12.瀕死で冷凍催眠されてた俺はヒューマノイド巨乳少女にTSした件 ~おっぱいには大容量バッテリーが詰まってる~ (4000文字)

●タイトル

瀕死ひんし冷凍れいとう催眠さいみんされてたおれはヒューマノイド巨乳きょにゅう少女しょうじょにTSしたけん ~おっぱいにはだい容量ようりょうバッテリーがまってる~


●あらすじ

未来みらい世界せかい冷凍れいとう催眠さいみんからめたら少女しょうじょになっていた。のう以外いがい機械きかいのヒューマノイドだった。ところがむねがEカップはある。交換こうかんようだい容量ようりょうXLがたEカップポリマーバッテリーはやわらかくてばるんばるんれるしおもくて非常ひじょう邪魔じゃまだ。重心じゅうしん安定あんてい少女しょうじょにはおもい。というはなしです。


●本編

 21xxねんめた。

 おれは21世紀せいきまれだ。すでにひゃくねんくらい経過けいかしている。

 生前せいぜんというのか、交通こうつう事故じこ全身ぜんしんボロボロだったおれからだ冷凍れいとう催眠さいみん保存ほぞんされていた。

 きてみればなかすす機械きかいした人類じんるいであるヒューマノイドがあるまわ世界せかいになっていたのだ。


山田やまだおさむさんだったかな、あなたのからだ使つかものにならなくなっていたのでのう以外いがいすべて破棄はきしました」

「えっ、あ、はい」

「それで社会しゃかい保険ほけん使つかえる唯一ゆいいつたい一番いちばんちいさい少女しょうじょがたまっているのであなたは今日きょうからおんなになりました」

「あ、うん、こえたかくなっててへんだけど」

「そうですね。すぐれますよ」


 おれのうみそ以外いがい全部ぜんぶえられた。

 からだは140センチの少女しょうじょがただ。

 なぜ性別せいべつニュートラルな少年しょうねんがたではなく女性じょせいがたなのかというと、うん。いまもずしりとそのおもみをかんじる。

 ベッドでがっているけれどこのおもみのせいでバランスがとりにくい。


とう病院びょういんでは安全性あんぜんせい観点かんてんからXLがたEカップだい容量ようりょうバッテリーしかみとめていません」

「そう……みたいですね」

「スポーツとかするがあるなら、そのときだけSがたBカップバッテリーとかにもできますけど、有料ゆうりょうですよ」

「あ、はい、だい丈夫じょうぶです」


 むねだい容量ようりょうポリマーバッテリーになっている。

 さわってみると本物ほんものむねのようにやわらかい。

 それからねつつため本物ほんもののようにあたたかい。

 いや本物ほんもののおっぱいをさわったことはないんだけど。

 安全性あんぜんせい考慮こうりょして金属きんぞくせいこうたいではなく衝撃しょうげき吸収きゅうしゅうがたのポリマーでできているのだ。

 21世紀せいきにもやわらかいリチウム・ポリマーバッテリーは実用じつようされていたのでべつにおかしいことはない。


 ――ロリ巨乳きょにゅう


 そう、そういうの。

 XLがただい容量ようりょうバッテリーはひとつで8時間じかん人間にんげんがたにはふたつついているので16時間じかんもつ。

 なんでこんなことになっているかというと臓器ぞうき人工臓器じんこうぞうき筋肉きんにく人工じんこう筋肉きんにくほね人工骨じんこうこつに、めるだけの人間にんげん代用だいよう部品ぶひんがすでに全身ぜんしんまっている。

