第20話 勇者ダンの嘆き

 私ポミは夢の中で勇者ダン様を抱いていた。勇者ダン様は泣いていた。私はそっとダン様の頭を撫でた。


 勇者ダン様は泣きながら言った。


「僕のせいだ! 僕のせいでみんな死んだんだ。」


 勇者様は自暴自棄になって苦しんでます。ポミは一生懸命勇者様を抱いて慰めます。


「勇者様! 違います! 皆勇者様の為に頑張ったのです!」


「僕には何も無いんだ! スキルも中田と小水さんのだし、僕には何も無いんだッ!!」


 泣きじゃくる勇者様。ポミは勇者様のほっぺにキスをして言います。


「勇者様!! 勇者様にはポミがいます!!今度はポミが夢を見せます。あの勇者様と出会ったあの時の夢を!!」


 私は勇者様のおでこと頭をくっつけた。私の温かな夢の中に勇者様を連れて行った。


                   続く

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