第7話 加入と衝撃な使命
静かな病室の中、悠斗はゆっくりと目を開けた。白い天井が視界に入り、次に心地よい柔らかさが体を包む。自分が病院のベッドに横たわっていることに気づき、徐々に記憶が蘇ってきた。戦闘、上級スート兵との激しい戦い、そして――倒れてしまったこと
「悠斗!目が覚めたのね!」
急に聞こえてきた声に反応して横を向くと、そこには涙ぐんだ目をした龍香がいた。その隣には、愛奈と鈴音も立っていて、二人とも心からの安堵の笑みを浮かべていた
「みんな…」
悠斗は声を絞り出しながら、なんとか言葉を紡いだ
「俺…無事だったんだな…」
「本当に心配したんだから!」
愛奈が泣きそうな顔で言う
「急に倒れるなんて…無茶しすぎよ!」
「うん、でも、悠斗のおかげで助かったよ……本当にありがとう」
鈴音も感謝の気持ちを込めて微笑んだ
悠斗は彼女たちの言葉にほっとしながらも、自分の体を確認する。特に痛みを感じず、戦いで受けた傷もすっかり治っているようだった
「傷…全部治ってるのか?」
悠斗が驚きの声を上げると、龍香が頷いた
「私の能力で治療したの……あの時は、本当に焦ったんだから」
龍香は少し怒ったような口調で言ったが、その目には深い心配と優しさが宿っていた
「そっか…ありがとう」
悠斗は素直に感謝の言葉を口にし、三人に向かって微笑んだ
数日後
「やっと退院か」
悠斗は無事に退院することができた。彼の体は完全に回復しており、日常生活にも支障はなかった。退院当日、龍香、愛奈、鈴音の三人が彼を迎えに来ていた
「よかった、やっと退院できたんだね!」
愛奈が嬉しそうに声を上げた
「ほんとに、もう無茶はしないでよね」
鈴音も笑顔で悠斗を見つめた。
「さて、悠斗……ちょっと付き合ってほしい場所があるの」
龍香が言葉を続けた
「大事な話があるから」
悠斗は少し戸惑いつつも頷いた
「?……わかった」
三人に連れられて向かった先は、街の外れにある一見普通のビルだった。しかし、ビルの内部に入ると、そこは見た目以上に広大で、最新の設備が整っていることが分かった
「ここは…?」
悠斗が問いかけると、龍香が振り返りながら微笑んだ
「ここは私たちが所属している星屑聖騎士の拠点よ……そして、あなたに紹介したい人がいるの」
一行は奥まった会議室に通され、そこで待っていたのは黒いローポニーテールと群青色の瞳が印象的な女性だった。彼女は悠然と立ち、四人が入ってくるのを見て穏やかに微笑んだ
「紹介するわ。この人が水野鏡子先生。私たちのリーダーであり、皆から『先生』と呼ばれているの」
龍香が紹介すると、鏡子は軽く頷いて自己紹介を始めた
「初めまして、悠斗君。私は
鏡子の声は落ち着いていて、知的な印象を与えるものだった
「龍香からあなたが活躍してくれたと聞いたわ……お疲れさま」
「は、初めまして…水野先生」
悠斗は少し緊張しながらも礼儀正しく挨拶した
「僕…悠斗です。まだ、よく分からないことばかりで…」
「大丈夫よ、悠斗君」
鏡子は優しい微笑みを浮かべた
「それはみんな最初は同じ。これから少しずつ学んでいけばいいわ」
一通りの挨拶が終わった後、鏡子は悠斗に向き直り、本題を切り出した
「さて、悠斗君」
鏡子は真剣な表情で彼を見つめる
「あなたに正式に星屑聖騎士に加入してほしいの」
「星屑聖騎士に…入る?」
悠斗はその言葉に戸惑いを見せた
「先日の戦闘をモニターで見ていたけど……あなたにはその素質があると思ったの」
「(まあ…ゲーム内で散々戦っていたしな……)」
「男の貴方に頼むのは…酷だと思うかもしれないけど」
「でも、僕はまだ何も分かっていないし…戦うのも、正直怖い…」
「その気持ちは分かるわ」
鏡子は穏やかな声で言葉を続けた
「でも、この世界には守るべき人や大切なものがたくさんある。そして、あなたはすでにそのために戦った。戦う理由や目的は、後から見つけることもできるのよ」
「(目的……か……)」
「そうだよ、悠斗」
龍香が、優しく語りかけた
「私たちも最初は不安だった。でも、先生がいて、仲間がいるから乗り越えられた。悠斗も一緒に戦おうよ」
「そうですよ…」
愛奈も頷いて加勢する
「私たち、ずっと一緒に頑張ってきたから。悠斗も仲間になってくれたら心強いです」
「でも…」
悠斗はまだ迷いを感じていた
「(けど、疑問を知るためにも……)」
しばらく考え込んだ後、悠斗は顔を上げて、皆の目をまっすぐに見つめた
「分かった」
彼はしっかりとした声で答えた
「僕も皆と一緒に戦う」
「よく決断したね」
鏡子は微笑んで悠斗の決意を讃えた
「これからは、私たちが君をサポートするから。共に戦って、共に学んでいこう」
「うん、よろしくお願いします」
悠斗は少し緊張しながらも、その言葉に決意を込めた
「さあ、これで悠斗も仲間ね!」
愛奈が喜びの声を上げる
「これから、一緒に頑張ろうね!」
鈴音も笑顔で悠斗に声をかけた
「うん!」
悠斗はこれから始まる新しい日々に期待と不安を抱きつつ、仲間たちと共に歩んでいくことを決意した
「これより、貴様は星屑聖騎士及び種馬に任命する」
「はい…わかりました…………はぁ!?」
衝撃発言に思わず驚く
「何を言って!?」
「だから女子たちと交流して孕ませろ!と言ったんだ」
「っ……えええええええええ!!」
新しい物語がここから始まるのであった
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