第2話何だここは?
翌日、藤村は出勤したが作業所は閉まっていた。
ベンチに座り、定時になるのを待った。
ここの作業所の定時は10時だ。
そして、待つ事を15分。田村さんが現れて、
「まだ、このひまわりワークスの人数が揃わないので、今から違う事業所で暫く働いてもらいます」
と、行って2人で職場に向かった。
そこは、「みどりB型事業所」とあった。
B型施設での勤務が始まった。B型施設とは、雇用契約をせずに社会復帰を目指す場所。
だから、酷い障がい者の集まり。給料日は工賃と言う形で月2万円位だ。
だが、藤村はA型の雇用契約を結んだので、ここで働いても月9万円ほどの給料なる。
ある職員さんを紹介された。
この職員さんと挨拶を交わし、それを見た田村さんは施設を後にした。
「ひまわりワークス」の集まりはまだ、3人。
山田と言うおばちゃんと、福田と言う30代の女性、そして、浅井と言う耳の不自由な男性と藤村だけだった。
仕事はDVDの箱の研磨と検品。
オイルを垂らし布で汚れを取る作業。
藤村は丁寧に1時間10箱ずつ作業した。
周りは50箱は磨いている。
みどり事業所の女性職員が、
「A型施設でこんなに遅く作業されると困る」
と、言われて、東雲さんに、
「どんどん磨いちゃっていいですか?」
「うん、良いですよ。どんどん磨いて下さい」
藤村は1時間に100箱も磨いた。
周りも負けじと磨いた。
昼休憩、周りは会社の仕出し弁当か、持参していた。
藤村は缶コーヒーを飲みながら、喫煙所でタバコを吸った。
東雲さんも喫煙者。色んな話しをして2人とも歴史にかなり詳しいと分かり、それから東雲さんと話す機会が多くなった。
他の3人はタバコは吸わない。
DVD磨きの検品は難しい。
チェックポイントがいくつもある。
ここで約1ヶ月修行して、12月、晴れてひまわりワークスで作業する事になった。
スターティングメンバーは5人。1人は吉川さんと言う、男性だった。吉川さんは他の事業所からの利用者で仕事は早い。だが、障がいで余り喋らない。
山田さんは、元看護師。
福田さんはそれから、1週間後に辞めた。地元に帰りバーの雇われ店長をするようだ。
実質、4人で仕事を始めた。DVD磨きや、裁縫の仕事。
月日が経つと徐々に仲間が増えてくる。
藤村は統合失調症だが糖尿病も患っているので目が悪い。
田村さんが、LEDライトの位置を変えたりしてくれたが、申し訳ないと思い、眼科で相談したら、サングラスを勧められ、それを田村さんに言うとOKされた。
サングラスしながらの作業はやりやすかった。
休憩中は喫煙者の藤村と東雲さんの会話が弾む。
藤村は良い作業所を見つけたと、喜んだ。
そして、見た目が反社のような男性が入ってきた。川畑さんと言う50歳の男性だ。
ずっと、米農家の仕事をしていたらしい。
川畑さんは、喫煙者なので話しが弾んだ。
これで喫煙者が3人になった。
モヒカンの川畑さんとサングラスの藤村は、ひまわりワークスの用心棒と呼ばれていた。
体型もあり、ワイシャツ姿の藤村の人相は悪かったが、作業所ではとても親切な男性と認識された。
ここから、物語は始まる。
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