[総ルビ]私たちだけ24時間オンライン生産生活

４０．ステ確認

◆４０．ステ確認（かくにん）

　十六日（にち）目（め）。ゲーム内（ない）時間（じかん）で３８０年（ねん）五月（がつ）十六日（にち）。

　年号（ねんごう）はホイップ記念（きねん）暦（れき）とかいう年号（ねんごう）だった。月日（つきひ）は現実（げんじつ）と同（おな）じ。

　今（いま）は五月（がつ）。北（きた）半球（はんきゅう）準拠（じゅんきょ）で春（はる）の暖（あたた）かい日（ひ）が続（つづ）いている。

　村（むら）にいたときは気（き）にしなかったけど、曜日（ようび）も現実（げんじつ）準拠（じゅんきょ）で今日（きょう）は水（すい）曜日（ようび）だ。

　日本（にほん）では日（にち）曜日（ようび）はお休（やす）みで街（まち）に出（で）かける。

　この町（まち）では日（にち）曜日（ようび）はお店（みせ）もお休（やす）みでほとんど開（ひら）いていない。

　ギルドと宿屋（やどや）は例外（れいがい）だそうだ。

　私（わたし）たちは前（まえ）の日（にち）曜日（ようび）はブドウ狩（が）りをしていたので、実際（じっさい）には見（み）ていない。

　ヒカリちゃんたちと警（けい）ら隊（たい）は、前（まえ）泊（と）まっていた宿（やど）をお勧（すす）めしておいた。

　ちなみに現実（げんじつ）時間（じかん）ではちょうど夏休（なつやす）みで三日（みっか）目（め）の二十三時（じ）ごろだ。

　そろそろ現実（げんじつ）時間（じかん）で夜中（よなか）になるので、リアルお休（やす）みタイムだった。

　逆（ぎゃく）に廃人（はいじん）たちは、今（いま）からの時間（じかん）がコアタイムで、今日（きょう）にもデルタ町（まち）に押（お）し寄（よ）せてきそうだ。

　ちょっとステータス確認（かくにん）をしてみる。

　プレイヤー：ミケ

　種族（しゅぞく）：猫耳（ねこみみ）族（ぞく）

　Ｌｖ：８

　ＨＰ：１４０／１４０

　ＭＰ：１８０／１８０

　装備（そうび）

　　ウサギさん帽子（ぼうし）(白（しろ）)

　　青銅（せいどう）の杖（つえ）

　　初心（しょしん）者（しゃ）のローブ

　　初心（しょしん）者（しゃ）の靴（くつ）

　　ドングリ風（ふう）の木工（もっこう）ペンダント

　スキル

　　マジックボール：Ｌｖ５

　　アイスブリーズ：Ｌｖ３

　　ファイアショット：Ｌｖ２

　　ヒール：Ｌｖ２

　　槍術（そうじゅつ）：Ｌｖ１

　　防御（ぼうぎょ）：Ｌｖ１

　　薬師（くすし）：Ｌｖ５

　　料理（りょうり）：Ｌｖ５

　　採取（さいしゅ）：Ｌｖ３

　　園芸（えんげい）：Ｌｖ２

　　釣（つ）り：Ｌｖ２

　　錬金（れんきん）術（じゅつ）：Ｌｖ１

　　魔力（まりょく）操作（そうさ）：Ｌｖ１

　ヒールは結局（けっきょく）それほど使（つか）っていないので、あんまり伸（の）びていない。

　戦闘（せんとう）後（ご）に、じっとしたり、座（すわ）ったりして休憩（きゅうけい）すると、自然（しぜん）回復（かいふく）量（りょう）が増（ふ）えるみたいで、がっつり連戦（れんせん）しなけば、背伸（せの）び狩（が）りをしない私（わたし）たちはＨＰ、ＭＰともに危険（きけん）域（いき）まではいかないのだ。

