第5話 意地悪しすぎたので男女の友情(耳掃除)でお詫びする

「息吹きかけ、ソフトタッチ、囁き、耳マッサージ……大体やったなぁ。あとは何をやろうかなぁ?」


「ていうか洋ちゃん、死んだ魚みたいにピクピクしているね。いじめすぎちゃったかな」


「そうだ! お詫びに耳掃除してあげる!」


「えっ? 乱暴にされそうで怖い? 失礼な! 私をパワーファイターと思っているな?」


「耳かき借りるよ? 有紗ちゃんのテクニシャンっぷりを見せちゃる!」


「ほら。こっちおいで?」


「よしよし。えへへ。膝枕なんてやるの初めてだね」


「では、癒しの耳かきタイムに入らせて頂きます」


 //SE:耳かき音


「洋ちゃん。耳の中綺麗だね」


「えっ? 普段から結構自分で耳かきしている派なんだ」


「むぅ。それはそれでつまらないの」


「あっ、でも気持ちいいんだ。じゃあ続けてあげるね」


「ふぅぅ~」


「おおぅ。めっちゃ身体震えたね」


「ど~ぉ? 気持ちいい?」


「美少女幼馴染に耳かきをやってもらえる幸せ者め~。もっと喜びなさい」


 不意に頭を撫でられる


「よしよし」


「親友の洋ちゃんにだからここまでサービスしてあげるんだからね」


「……いつも、ありがと。ご褒美だ」


 //SE:頬にキス


「あ、あはは。な、なんか暑いね」


「って、こらぁ! こっち向くな! 顔赤いから今は見ちゃ駄目!」


「あ、あれ? 急に起き上がってどうしたの?」


「よ、洋ちゃん?」


「きゃぁぁっ!」


 俺の膝の上に有紗の頭が乗っける。

 同時に有紗から耳かきを奪い取った。


「ま、まさか、今度は洋ちゃんが私に耳掃除してくれる……の?」


「いいから! 私は本当にいいから! 洋ちゃんみたいに日頃から耳の中までケアしてないから……だから……!」


「もぉぉ! 耳の中を見られるのが恥ずかしいって言っているの!」


「えっ? 動くと危ない? わ、わわ。こいつ本気で私の耳を掃除する気だ」


「もぉ、好きにして!」


 //SE:スマホシャッター音


「好きにしてとは言ったけど耳の中撮るな!? 意外性SSSトリプルエスかお前!」


「えっ? 私の耳の中も綺麗だって? じゃあ今の写真見せなさいよ……あっ、本当だ」


「でもすぐ消して! 今すぐ消せ!」


「うぅぅ、恥ずかしいよぉぉ」


「んぅ~……」


「でも……だんだん……気持ち良くなってきた」


「寝るぅ……」


「……すぅ~……すぅ~……」


 俺の膝の上で眠る有紗。

 やがて寝言が聞こえてくる。


「んぅ~……洋ちゃん……」


「……これで……勝ったと……思うなよぉ~……すぅ~……」

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