13話【最終決戦】

私たち教授と生徒の最終決戦が始まった。残るマナ、時間を惜しみなく使い、わたしは教授に対抗するつもりだ。前回戦った際には敗北してしまった。しかし、今回ばかしは違う。即席とはいえ、人数では勝っている。負けるわけにはいかない。


「援護は任せろ!」

「ありがとう!ニックス」


 わたしはニックスに援護を任せ、教授と剣技で渡り合うことにした。やはり教授の剣技は甘い。所所隙があり、攻撃が甘い。が、防御がとても固く、攻撃してもすぐ防がれてしまう。


「教授の相手はわたしです。もっと本気を出したらどうですか?」

 よそ見をしている教授に剣を振り翳しながらそう言った。


「そうだな。前回とは違うってことを見せてやろう」


 教授はそういい、エンチャント魔法をつかった。わたしは前回と同じだろうと踏み、わたしは構わず攻撃を仕掛けた。


「もっと、もっと楽しませてくださいよ教授。前回とは違うってことを見せてください!」


 教授の懐に入り込み、激しい攻撃を繰り返しいれた。その攻撃を難なくいなす教授。さすがとしかいえない。


しかし、わたしは教授と剣を交わしているうちに気が付いたことがある。前回と違い剣筋が劣っていることだ。三人で相手しているかもしれなが、どうも違和感がある。なにかを隠してるかのような。とても悪い予感がする。


「叩き込むぞ!」

「了解」

「ちょっと待って!」


 私は叩き込もうとする二人を止め、一度後退した。その途端教授はとても大きい星の隕石を降らせてきた。それに当たらないと私たちは大きく跳躍した。隕石が落ちてきたところには2メートルくらいの大きなクレーターができている。


「勘がいいですね。アリア」

「これでも星の契約者なのでね。まさか星属性の魔法を使ってくるとはちょっとずるいですよ」


 わたしは皮肉交じりにそういった。対面してるだけでも手汗が止まらない。


「タイタンあんたに教授の相手できるかしら?わたしは後ろから魔法を放つからいい?」


 私はそういい、剣をしまい魔法の杖を取り出した。こればかしは仕方ない。わたしよりも剣技が劣っているといはいえど、教授の一撃は重く、防御も固いためかなりの消耗戦を強いられる。そのために、私は1度タイタンに任せることにした。


「了解でっせ〜。俺の持ち武器が暴れたいっていってまっせ」


 そういうと彼は両手斧をどこからかとりだし、すぐさま教授に向かって走り出した。その攻撃を教授は剣で防ぐ。辺りには火花が飛び散っていた。


「教授が使うって言うなら私も使って良いですよね!ここは戦場です!」

 わたしは溜めていたマナを使い、結果の中に結界を張った。これで教授の可動範囲を狭めるのだ。


「(flame)炎」「タイタンに身体強化!」

「おお、力が漲るぜ、ありがとうなニックス!」

「これで思う存分暴れられる。」


 タイタンは思いっきり斧を教授に向けて振りかざした。誰しもがその攻撃は避けられない、そう思っていた。が、そんな攻撃も避けるのが教授だ。

想定外を想定しろと言わんばかりの行動を取る。私たちの物差して教授の実力を図ることは出来ない。


教授はすぐさまタイタンの隙を見てからの背後にまわり、方を二回トントンと叩いた。その途端、彼は地面にたたきつけられ、受身を取ってなかったからなのか起き上がれなくなったようだ。


「嘘だろ…?」「肩を叩いた程度で」

 私たちは戦慄するしか無かった。ただ叩くだけでもあんな威力があることに。そしていつしか私の足は震えて動けなくなっていた。動けと脳内では分かっているが、どうしても動けない。


「タイタン。あなたの攻撃は確かに良かったかもしれない。が、力任せの攻撃でどこを狙っているか読みやすい。お主は頭をもっと使うんだ」


 教授はそういい、彼に1枚のプリントを渡してから私たちに向かって歩いてきた。


「もう終わりだと言うのかい?時間はまだあるのに。さっきまでの威勢はどうしたんだ?所詮は口だけか」


 そういい挑発を仕掛けてきた。ニックスはその言葉に血管が浮きでるくらいイラついている。

「舐めなよ…」


 そんなことを呟いた彼だったが、またも教授は瞬時に動き、彼の背後にまわり肩を2回トントンと叩いた。

「力や感情任せの攻撃はとても読みやすい。いつも冷静で頭を使った攻撃の方が読まれにくいんだよ。」


 そういい、タイタンの時と同様に一枚のプリントを渡してからわたしの方に向かってきた。ここからは一騎打ちだ。他の人からみたらわたしの方が優勢に見えるが、私にはそんな余裕はない。


教授はいつでも捕まえる余裕はあるのに捕まえてこない。これは慈悲なのか、それとも手を抜いているのか本当に何がしたいかわからない人だ。


「さてアリア残り1人となりましたね」

 あたりには風がたなびき、木々が揺れ、それにつられるように教授のローブはたなびいている。わたしは剣を構え、警戒しながら教授にいった。


「ついに一騎打ちとなりましたね。残りの時間を惜しみなく使い私とやり合いましょう?」

「元からそのつもりでした。今度こそ正々堂々といきましょう」


教授はそういい、虚空から剣を取り出してきた。前回の件とは違い、今回はしっかりしたものだ。

「前回とは違う剣なんですね。前回もそれを使えばよかったのに」


「あはは。今回は訳が違うからね!あなたに対してのそれなりの敬意ですよ」

 私は少し馬鹿にされたような気がしたがそんなことはどうでもいい。ここから始まる私と教授の一騎打ち。今度こそ勝ってみるいんだ。


「教授。あと10分ですがこれを耐えれば私の勝利ですよね?」

「ああ。そうだね。しかし、そのうちにわたしがあなたを捕まえれば勝ちですよ。」


「そうですね。しかしもうおしゃべりなんてもう不要ですね教授」

「そうだね」

 わたしはそんなことを言った教授めがけて、震える足を抑えながら地面を思いっきり蹴るのであった。

 

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