第一話 禁断の招待
皆さんには、あの時あんなことをしなければ良かったと、後悔の念に苛まれた経験はありませんか?
ここだけの話ですが、僕にはひとつだけ後悔があり、今でもトラウマとして心に傷跡を残しています。それは、中学生の夏休みに命からがら生還した、まさに悪夢のような恐ろしい出来事がありました。
あの日、僕は友人たちと一緒に、軽はずみな気持ちで立ち入ってはいけないと伝わる禁断の地に踏み込んでしまったのです。ネットの警告では、その地にはかつて恐ろしい神事が執り行われ、無数の魂が囚われていたというのに……。僕たちは肝試しの好奇心に駆られ、自分たちの欲望に抗えませんでした。
しかし、僕らが見て感じた恐ろしさは、遊園地のお化け屋敷で出会えるものではなく、実に不可思議で想像を絶するものでした。暗闇の中から現れたのは、おぞましいわらべ歌を唱和する少女たち。彼らの赤い目は憎しみに満ち溢れ、冷たく凍るような手が僕たちに伸びてきました。
いつの間にか、肝試しでペアを組んだ初恋の佳代ちゃんは連れ去られ、僕はただひとり、恐怖に打ち震えながらその場にうずくまっていました。
その日以来、僕は冥界の神から天罰を受けたのか、『見える人』になってしまったのです。何が見えるのかって? ホラーが好きな皆さんならもうお分かりでしょう。
そう、人の背後に取り憑く、あの忌まわしい黒い影が見えるのです。その影は、死神が送りつけた冥界への招待状の証です。
今日は、そんな禁断の扉を開けて、愚かな戯れの話を皆さんにお伝えしましょう。しかし、決して常識破りな真似はしないでください。命はひとつしかありません。必ず後悔することになりますから……。
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