 それぞれわったわけだが機械きかい部品ぶひん電気でんきうごく。

 そこで問題もんだいになるのがバッテリーだったわけだ。

 母乳ぼにゅうさなくていいならおっぱいは脂肪しぼうかたまりなのでそこをバッテリーとした。

 だから男子だんしがた存在そんざいしていない。

 例外れいがいてきにクリスマスのサンタや各種かくしゅイベントやテーマパークなどで使つかふとったおじさんがたはあるらしいが高価こうかだ。

 ついでにえば人工じんこう子宮しきゅう病院びょういん専用せんよう施設しせつにあるので子宮しきゅう搭載とうさいする必要ひつようがない。

 むねのバッテリーははずしが可能かのうなアタッチメントタイプになっている。

 むねはずしてもだい丈夫じょうぶなように本体ほんたいには子宮しきゅうがた内臓ないぞうバッテリーが搭載とうさいされており3時間じかんもつ。

 合計ごうけいで19時間じかん充電じゅうでんなしで活動かつどう可能かのうだった。

 しかし一日いちにちじゅうもつわけではない。

 そのため睡眠すいみんなどにはコードをつなぐことを推奨すいしょうしている。

 それから緊急きんきゅうチャージよう急速きゅうそく充電じゅうでんバッテリーがあり子宮しきゅうバッテリーに直結ちょっけつさせるためちつ挿入そうにゅうして使つかう。

 これがひとつ30ぷんだ。普通ふつうひとねんのためふたつバッグにれてあるいている。

 もちろん予備よびのおっぱいバッテリーの交換こうかんサービスや給電きゅうでんポイント、緊急きんきゅうようバッテリーもっている。


 そうそう『電池でんちれるとぬ』。


 スマホなら電源でんげんってしまえばいいのだけど人間にんげんのうみそをかす装置そうちもついているのでそういうことはできない。

 自分じぶん電化でんか製品せいひんになってしまったわけだ。


退院たいいんしていいですよ」

「ありがとうございました」


 ふらふらあるきながらおれ病院びょういんていく。

 身寄みよりもないし仕事しごともしていないのでいえ公団こうだん住宅じゅうたくしてもらえた。

 この現在げんざい世界せかいには生活せいかつ保護ほご制度せいど廃止はいしされていて完全かんぜんなロボットではないもと人間にんげんには全員ぜんいん定額ていがく支払しはらわれるベーシックインカムのような制度せいどがあった。


 手足てあしているワンピースをあるいていく。

 おれ手足てあしはアンドロイドのしろ金属きんぞくしなので、ちょっと目立めだつ。

 少女しょうじょのすべすべおはだとはいかなかった。かおだけは保険ほけん適用てきよう人間にんげんふうのスキンがってある。

 しかし手足てあし胴体どうたい金属きんぞくフレームのソレだ。

 人間にんげんふうのスキンをるのは有料ゆうりょうでかなりたかい。しかもきずがつきやすくよごれやすい。

 定期ていきメンテナスでえて維持いじする必要ひつようるためとてもおれ支給しきゅうきんでは無理むりだった。


 しかし足元あしもとがおぼつかない。

 むねおもい。とにかくこのバッテリーがおもい。少女しょうじょにはデカすぎる。

 あるくたびにぼいんぼいんとおっぱいがれる。

 重心じゅうしんがってしまいあるきにくい。

 未来みらい世界せかいっても技術ぎじゅつ限界げんかいはある。とくに重力じゅうりょく制御せいぎょはできない。

 巨乳きょにゅうおんなはこんな大変たいへんおもいをして生活せいかつしているのか。

 おれたちははなしたばしておっぱいだとおもってニヤニヤしているだけだが、本人ほんにんたちは苦労くろうしているのだろう。

 おれをもってった。


 すでにおかね支給しきゅうしてもらった。

 全額ぜんがく電子でんしマネーにはいっている。便利べんりなことに右手みぎてをかざすだけで内蔵ないぞうされていた。

 内臓ないぞうなのか内蔵ないぞうなのか微妙びみょうだな、うん。

 こういう部分ぶぶんたりまえだがちゃんと電子でんしされている。


 それからスマホ。スマホものうみそと直結ちょっけつしててスクリーン投影とうえいみたいにえるのでちょう便利べんりだ。

 検索けんさくしてちかくのラーメンはいる。


「いらっしゃいませ」

「おおう、いいにおい」

「ご注文ちゅうもんは?」

醤油しょうゆチャーシューめん、あとギョウザ一枚いちまい

「はいよ」


 おれたちはヒューマノイドだ。

 のうみそ以外いがいほとんど機械きかいなんだがそれらは人工じんこう内臓ないぞうもあるので消化しょうか吸収きゅうしゅうができる。

 わりにトイレに必要ひつようもあるんだけども、まあそれはいておく。

 のうおくるブドウとうもの由来ゆらいなのでバッテリーでは補給ほきゅうできない。

 だからべる必要ひつようがあった。

 それからあまったカロリーぶつ酸化さんか反応はんのうをさせることで電力でんりょく変換へんかんされる。バッテリーの消費しょうひおさえて場合ばあいによっては充電じゅうでんもできた。


