11話【魔法VS魔法】

月がかけ、あたりの家も寝静まったころ、わたしは少女と空中で魔法を撃ち合っている。少女の撃ってくる魔法はどれも一級品。狙いも正確でブレもない。前回のアリアと違い、余裕があまりないのだ。


(かなりやばい。こいつはつよい)


 わたしはギリギリの空中戦をしている。こいつは尋常ではないくらい強い。その強さは通常魔法だけでも、あたりの土は2メートルくらいのえぐれ、それはクレーターに匹敵するほど。そしてここら周辺の木々は折れ、私のローブは破けている。


「教授、私の思ってた以上に強いですね。さすがはといったところです。」


「それはどうも。最初あなたが誰か分かりませんでした。けれどもその魔法の杖、王侯貴族の王家が代々受け継いでいる代物ですよね?。


別名、【天使の杖】数百年前に天が地上にマナと魔法を授けた際に貰ったと言われている伝説の杖。名前は聞いたことありましたが、本当に実在するとは。ですよね?レグノ・リプラ王女様」

 わたしは焦らず、淡々といった。それを聞いた彼女は観念したのか正体を明かした。


 「正解です。わたしは王家の第6王女である、レグノ•リプラです。しかし、正体を見抜くまでがさすがに遅すぎます。少々残念ですわ。」


その王女様は少し暗い顔をして言った。顔を見た事ないので分かるわけないだろ!というツッコミは心の中にしまっておくことにした。けれどもまさか王家の人が生徒にいるのは流石国内トップクラスと言ったところだ。


「お喋りは終わりにして戦いの続きといきましょうか!」


そういい、王女様は新しいものを見つけたかのような、好奇心溢れる表情で、私に魔法を放ってきた。

(妨害魔法?!)


放ってきたのは妨害魔法。これを食らったら移動速度が下がり、回避する動作に必要な体力が増えてしまい、ひとたまりもない。私はそれを瞬時に避け、簡単な防御魔法を展開した。


「安心するのは早いんじゃないですか?!」


 王女様はさらに魔法を間髪入れず放ち続ける。一方的な攻防戦がつづいく。私は王女様をマナ切れを待つしかないと思っていたが、このままではわたしのマナが持たない。


(使いたくはないが、やるしかないか)


 わたしは教授として、星座契約者として、負ける訳には行かないと思い、別の作戦に出た。星座契約者の特権である【12の権能】というのを使うことにした。権能を使うにあたり、対価に見合う代償を払う必要がある。まずは【星の加護】をつけ、妨害魔法を無効化する。次は【供給】文字通り、星座からマナを供給してもらうことでマナ切れを防ぐそんな戦法だ。わたしは星座に願いをした。


(星座よ、私の願いを聞いてください)


 その時、願いが届いたのか、脳内で星座の声が聞こえた。

(可愛い系契約者よ、願いはきいた。対価を払いなさい。)

(今持っているマナ5割でどう?)

(それじゃあたりません。7割でどうです?)

(わかった。これで契約成立だ)


そういい、星座の声は途絶えた。その途端、外からマナが一定の量流れ込んできた。力が漲るような感覚だ。


「早く、まだですか教授。私が待ってなきゃ今頃教授は天にいましたよ」

「そうですね。つづきを始めましょうか。」


 私はみなぎるマナを使い、王女様に魔法を放った。しかしそんなちんけな魔法はいなされた。そんな魔法を放ったからなのか王女様は呆れた顔を押している。しかし私はそんな隙を見流さない。これが狙いなのだ。私は瞬時に術式を唱え、王女様に放った。

(Starlight(星の光))


王女様は急な魔法に対応できず、魔法を食らってしまったようだ。私はすかさず背後に周り、身体強化をし、王女様優しく叩いた。その勢いでか、王女様は地面に叩きつけられ、辺りには凹みができている。


「確かにここは戦場。そういうのも命取りですよ、王女様」


王女様は地面に叩きつけられた際についた土埃をはらい立ち上がった。


「そうですわね教授。今回は私の油断が原因で負けました。あなたは私よりかは弱いかもしれませんが、確かにお強いですわ。またいつかお手合わせ願います」


そういい、彼女は立ち去ろうとした。が、私はそれを止めて


 「脱落したものには何があるって言ったか覚えてるかな〜?」

「さて?何か言ってましたか?」


王女様は分からないのか首を傾げたようだ。私はすかさずにっこりと笑い、1枚のプリントを渡した?


「課題を渡さないとね〜。はいこれ」

「何このプリント?!どういうことですか?」


王女様は驚いたのかそう声を大して言った。しかし、そんな説明してる暇もないため、わたしは逃げたであろう2人を落ちかけた。


あの二人には痛い目を味あわせよう。自分の力だけでは何も出来ないような、そんな人たちをボコボコにすると決め、私は瞬時にうごくのだった。

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