隣の生徒は戦闘員

【第5章：目覚める悪の参謀-4】

メニューのトレーニングが頭を悩ませる中、私はドアを開けると、悠月がプラスチックマットの上で退屈そうにころがっているのが見えました。

それでも、その雪白くなめらかな長い髪はまだ一切のほこりをつけておらず、まるで汚れぬ蓮のようでした。

彼女は急に動きを止め、私の姿を見て即座に抗議しました：

「楊山陸、あまりにもずるいわ。宇宙人を独り占めするなんて、私も遊びたい！」

「彼らは宇宙人じゃない、怪人だ、それにここを遊園地だと思わないでください。」

「山陸、俺はこの問題集に打ち勝ったよ。」

意気揚々とした影豪は、悠月の指導のもと、英語の部分を順調に進んでいます。

「よし、次は私の番、社会、理系科目を教えてやるよ。」

悠月は半回転して、私に向かって頭を傾けながら尋ねました：

「ねえねえ、私も怪人と遊んでいい？」

「もちろん問題ないよ、外に行って石を拾って、それであのイカをフルパワーで投げつければいい。」

床に伏せていた悠月は、両目を輝かせて興奮して身を起こしました。

「それ超楽しそう！彼は怒らないの？」

「大丈夫だよ、あいつは女子高生が大好きだから、しっかり叩いてやれ。」

「そうなんだ、よし！」

急いで立ち上がった悠月は、煙のように扉を抜けて外に出て、すぐにイカ怪の悲鳴が聞こえました。

「さて、影豪、次の問題集を取り出してくれ。」

私は影豪が誤った部分に迅速に注記し、同時に他の選択肢にも基本的な理解を与え続けました。

まるでタイミングを計算しているかのように、すべての問題に答え終わると、甲殼じじが熱々の餃子を持って台所から出てきました。

「ちょっと休憩して昼食をとろう、影豪、朝ごはんはおにぎり一つしか食べてなかったね？」

「おおお、助かる！」

「でも、そんなにたくさんいらないよ、20個くらいで十分だよ。」

「えええ、でも俺おなかすごく空いてるんだよ。」

「わかってるけど、適度な空腹は注意力を高めるのに役立つから、これから20の質問を出して、1つ間違えるごとに1つ餃子を減らすことにしよう。」

「それはちょっと厳しすぎない？」

「安心して、私も我慢するつもりだから、これは昼食の総数だ。1問正解するごとに1つもらっていいし、1問間違えたら1つ取り上げる。公平じゃない？」

「そうだな、山陸はおなかすごくすくから、かわいそうだよ。」

「あなたの口調からすると、まるで私が何も食べられないかのようだね。試してみる？」

「来いよ、この挑戦を受けてみろ！」

餃子の皿を挟んで、私たちはテーブルの両端で向かい合い、お互いに熱い戦意と火花を散らしていました。

「甲午戦争で締結された条約は？」

「開羅条約。」

「清朝の戦争がなぜエジプトで締結されなければならなかったのか？」

私は眉をひそめて、箸で1つ目の餃子を取りました。

「温室効果を引き起こす主な原因は何か？」

「オゾン層。」

だめだ、この人の頭はオゾン層と同じくらい大きな穴があいている。

いくつかの簡単な質問応答の攻防の後、影豪は合計で6問しか正解できませんでした。

「美味しい、やっぱり40年の味だね。」

予想以上にたくさん食べて、影豪の歴史科は本当にだめだ。

悔しがる影豪は、お皿の中の餃子を見つめながら嘆息しました。

「くそ、もっとたくさんの調味料をかけないと！」

「ゆっくり昼食を楽しんでくれ。そうだ、次の食事は何が食べたい？」

「ピザ！」

「体積の大きな食べ物を選んでも、それでもあまりたくさんは分けられないよ。」

午後、怪人が訓練に忙しいため、残りの武器庫の在庫を監査する役割を果たしました。しかし、残念ながら、石を投げ飽きた悠月が入ってきて、私の進捗を妨げ続けました。

「ねえねえ、その箱の中には何が入っているんだろう？」

「他人のものに触るな、おまえは子供か？」

「失礼しました、入りますね。」

