第一章
第8話 妖魔軍団の作戦会議
妖魔軍団インデックスの本拠地「万能要塞オールイン」の作戦会議室
「皆、集まっているわね」
そこには、エーテル、ヴェイル、ヴォルティ、スカイラ、ヴェルデ、ガルムが集まっていた
「一体どうした?エーテル」
「実は……」
エーテルは説明する。先日の戦闘のおかげで、魔力がある程度回復したという。そして、一体だけならランク2の召喚獣が外に出ることが可能という見込みが立ったが、更なる魔力の回復が必要であることには変わりなかった。そこで各リーダーたちは、自らの軍団から誰を派遣するのが最適かを決める必要があると説明する
「そうなのか!!」
「ええ、そこで、この状況を打破するためには、最適な戦力を選ぶ必要があるわね」
エーテルが真剣な眼差しを向ける
「もちろんだ。誰を出すにしても、少しでも早く拠点の魔力を回復させる必要がある」
ヴェイルが冷静に言葉を継ぐ
「この状況下であれば、俺の部下が最も適任だろう。ヴォルティスペード団の者は戦闘経験も豊富だ」
ヴォルティが豪快に笑いながら自信を示す
「いや、ウチのスカイラハート団から出すべきだと思う。素早い上に、効率にも優れている」
スカイラがプライドを覗かせながら発言する
「私のヴェルデダイヤ団からも良い候補がいる。魔法系の任務に特化しているし、この場に最もふさわしいかもしれない」
ヴェルデが穏やかに言いながらも、鋭い視線を周囲に送る
「ならば、我がガルムクラブ団も当然候補に入れるべきだろう。我が団なら耐久力があるから、長時間の任務にも耐えられる」
ガルムが騎士らしい威厳を保ちながら語る
「(さて、どうするか……)」
ヴェイルは悩む。リーダーたちはそれぞれが真っ先に自分の軍団の候補者を推すものの、明確な決断には至らない。各軍団の実力は拮抗しており、選び方を公平にする必要がある
「では、こうしましょう」
そこでエーテルがある案を提示した
「私が……1から13までのトランプカードを投げるから、一番大きな数字を掴んだ者にする……それでいいかしら?」
彼女の提案に他のリーダーたちは異論を挟むことなく同意した
「じゃあ…行くわよ!!」
エーテルが手元に揃えた13枚のカードを宙に舞わせると、それぞれのリーダーたちが素早く手を伸ばしてカードを掴み取った
「どうやら、我が軍団がこの任務を引き受けることになるようだな」
結果、最も大きな数字「13」を引いたのはガルムだった。彼は静かにカードを掲げ、微笑みながら言った
「ちぇ……私じゃあないの」
ヴェルデは「10」のカードを
「次の機会かな」
スカイラは「6」のカードを
「俺がビリかよ」
ヴォルティは「3」のカードを掴んでいた
「では、ガルム……さっそく」
ガルムは即座に答えた
「了解した……ドゥルガニス!!出撃だ!!」
ガルムが大声を上げると、スート兵たちが管楽器群と打楽器群を持って、荘厳な音楽を奏で始める
「お待たせしました!!皆様!!」
会議室の扉が開かれた。その中から、黒髪のショートヘアを揺らしながら、堂々たる体格のドゥルガニスが現れた。彼の全身からは強い自信と誇りが滲み出ており、まるで戦場に赴く前の騎士のように威風堂々としていた
「勇者様の召集に応じて参上しました」
ドゥルガニスが会釈をしながら、その漆黒の瞳を光らせて言葉を発すると同時に、音楽も止んだ
ガルムは彼の登場を見届け、ゆっくりと歩み寄って肩に手を置いた
「ドゥルガニス、君に任務を与える…魔力を回復するため、外へ出て、探索してもらう」
「私に任せてください。この体と誇りを賭けて、任務を果たします」
ドゥルガニスは自信に満ちた笑みを浮かべ、ガルムの言葉に応じた
「気をつけるのよ…ドゥルガニス……常に気を引き締めて行動して」
エーテルが優しい声で声をかける
「ご忠告ありがとうございます…エーテル様。ご安心を、私は何があっても任務を果たします」
ドゥルガニスは力強く返答し、その眼差しに決意が宿っていた
「もしも何かあったら、無理せず撤退するのだぞ」
ヴェイルが厳しい口調で続ける
「大丈夫だ、ドゥルガニス……またここで酒でも飲もうぜ」
ヴォルティが豪快に笑いながら言い
「任務の成功を祈るわ、ドゥルガニス。あなたなら必ずやり遂げられるはず」
スカイラも信頼を込めた声で言葉を送った
「気をつけて行ってね。無事に帰ってきたら、少しだけ私のギャグを聞いてもらうわよ」
ヴェルデが冗談を交えて微笑む
「お任せください!……鎧甲の覇者ドゥルガニス!必ずや皆さまの期待に応えましょう!!」
仲間たちの温かな激励を受けて、ドゥルガニスは意気揚々と会議室を後にした
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