第10話 男女の友情(連続キス)を証明していたら止まらなくなった
「ねぇ? 洋ちゃん。そ、その、き、キスってしたこと、あったりする?」
「あっ、ないんだ。そかそか」
「えっ!? 私!? あっ、んと、1回……あります」
「わわ! あからさまに落ち込んだ!?」
「違うよ!? その1回っていうのは——うわっ、泣いてる!?」
「洋ちゃん……私がチュウしたことあるの……ショックなの?」
「嫉妬してくれているんだ」
「嬉しい」
「って、ごめんごめん! 白状します! 私がキスしたことある相手って……洋ちゃんなんだ」
「そうだよ! キミのことだよ!? キミ以外に『洋ちゃん』なんて知り合い居ないから安心しろ!?」
「いきなり超笑顔になったね!? 感情分かりやすくて可愛いなもう!」
「あの……ですね……実は昨日洋ちゃんが寝ている時に……その……しちゃいました」
「で、出来心だったんだよぉぉ! ごめんなさいぃぃ!」
「——へっ? 有紗ばかりキスの記憶があってずるい?」
「えっ? ど、どうして、顔を近づけてくるの? どうして唇を尖らせてるの!?」
「ちょ、ちょっと待って! ちょっとだけ待って!?」
「ハッ!? 違うの! 嫌とかじゃないんだよ!? 突然だったから気持ちが追いついてなくて……!」
「ちょっと落ち着かせて。タイミングが整ったら——キス……しよ?」
「すーはーすーはーすーはー」
「よ、よしっ! 落ち着い——って、早い早い、洋ちゃんキス顔になるの早すぎ!」
「あ、慌てなくても、有紗ちゃんの唇は逃げないから! だからもう一回待って!」
「(や、やば。昨日はあっさりキスできたのに、今日は緊張で中々できないよぉ)」
「(寝ている時と起きている時の差だろうなぁ。あの優しい瞳に見つめられると、し、心臓が持たないよ)」
「そうだ! 洋ちゃん。目を瞑って!」
「(よしよし。これなら洋ちゃんの優しい瞳に魅了されないで済む。これならチューできそう)」
「で、ではお待ちかね! チッスタイムだよ。心の準備はいい?」
「で、では、行きます!」
「……チュ」
「~~~~っ!」
「お、終わり!」
「えっ? もう1回? 触れた感触が無かった!?」
「確かに触れたよ! キスしたよ! よく見てろ!」
「あっ、私が目を瞑らせたんだった」
「わ、わかった。少し長くキスするね」
「目は瞑れ!」
「い、いくよ」
「……んっ」
「ど、どうだ!?」
「短い!? 贅沢言わないの!」
「わ、私だって、ドキドキしているんだから!」
「今はこれくらいが限界——」
ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ
「(!?!?!?!?!?!?!?!?)」
「……ぷはぁ! な、なななななななななぁ!?」
「い、いいいい、今! 今、洋ちゃんからキスしてきたでしょ!?」
「ていうか、な、長いよっ!」
「ビックリし過ぎて身体に電気が流れたみたいだった」
「私を感電される気かこらぁ!」
「不意打ちしやがってぇ。許さないからね」
「……もう1回、さっきのやってくれなきゃ……許さない」
「あ……」
先ほどよりも長いキス。
唇が離れた瞬間、とろんとした有紗の表情にドキッとする。
「……もう1回」
「うそ。3回する」
「ん……」
俺達は8回の口づけを交わした。
顔を真っ赤にさせた有紗が漏らすのは勿論この言葉——
「こ、こここここここ、これで勝ったと思うなよ~~!!」
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