制服を着た林愛紗は、元気に挨拶し、一歩中に入るとすぐに紙箱をくまなく探している悠月と視線が合い、お互いに驚きの表情を浮かべました。

「悠々！なんでここにいるの！？」

「愛紗ちゃんだ！」

「どうしたんだ、お前たち知り合いなの？」

「うん、悠々と私は家政クラブのメンバーなんだ。」

「家政クラブ？」

問題集の山から頭を上げる影豪は、悠月に対して信じられない目を向けた。

「なんで、何か問題でもあるのか？」

「大丈夫、俺は本を読むだけだ。」

厳しい視線に退かされた影豪は、黙って問題集に戻りました。

「なんと悠々がストレイズの関係者だなんて、思わなかった。」

「いやいや、この人は勝手に来たんだ。」

もし記憶消去器があれば、早く取り出して使いたい。

「とにかく林愛紗、影豪の数学はお願いするよ。」

「問題ない、任せて。参謀さま！」

笑顔で立っている林愛紗は、私に向かって敬礼しました。

彼女がこれをどこで聞いたのか、私は突然言葉に詰まり、顔が赤らみました。

投球のポーズを取る悠月は、プラスチックのマットで代用されたマウンドに立ち、視界を左右に確認しています。

悠月は左足を高く上げ、体を斜めにし、足が地についた瞬間にボールを強烈な勢いで投げ出しました。空中を飛行する野球は明らかに下に変化した軌道を描いています。

「まさかシンカーか！？」

跳び上がるイカ怪はこのボールをかわすために空中で一回転し、結果的に右足が着地に安定せず、次に左足が空を踏み外し、木の柱から落ちてしまいました。

「落ちたね、再びタイムを計り直すよ。」

私はタイマーを止め、再び時間を設定しました。

「くそ─！あと三分だ！」

倉庫の箱を整理して見つかった野球とグローブが、こんなに活躍するとは思ってもみませんでした。この怪人たちの生活は予想以上に豊かですね。

もう片方のコモドニは柔軟性の重要性に気付いて、ヨガの動画を見ながら学習していますが、状況はあまり良くありません。持ち上げた足すら後頭部には達しておらず、あごすら触れていません。

「もう野球は飽きたな。」

グローブを置いた悠月は、私の横に座りました。

「お前、学校に行かなかった理由は、家で静かに勉強できるためだと思っていました。」

「試験は実力だろ、臨時の勉強なんて無駄だ。」

「それを影豪に聞かせたら大変なことになるぞ。」

「こんなに面白い場所があるとは思わなかった。」

「ここは一般の人には知られてはいけない場所だ。」

「なぜ？彼らは解剖されるの？」

全部説明するのは面倒だし、適当にごまかすことに決めたんだ。

「聞いてくれ、私たちは世界を侵略する悪の集団で、ここは台北の侵略支部だ。もしヒーローに我々の拠点が知られれば、相手は一掃されるだろう。」

「まだヒーローがいるのか！？」

「当然だ、我々は夜になると街のあちこちで激闘を繰り広げている。彼らが邪魔しなければ、この地域は既に我々の領土に組み込まれていた─こんな設定、信じる？」

「ありえる！」

この重度のSFファンはもうどうしようもない。

「言ってみれば、私は子供のころの思い出がよみがえってきた感じ。」

「子供のころ？」

私は驚いて横に座っている悠月に振り返りました。彼女は真剣な表情で私を見つめています。

「お前、ただ数日泊まりに来ただけだろ？何のことを言っているんだ？」

「覚えてないの！？」

感情的になった悠月は立ち上がり、私を驚かせました。

「な、なんで急に怒ってるんだ？」

「…もう帰る。」

眉をひそめている悠月は、スカートの上の埃を払い、急いで外に歩いて行きました。最後に軽蔑的な表情を振り向けながら：

「本の虫！」

前回の涼亭での口論の理由も、この出来事と何か関係があるような気がします。

本当に私は何か大切なことを忘れてしまったのでしょうか？

不思議な気持ちで私は地面に転がっていた小石を手に取り、前方に力強く投げました。

「小僧、こんなに石を一度に投げるのは反則だぞ！」