隣の生徒は戦闘員

【第4章：ヒーロー協会-1】

全身の筋肉が痛い、おそらく昨日の砲撃のせいだ。

もし戦闘服の防護がなければ、今頃は確実に骨折していただろう、なぜ運動選手がスポーツの傷害に重きを置くのかが理解できる。

「山陸、朝食が冷めた。」

いつものように息子にプライバシーを与えない母が、ドアをノックする手続きを省略し、私の部屋のドアを自分から開けた。

「週末の朝、ゆっくり寝ていたいと思うこともあるんだよ。」

「そうですか、じゃあ朝食は片付けます。」

「私今起きます、どうか朝食を片付けないでください」

私は布団を蹴飛ばし、急いでベッドから出た。ベッドのそばに置いていたバッグを誤って倒して、中から本が一冊落ちた。

一番上に置いてあるのは、またあの憎むべき日記だ。

なんと、まだそれを隠していないことに驚いた。

これも仕方がない、この数日間で起きた出来事が多すぎて、そのことを完全に忘れていたからだ。

今回、どこに隠すべきか、本棚とベッドの下のどちらがより隠れた場所だろうか？

「...ちょっと覗いてみよう。」

急に興味を持った私は、まるで危機一髪のゲームの海賊のように、慎重にその皺だらけの日記の表紙に手を伸ばした。

おかしいな、自分のものなのに、なぜこんなに緊張するのだろうか？

決意して開いた私は、何ページもめくり、黃ばんだ紙には思い出と落書きが舞い、ページごとに雑な鉛筆の筆跡が埋まっていた。

その中の1ページで止まり、その中には黒で塗りつぶされたテキストの跡がいくつか見え、それらの横には歪んだ2つの顔が描かれ、その上に名前が書かれていた。

「陳ちゃんと紹ちゃん？近所に住んでいた子供たちだと思う。」

2ページ戻ると、ちょうど日記の一篇で、その中の文を読み上げました。

「今日、●●と一緒に遊びに出かけ、近所に住んでいる紹ちゃんたちと出会った。みんな今日はヒーローゲームをすることに決めた。」

ヒーローゲーム、今はこの言葉に非常に敏感だ。

「みんながヒーローになりたがっているのに、私はモンスターになりたかった。結局、皆にからかわれた、ヒーローと比べて、モンスターのように不屈の努力をすることがかっこいいと思わないのか？」

子供の頃の自分の価値観がこんなにねじ曲がっているとは思わなかった。まるで影豪と同じだ。

「何度倒れても、夢のために立ち上がる、そういうモンスターこそが私の目標だ、今日は負けても悔しいけど、明日は絶対にヒーローを倒して、みんなにモンスターのすごさを知らせるんだ。」

...まずい、なぜか重要なことを思い出しそうだ。

私は数ページをめくり、依然として特定の名前が消されていることに気づいた。

「A作戦を実行するため、私は●●と一緒にたくさんの穴を掘り、紹ちゃんたちを落とし込むよう誘導し、上がりきれなくなった彼らは最終的に泣いてしまった、これがモンスターに対抗することの結末だ。」

