第8話 え? 王様? なにそれおいしいの?

 よし。よしよしよし!


 私は今、歓喜に身を震わせている。


 領地の収入が上がった!

 領民が増えた!


 そして、やっと領民が肥料と水路を使い始めた!



 完璧。

 これでもう大丈夫。


「お嬢様。王城から手紙です。」


「え?」


 お、おおお王城!?


「ごめんなさい。私は疲れているみたいだわ。幻聴が聞こえたみたい。」


「王城から手紙が届きました。」


「セバスチャン、無かったことにして。」


 手紙を慎重にセバスチャンに返す。有無を言わさないのがポイントだ。


「王城から手紙が届きました。」


 綺麗に手のひらに戻ってきた。


「ああー。もう!分かったわよ。」


「はっはっは。そんなに我が嫌か。」


「え?」


 え? いやいや。 ?


「お、王様・・・?」


「ああ。我がこの国の王である。」


「セバスチャン、無かったことにして。」


「お嬢様、現実を見ましょう。」


 もう、やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

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