーラが「赤い色」だと、概ね、後30回以内に、スロットを回し続ければ、1/8の確率で、大当たりが確定するのである。約千円ぐらい追加投資すれば、30回ぐらいは軽く回せるのである。
たまに、この赤いオーラが出たにもかかわらず、コインが底を尽き、台を離れる人がいれば、即、その台をゲット。
赤いオーラが出たからと言って、必ず、大当たりが確定するものでは無いが、それでも、注意深く、この方法を実践していると、うまく行けば、大当たりが確定する。
しかも、この「北斗の拳」、一度、連チャンモードに突入すると、50連チャン、100連チャンもあり得るのだ。私は、実際、100連チャン以上した常連客を見ている。
私は、この非常にせこい攻略法を駆使して、最初に、パチスロ機「北斗の拳」を打ち始めた11月の初めには、財布の中には、現金が1万円しか無かったものの、12月末頃には、30万円以上近くまでになったのである。
ただし、断っておくが、学生時代からの負け額の総額は、車1台分以上の大赤字であった。
そこで、先ほどのお金を元に、妻に、ブランド・バッグを、クリスマス・プレゼントに買ってやるとタンカを切って、車を運転して、大手ショッピング・センターに入店しているブランド品専門店へ直行したのだ。現在は、上場もしているブランド専門店である。
妻の思いでは、どうせカード払いだと思い、カードで払うつもりでいたらしいのだが、さすがに、ブランド専門店だけある。「当店では、カードは扱っていません」と、最初から、つっけんどんの態度だ。
何しろ、自慢では無いが、黒いジーパンにボロボロの冬用のコートに、使い古しのウエスト・ポーチをぶら下げて、店に入って来たのである。不審者と間違われたのかもしれないよなあ……。
まあ、私にすれば、最低でも、シャネルの20万円近くのバッグを買う気でいたのだが、この店員の態度に激怒。
「じゃ、現金なら、いいんですね?」
と言って、私の財布をウエスト・ポーチから出したのだが、何しろ、現金で30万円以上は入っているのである。
財布の厚みは、実に半端じゃ無かったのだ。
さすがに、私の妻は、それほど大金を持っているとは思っていず、12万円のルイ・ヴィトンのバッグにしたのだが、ポンと数十万円の札束を出した私に、店員は仰天。
その顔は、今でも、忘れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます