第18話 勇者パーティと魔王城。

 魔王城での戦闘。中田、小水、本気はパーティをバラバラにされていた。中田は三幹部ギニーと一騎打ち。小水は雑魚モンスターに囲まれて全域魔法をぶっ放す。木田と本気は魔王城の回廊を走る。


 二人は手を繋いで走った。魔王の間の手前の廊下。最後の最後で本気は立ち止まり身構えた。


 黒い鎧に黒いマスク。黒い兜にソードを持つ。黒騎士が立ち塞がった。本気は言う。


「木田ッ!! 先に行きなさい!! 私はこいつを足止めする。」


「本気さんッ!! 俺が一人で行ったって!! 何も出来ないよ!!」


「木田。あなたはよく頑張った。良くここまで来れた。自分を信じて先に進みなさい。私達がついてるから!!」


 そう言って本気は木田を思いっきり魔王の間の扉に押しのけた!! 


 吹っ飛ばされる木田。本気は気高くも悲しげにそして何か懐かしい者にでも会う表情で別れた。


 木田は魔王の前で立ち尽くした。震えていた。体が動かない。圧倒的な魔力。気迫のオーラ。何も寄せ付けない態度。魔王キッシュは若者の姿をしていたが圧は凄かった。


 魔王キッシュは玉座で足を組み、ホログラム動画のような装置で中田、小水、本気の様子を見ていた。頬杖を付いてニヤけている。


 始めに中田が三幹部の一人ギニーに敗れる。技は凄いが戦闘経験の差で負けた。次に小水さんが雑魚モンスターの大群と三幹部ファニエールとエネキネの二人がかりにやられた。最後に黒騎士が本気さんの右手を切り落としてからトドメを刺す。


 魔王キッシュは立ち上がり木田を一瞥する。


「フフフ、ハハハ! お前は何しに来た?? 勇者パーティの足手まとい!!」


 魔王はご満悦である。


「お前の様な者を守るため勇者達は犬死にするとはな。姫騎士も弱いな!!」


 木田は震えながらどうにか状況を変えようと魔王を睨む。そして気づいた事がある。


「魔王キッシュ・G・ロゼロッ!! お前…………?? 女だったのかッ?!」


 魔王キッシュは煽る。


「そうだよ。女だよ。足手まといには用が無い。お前はあいつらとは違うんだよ。お前が死ねば良かったんだ!!」


 木田はアイアンソードを構えるも泣きそうだ。魔王は畳みかける。


「少し特訓してみるか? この弱虫! 肩慣らしにもならないが。本当は姫騎士とやってみたかった。こんな弱者男子を持ってこられても。勇者パーティはほんと運が無い!!」


 木田はもう気がフレて吠えた。


「魔王キッシュッッ!!!! お前を許さないッッ!!!!!!」


 木田は魔王に突っ込んだ。


「ウオオオオオオッッッ!!!!!!」


 魔王キッシュは嘲笑う。


「フフフ、そうだ。私はそれを求めていたんだ!!」


 魔王キッシュは木田の一振りを避けると挑発して誘ってくる。


 木田はその時何かを感じた。内なる力を。もう一振りすると中田のような斬撃が出せた。


 魔王は世界を分かつ斬撃をもひらりとかわし無数の魔法を仕掛ける。何千というファイアーボールだ。


 それも木田は小水さんのような無限とも思える魔力と無限の魔法で消し去る。


 魔王は高笑いをしてくる。


「そうだ!! それで良いんだ!! 未来の勇者よ!!」


                   続く

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