第5話 城門警備の門破り (1600文字)

だい5 城門じょうもん警備けいび門破もんやぶ


 依存性いぞんせいがあるため売買ばいばい禁止きんしのレゲレレそう検挙けんきょはお手柄てがらだった。

 をよくした警備兵けいびへいたちに色々いろいろ禁止きんしひんをバルは現物げんぶつせてもらいにおいを記憶きおくした。

 これであらゆる禁止きんしひん規制きせいできる。


 毎日まいにちのようにバルは禁止きんしされた草花くさばななどをつけていた。


大手柄おおてがらですよ」

「だよな。バルさまさまだわ」

「よ、バルくん今日きょうたのむよ」


 こうしてぼく信用度しんようどはどんどんがっていた。

 そんなある


つぎひと


 ドン。


「うわぁああ」

「わっわっ、門破もんやぶりだ。またか。つかまえろ!」


 城門じょうもんれつならんだふりをしてぎりぎりでばして検問けんもん突破とっぱしようとするひとがいたのだ。

 すでにさんかいほどがしていて、警備兵けいびへいたちの名誉めいよはずたずただった。

 今回こんかいがしたらもうあとがない。


「がるるるるる」


 強引ごういんれつ突破とっぱしてげていく犯人はんにん

 しかしこちらにはぼくがいた。

 全力ぜんりょくダッシュだ。あまりなが時間じかんはしることはできない。

 しかし最大さいだい速度そくど人間にんげんよりずっとはやい。


「がるるるるっ」


 ついにいついてあしみつく。

 もちろんふかきずつかないように手加減てかげんをしている。


「うわあああ」

「がるるるるっ」

「くそっ、いぬっころ、はなせ! はなせよう!」


 かれころばせて地面じめんたおした。

 ぼくかれ足首あしくびいついたまま、うなって威嚇いかくつづける。


「くそぅ! くそ、くそくそ!」


 そこへ警備兵けいびへいたちがあつまってきてぼくたちをかこんだ。


「はっはは。どうだいぬさまつよいぞ。観念かんねんしろ」

「どうか、いのちだけは」

大丈夫だいじょうぶだ、とってったりはしないよ。おれたちはな」


 こうして門破もんやぶりを無事ぶじふせぐことができた。

 兵士へいしたちは全員ぜんいん安堵あんどいきいた。

 今回こんかいがせば、ボーナスは没収ぼっしゅうといううわさがあった。

 そんなことになれば借金しゃっきんがあるいえではくびまわらなくなる。最悪さいあく場合ばあい借金しゃっきん奴隷どれいになる可能性かのうせいがあった。

 簡単かんたんうと強制きょうせい労働ろうどうということだ。

 給料きゅうりょうもらえずわずかな食事しょくじできつい肉体にくたい労働ろうどうっている。

 そんなことにはなりたくない。


「やったぞ! うおおおお」

「うぉおおおお」

「いやっほおおおお」


 拍手喝采はくしゅかっさい。あちこちで歓声かんせいがった。


「バル! バル! バル! バル!」

「そーれ、バル! バル! バル! バル!」

「もひとつ、バル! バル! バル! バル!」


 しばらくおまつさわぎとなった。

 しかし城門じょうもんまえには長蛇ちょうだれつができてしまった。

 みんないそいで仕事しごともどっていく。


 もちろん検問けんもん前線ぜんせんではぼくバルがにおいをいで、その品々しなじな検品けんぴんしていた。


 その数日すうじつ休暇きゅうか

 毎日まいにちバルだけに城門じょうもん仕事しごとわけにもいかない。

 マリーちゃんもいとはいえ毎日まいにちじゃ大変たいへんだろう。


 またエルバラード公爵こうしゃく挨拶あいさつた。

 内容ないようはこのあいだ門破もんやぶりをふせいだ実績じっせきだった。


報奨金ほうしょうきん金貨きんか三十さんじゅうまいだ」

たしかに、ちょうだいします」


 うやうやしく応接間おうせつま金貨きんかる。

 おいぬさまかせぎもなかなかのものだ。

 ぼくはなたかい。いぬだけに。


成功せいこうしゅくして乾杯かんぱい!」

乾杯かんぱい!」


 二人ふたりはそのでワインをはじめた。

 まったく大人おとなというひとたちはだらしがない。

 マリーちゃんはブドウジュースだ。

 マリーちゃんがことの一部始終いちぶしじゅうかたってかせると、よっぱらいの貴族きぞくさまたたいてよろこんだ。


「それは愉快ゆかいだ! さあむぞ」

「もう一杯いっぱい


 ワインはさんぼんけられたようだった。

 マリーちゃんもほめられてうれしそうだったから、まあいいとしよう。


 警備けいび仕事しごと好評こうひょうにつきしばらくつづけられることになった。

 それからマリーちゃん。

 騎士きし見習みならいというのになって、よろいるようになった。

 いままではただの見学者けんがくしゃみたいな位置いちだったのだけどぼく責任者せきにんしゃなので、立派りっぱ格好かっこうをしようということらしい。

 しろあかられたドレスアーマーはとてもかわいくてかっこよかった。

 まるでゲームにてくるおんな騎士きしみたいだったのだ。

 けん一応いちおう用意よういされて、いまではぼくたちのうしろで素振すぶりをしている。

 頑張がんばっているのだけどとても微笑ほほえましいので、みんなほっぺがゆるんでいた。


 そんなあるつぎ事件じけん城門じょうもん警備けいびたいところんできた。

 一人ひとりおさな少女しょうじょだった。


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