第8話 今度こそクラスメイトの前で男女の友情(耳舐め)を証明する
翌日の放課後。
俺と有紗は教壇の前に並び立つ。
「みんな! どうせ今日も敗北するって思ってるでしょ!?」
「でも、今日は一味違うんだなー? 完璧な友情証明をみせちゃる!」
「じゃあ、洋ちゃん。準備するよ」
俺は壁を背にして座り込む。
そして俺の膝の上に有紗の頭が乗っかった。
「友情証明その1! 膝枕なんかしても全然照れたりしない!」
俺の脚の上でドヤ顔をクラスメイトに向ける有紗。
そして初めてクラスメイトから拍手が鳴った。
「さっ、次は……これだよ! 洋ちゃん、やっちゃって!」
有紗が取り出した木の耳かき棒を受け取る。
「ん……んあ……! はぁ……ふぅ……」
「でぉ……どうだゃ~! 友情しょぉめい、そにょの2。み、耳掃除して、も、もらっても、ぜ、全然、照れてない……よ?」
「えっ? 顔赤い? そんなことないもん! 夕日が顔に当たっているだけだもん!」
「じゃ、じゃあ、最後だよ! 洋ちゃん。愛のささやきをカモン!」
上体を反らし、有紗の耳元に口を近づける。
「(あ、あれ? そういえば昨日の修行では洋ちゃんから愛のささやきやってもらったっけ?)」
「(い、いや、やってない……な!? 途中から脱線して耳掃除タイムに入っていたような!?)」
「(ってことはぶっつけ本番だこれ。い、いいでしょう。どんな言葉を囁かれても今の私なら……耐えられる!)」
「(さぁこい洋ちゃん。有紗ちゃんは覚悟できているよ!)」
「…………(はむ)」
「んひゃぁぁぁぁぁぁ!? み、みみみ、耳たぶ咥えるな!?」
「と、突然何するんだ!? お前!?」
「えっ? 急に愛のささやきとか言われてもセリフが出てこなかった?」
「だ、だだだだ、だからって! だからってぇぇ!」
「…………(ふぅ~)」
「のひゃぁぁぁぁぁ!? 息吹きかけるなぁ! やりたい放題かお前!?」
「……えっ? 昨日やられたことの仕返し?」
「くぅぅ。そう来たか。じゃあ私も仕返しの仕返しするもん」
「……(ふっ)……(ふっ)……(ふぅ~~)」
「どうだどうだ~! 秘奥義。三連
「……(ぺろ)」
「のひゃぁぁぁ!? な、舐め……今耳を舐めたでしょ!?」
「だ、駄目だよ! さすがにそれは駄目! ちょっとエッチすぎる!」
「な、舐めるなら……ほっぺとかにしておきなさい」
「ふにゃぁぁぁぁ!? ほ、本当に舐めるやつがあるか!? 唇舐めろって言ったら舐めるのか!? 舐めないでしょ!? ほっぺもそれと同じなの!」
「……ち、ちなみに……どうだった? あ、汗の味とかしなかったよね?」
「お、美味しかったってなんだ!? ほっぺに味付けなんてしてないからね!」
「も、もぉ! 洋ちゃんばっかり美味しい思いしてずるい。私も頂いちゃお」
「ん~~」
チロッと舌を出しながらほっぺに近づいてくる。
ちょっと官能的過ぎるその光景にクラスメイトの女の子が思わず小さな悲鳴を漏らしていた。
「ハッ!?」
その悲鳴に気づいた有紗が慌てて振り返る。
そこには有紗と同じくらい顔を真っ赤して固唾を飲みながら凝視するクラスメイト達の姿があった。
「……あ……あぅ……」
視線が交じり合うと、一同は気まずそうに視線を逸らす。
「うわぁぁぁぁぁぁっ! ち、違うの! い、今のは、えと、違うんだよぉぉ!」
「息吹きかけ合いや舐め合いを見られちゃったぁぁ!」
「な、なんでいつもみんなの前ってこと忘れちゃうの私ぃぃぃ! 気づいていたなら教えろ洋ちゃん! あと皆も何でいつも静まり返っているのさ!」
「もぉぉぉぉっ!」
「これで勝ったと思うなよぉぉぉぉぉっ!」
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