第3話 うーん。お金がないわ!

 今回の事件。

 私が領主を務めることになる上で大きな問題がある。


 まず、税収が減った。

 簡単に言えば、領主が変わることの不安から領民がほかの場所に移動したからだ。


 暗殺されたなら、その動きも大きくなる。


 結果から言えば、税収が20%減った。

 数字だけ見れば、小さな違いにみえるかもしれない。


 しかし、額で言えば200万ラガー。日本で言う200万円に当たる金額がなくなっている。

 しかも、これは国の予算ではなく、一つの地方の領地だ。


 あまりに損害が大きい。


 まずい。はっきり言って、領地存続の危機だ。


 新しい政策とかではなく、現状の改善から始めなければならない。


 ようは、最悪な状況だった。



 ただ、前の当主さまが悪いわけではない。


 前の当主さまが納める頃には、それなりに余裕もあった。

 新しいことにチャレンジできる程度には金銭的に余裕も多かった。


 今が悪すぎるだけだ。そして、運が悪かっただけとも言える。


 さらに、この領地はマリアの成人とともにマリアが納めることになる。

 それまで、この領地を残していかなければならない。


 まずい。

 新しい何かを始めなければならない。

 そして、それができるだけのお金がない。


 そんな状況で、私ができることとは何なのか。


 それは一つ。


「前世の知識で無双してやるしかない!」


 こうして、私は決意を固めたのであった。

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