子供のころ私はその人たちにいたずらをしていた。仕返しはいじめではないだろう？

「最近、私を見かけると、みんな遠ざかってしまう、なぜだろう？」

理由は非常に明らかだ、お前が人を落とし穴に落としたからだ。

「自称ヒーローの子供たちを倒した後、私は●●と一緒にさらなる偉大な目標を掲げ、世界中のすべてのヒーローを打倒し、一緒に世界を征服することを決めた。」

成長してから幼少期に書かれたものを振り返ると、一定の恥ずかしさが必要だ。

結局、私の世界征服の夢はこの時から始まったのだ。

この●●は一体誰だろう？どうして覚えがないのか？

考えすぎずに、ストレイズを忘れて、通常の生活に戻り、模擬試験を復習しよう。

影豪は学校に再び傷だらけで現れず、林愛紗を危険な事件に巻き込まなくてすむ。

...しかし、これで十分だろうか？

「何度倒れても、夢のために再び立ち上がる...」

─残念ながら、怪人生涯の最後まで戦うことはできないようです。

─俺たちは組織に敗北をもたらすだけの怪人さ。

─最後の戦闘は勝ちたかったんだよ！

怪人たちの言葉が次々に私の頭に浮かび、彼らの後悔と不満が、まるで私が子供の頃のようだった。

「くそ、この胸の中の不安はなんなんだ？」

私は手に持っていた日記を握りしめ、胸に押し寄せる感情を発散しようとした。

久しぶりの感情が、少しずつ私の中で蘇りつつあります。

「まだ... ここで終わるわけにはいかない...」

すべてのヒーローを打ち倒すまで、私は簡単には倒れません。

「なぜなら、私の目標は世界を征服する！」

解散前の最後の戦い、ただヒーロー協会と協議すれば、何か方法があるはずです、影豪にこのことを相談しなければなりません。」

服に着替えた私は階段を駆け降り、椅子を引っ張って朝食を解決しようとしましたが。

「...私の朝食はどこに？」

洗濯カゴを抱えてリビングを通り過ぎたとき、母に尋ねましたが、彼女は冷淡な目で私を見て、軽蔑的に答えました。」

「あなたの父が食べました。」

「えっ？」

ソファでトークショーを観ている親父は、申し訳なさそうに振り返りました。

「ごめんごめん、山陸が食欲がないと思って食べたんだ。」

世界を征服するどころか、自分の朝食さえ征服できないとは思いませんでした。

影豪に電話がつながらなかったため、私は直接ストレイズの基地に行きました。

「ドアは前と同じく閉まっていなかった。最初はそのまま中に入るつもりでしたが、何を言うべきか分からず立ち止まり、最終的には中の状況を覗き見るために扉のすき間から覗くことに決めました。」

怪人たちが意気消沈している場合、私一人が闘志を燃やしても無駄です。

最初に目に入ったのは、体表が滑らかで光り輝くイカ怪で、彼は地面に横たわり、四本の触手がノートパソコンを叩いていました。

「このものはまあまあです、次も悪くありません。次のシーズンで追いかける新しい番組はたくさんですね。」

コモドニはチェス盤の前に座り、粗野な手で駒の一つを掴み、慎重に盤に置いていました。

彼女の対戦相手は、灰色のセーターを着た林愛紗で、彼女の得意そうな表情から判断すると、彼女が優勢である可能性が高いです。

「土替わりしてから、夜が本当に快適に過ごせます。」

甲殼じじはティーポットを持ち、肩を軽く叩きながら、ホホホと愛らしい笑顔でリビングに入ってきました。

「お茶を注いであげる必要がありますか？」

「お願いします。」

「甲殼じじ、ありがとう。」

もう我慢できなくなった私は、ドアを押し開けて中に入りました。

「この平和な雰囲気は何事ですか！？」

私の叫びにより、場にいた皆の視線は一斉に私に向けられ、驚いた表情で何も言えない、林愛紗が代表として質問しました。

「楊山陸、ここで何をしに来たの？」

「それが私が聞こうとしていた質問なのに、なぜここで将棋を指しているのか？」

「家の中でペンキを塗っていて、においがひどいのよ...」

「普通の女子高生は悪の組織の基地でお茶を飲みながらおしゃべりするわけじゃないでしょう！」

「山陸くん、基地内の残りの片付け作業は儂たちに任せて、給料の部分は後で影豪が払ってくれるでしょう。」

「いいえ、私は給料のためにここに来たわけではありません。」

私は喉を清め、できるだけ厳粛な口調で尋ねました。

「昨日のようなことは、あなたたちの望む結末だったのですか？」

コモドニは私の言葉を聞いた後、顔を深く下げて、悲しみと後悔で答えました。

「冗談じゃないわ、受け入れられません！志明は欣怡と付き合うべきです！」

林愛紗も興奮してテーブルを叩きました。

「そう、彼女はアメリカから戻ってきたのよ！」

「いいえ、誰があなたにテレビドラマの内容を教えたのですか！」

昨日、「幸福の絶縁体」のフィナーレだったのか？私は見逃してしまった、しかも他の人にネタバレされてしまった！志明、この恩知らずの野郎！

思考を整理し直し、再び皆に尋ねました。

「ストレイズの怪人よ、あなたたちは本当にヒーローに打ち負かされることを受け入れるつもりですか？」

3人の視線は一斉に私に向けられ、彼らの心を揺さぶることに成功したようです。

「でも、山陸くん... 昨日は最後の戦いだったんだよ。」

「解散まであと5日ほどです、それまでに何とか再び相手と戦う方法を考え出せばいいんじゃないですか？」

「無駄に時間をかけることはやめて、何回戦っても結果は同じよ。」

「ふん、根性のないやつ。」

言葉に刺激されたイカ怪は、床に置かれていたティッシュボックスを手に取り、私に向かって投げつけました。

「もう一度言ってみて！ 2日しかここにいない臨時労働者が、私たちに何を教えてくれるのか！？ あなたは私たちが勝利するためにどれだけ努力したか知っていますか！」

「知らない。」

「小僧、何を冗談言ってるんだよ？」

私はイカ怪の怒りに満ちた目を見つめ、穏やかな口調で答えました：

「私は以前に何を経験し、どれだけ敗北を経験したのかは知りませんが、今から私の指示に従う限り、何の問題もありません。」

「山陸くん、君の意味は？」

「私はあなたたちのために、4日間のヘルトレーニングを設計し、その訓練を受ければ、あのくそヒーローどもに打ち勝つことができます。」