　クルミは槍術（そうじゅつ）と木工（もっこう）のレベルが高（たか）い。

　サクラちゃんはシールドバッシュと防御（ぼうぎょ）と絵画（かいが）のレベルが高（たか）い。

　たぶん。

　私（わたし）たちは、そう、農（のう）作業（さぎょう）。

　生産（せいさん）プレイはするつもりだったけど、農業（のうぎょう）は想定（そうてい）していなかった。

　雑草（ざっそう）あらため太陽（たいよう）草（そう）を収穫（しゅうかく）する。鎌（かま）を借（か）りて作業（さぎょう）した。

　私（わたし）が調薬（ちょうやく）する分（ぶん）を除（のぞ）いて、全部（ぜんぶ）農業（のうぎょう）ギルドに売（う）り払（はら）う。

　一度（いちど）畑（はたけ）を耕（たがや）し直（なお）したあと、太陽（たいよう）草（そう）の種（たね）を植（う）え直（なお）す。

　文章（ぶんしょう）にしたら数行（すうぎょう）だけど、かなり大変（たいへん）で時間（じかん）もかかった。

　戻（もど）ってきてお昼（ひる）ご飯（はん）にする。

　午後（ごご）は、ちょっとお出（で）かけをする。

　この町（まち）には地下（ちか）採掘（さいくつ）場（じょう）がある。

　鉱山（こうざん）みたいになっていて、石（いし）や鉄鉱（てっこう）石（せき）などさまざまな鉱物（こうぶつ）が取（と）れる。

　リアルなら普通（ふつう）、色々（いろいろ）取（と）れなくて決（き）まっている物（もの）が取（と）れるけれど、ここでは違（ちが）うらしい。

　生産（せいさん）ギルドに行（い）き、普通（ふつう）のツルハシを購入（こうにゅう）した。２，５００セシルだった。

　私（わたし）たちは、まだ誰（だれ）も鍛冶（かじ）スキルを取（と）っていないけれど、ブラスミ君（くん）もいるし、ちょっとやってみようということになったのだ。

　さっそく南西（なんせい）にある採掘（さいくつ）場（じょう）に行（い）く。

　ここも領主（りょうしゅ）の持（も）ち物（もの）で、特（とく）に入場（にゅうじょう）料（りょう）とかは取（と）られなかった。

　係員（かかりいん）とあと近（ちか）くに小（ちい）さな男（おとこ）の子（こ）がいた。

「お姉（ねえ）ちゃんたち、初（はじ）めてだろ？　俺（おれ）の地図（ちず）買（か）ってくれよ。三人（にん）で一枚（まい）共有（きょうゆう）で、５００セシルだぜ」

　ふむふむ。坑道（こうどう）内（ない）の地図（ちず）を販売（はんばい）しているらしい。

「中（なか）で迷（まよ）ったら戻（もど）ってくるの大変（たいへん）だぜ。かなり入（い）り組（く）んでるから、地図（ちず）を持（も）たない奴（やつ）が毎年（まいとし）何人（なんにん）か、行方（ゆくえ）不明（ふめい）になって騒（さわ）ぎになるんだ」

　私（わたし）たちは忠告（ちゅうこく）に従（したが）って購入（こうにゅう）を決（き）める。

「分（わ）かったわ。一枚（いちまい）頂戴（ちょうだい）」

「まいどあり」

　地図（ちず）は上層（じょうそう）部（ぶ）のみ記載（きさい）されていて、どこらへんで何（なに）が取（と）れるか大（おお）雑把（ざっぱ）に書（か）き込（こ）みがあった。

　どういう理屈（りくつ）かわからないけど、購入（こうにゅう）したらゲームのマップ機能（きのう）と連携（れんけい）されて、マップ側（がわ）にこの地図（ちず）が表示（ひょうじ）されるようになった。

　これなら、地図（ちず）を持（も）っていて迷子（まいご）になるというダメなことにならなくて、気（き）が利（き）いている。