第9話 王様はピーマン。・・・まずそう。


「ごほん。先ほどは少し、いえ少々、いいえ大変お目汚ししてしまい、申し訳ありません。」


「いや、こうも豹変されるとこちらも驚くのだが・・・」


 王様が目を点にしてる。ぽかーんだ。ぽかーん。


「ほんっとしゃあせん! まじ許して!」


「いや、そういう話し方ではなかっただろう?」


 くっそ、この王様どこから聞いていやがった。


「心の声がダダ漏れだな。」


「ごほん。」


「それで通すには無理があるぞ。」


 無視無視。

 これは大きなピーマン。・・・ピーマン。


 おえ。まずそう。



「おい。どうした。そんな無骨にまずそうな顔をして。」


「とりあえず、本日のご要件は?」


「はあ。まあいい。おまえの”お金”という制度を国で採用するという話だ。」


「なるほど。ではどうぞご勝手に。」


「そこでだ。あんなに見事に同じ絵を紙に書くというのは大変面倒なわけだ。」


「でしょうねえ。」


「よって、お金を作る役割を授ける。」


「え?」


「毎月一億ラガー分のお金を王城に届けろ。これは命令だ。以上。」


「いや、ちょっとそれは難しいというか。」


「何。最近力をつけ始めたそちらの家ではその程度簡単だろう?」


 この王様、こっちの資金力をなくすために来たな・・・


「じゃあ、頑張ってくれ。」


 またしても、貧乏くじを引かされてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る