「いただきます」


 めんをすすってスープもむ。


美味うまい」


 機械きかいからだでラーメンをべているとへんかんじがするが、まわりをると半分はんぶんきゃくおれおなじようなヒューマノイドの少女しょうじょたちだ。

 みんなロリ巨乳きょにゅうなのでこちらもやはりへんかんじがする。

 おっさんはほとんどいない。

 この未来みらい都市としではおっさんのままずっと人間にんげんでいられるのもある意味いみ贅沢ぜいたくなことかもしれない。


 ラーメンとギョウザをたいらげて右手みぎてをかざして決済けっさいませる。


 がるとまたむねれる。


「くそぅ」


 このからだにくい。

 おんななのはかわいくていいがむね邪魔じゃますぎる。

 ばいんばいんれて安定あんていなのでやすまらない。


 公団こうだん住宅じゅうたくまでは電車でんしゃひとえきだった。

 改札かいさつ手首てくびをかざしてとおる。内蔵ないぞうしてると必要ひつようがなくてらくだ。

 ただしかざす必要ひつよう相変あいかわらずあった。

 普通ふつうっているだけで料金りょうきんられると不正ふせい利用りようされたときにかない可能かのうせいがあるので、電波でんぱ送受信そうじゅしん距離きょりをわざと手首てくびからじゅっセンチくらいに制限せいげんしてあるんだそうな。

 病院びょういんでチャージをするときにおしえてもらった。


 改札かいさつ無事ぶじとおり、なんかきん未来みらいのよくからん電車でんしゃる。

 しかし電車でんしゃ電車でんしゃだった。

 なんということはない。あのかたち一番いちばんおおくのひと一度いちどはこべる事実じじつひゃくねんってもわらなかったというだけだろう。

 もちろん満員電車まんいんでんしゃではないのと、すごく駆動くどうおんしずかになっていることがちがうところだろうか。

 この未来みらいではいえからフルリモートの仕事しごとおおいらしい。あとベーシックインカムだけではたらいていないひとすくなくないそうだ。

 さらに一人ひとりりの自動じどう運転うんてんタクシーが街中まちなかはしまわっていて、それの利用りようしゃもいるので電車でんしゃ乗客じょうきゃくすうっているのだとか。


 電車でんしゃうごす。


「うぉおい」


 つりかわになんとかばしてつかまる。

 ちいさい少女しょうじょがたヒューマノイドにわせてはくれないらしく、ぎりぎりとどくくらいだった。

 もしかしたら少女しょうじょ電車でんしゃらない文化ぶんか可能かのうせいもある。あまりまわりにもいない。

 なんとかつかまったら電車でんしゃ発進はっしんする。

 きゅううごいた。そしてむねが。おっぱいがれる。


「んっんんっ、くそぉ」


 万有ばんゆう引力いんりょく法則ほうそくとか慣性かんせい法則ほうそくとかが未来みらいになってもわるわけがないので、電車でんしゃすすみだすとむねれるのだ。

 そして電車でんしゃれるとまたむねがそれにつられてぼよんぼよんれる。

 バッテリーがおもい。


 なんとかぽよんぽよいんしつつひとえき電車でんしゃりた。

 ひどった。今度こんどからおれ一人ひとり無人むじんタクシーにしよう。

 そりゃ巨乳きょにゅう少女しょうじょたちが電車でんしゃ移動いどうしないわけだ。おれおぼえた。


 公営こうえい住宅じゅうたく到着とうちゃくした。

 おれ部屋へやかいにある。

 エレベーターにってがる。


「ただいま」


 だれもいないのはっているが挨拶あいさつだけはしてみる。

 部屋へやはいる。


「なにもねぇ」


 本当ほんとうなにもない部屋へやがぽつんとあった。

 ベッドもない。


 おれ病院びょういんからってきた緊急きんきゅうようバッテリー2ほん充電じゅうでんようケーブルがはいったバッグをゆかく。

 コンセントは相変あいかわらず100ボルトのようでお馴染なじみのふたつのあなならんでかべにある。


なにもねぇ……」


 コンセントに充電じゅうでんようケーブルをさしてゆかすわる。すわるとおっぱいがれる。

 そしてバランスがわるい。


「こりゃおんなかたるわけだわ、おもいもん」


 内蔵ないぞうされたスマホ機能きのうでネットを閲覧えつらんする。

 低所得者ていしょとくしゃけサービスをかたぱしから検索けんさくする。

 お、あった。

 中古ちゅうこ家具かぐ無料むりょうレンタルサービス。

 とりあえず椅子いすとテーブルとパイプベッドを注文ちゅうもんする。

 布団類ふとんるいはなけなしの電子でんしマネーでうしかないか。


 台所だいどころにはオール電化でんか電磁でんじ調理器ちょうりきキッチンセットだけはあった。

 ただしなべやフライパンとかはない。


 いろいろ物入ものいりだな。おれからっぽの自室じしつ途方とほうれた。


 ――とにかく、むねおもい。


 おれはずっとこのむねらしてきていかなければならないらしい。

 西日にしびまどからはいってくる。

 むかし転生てんせいしたら少女しょうじょになりたいなどと妄想もうそうしていたが実際じっさいになってみたら、おんなになるのはこんなにも大変たいへんなんだな……つくづくおもった。


(了)

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