23.ボス討伐

◆23.ボス討伐とうばつ


 もりなか採取さいしゅしながら移動いどうしたら、無駄むだ薬草やくそうが百ほどあつまった。

 タンポポそう無駄むだに、三十ほどあつまった。

 ほかのパーティーのひとはタンポポそうらなかったそうで、おしえてあげたらアイテムも普通ふつう表示ひょうじになった。


 分配ぶんぱいとかどうしよう。


 もうすぐ夕方ゆうがたで、おくほうまできたので、かえすコースにする。


 てきてくるそばから前衛ぜんえいぐみがやる十分じゅうぶんりつけるので、すぐわって、後衛こうえいぐみひまだった。


 半分はんぶんまでかえしてきたとき、オオカミがでてきた。

 しかし今回こんかいは一ぴきではない。ひ、ふ、み、とかぞえる。

 そして一ぴきあきらかにおおきい。全部ぜんぶでまた七ひきだ。


 アルクさんが指示しじばす。


たぞ。ボスだ。前衛ぜんえいれ、うしろにけさせるな」


 アルクさんの大盾おおたてと、短剣たんけん両手りょうてけんひとひだり前方ぜんぽうかためる。

 隙間すきまなくその右側みぎがわを、クルミのやり、サクラちゃんの大盾おおたてならんで防御ぼうぎょせんつくった。


 オオカミの集団しゅうだんは、全部ぜんぶまえからあらわれたので対処たいしょがしやすかった。かこまれていたら防御ぼうぎょむずかしい。


 コマチさんは、てきけてきたときの保険ほけんだ。

 なお武器ぶきは、両手りょうて短剣たんけん二刀にとうりゅうのようだ。

 片方かたほうすこびているので、プリンさんだろう。


 オオカミもならんで、様子ようすをうかがいつつ、わるわるに攻撃こうげき仕掛しかけてくる。

 んできたオオカミを、けんやりとで、攻撃こうげきする。


 たまにてきとのタイミングがわず、オオカミの突撃とつげきけてしまう。

 すぐにうしろからヒカリちゃんのヒールがんでくる。


 短剣たんけん使つかいのひとが、ボスのオオオオカミの突撃とつげきけて、うしろにたおされて、のしかかられた。


『ガルウゥ』


 オオオオカミが一鳴ひとなきする。


 わたし魔法まほうしょくひとがすかさず、マジックボールをたたんだ。

 すぐあとにコマチさんが短剣たんけん連続れんぞくりを披露ひろうして、ボスにダメージをわせたとおもう。

 ボスはさすがに後退こうたいしていった。


 のこされたのは、たおれた短剣たんけんひと、アリクイだ。

 HPの表示ひょうじは13/108まだのこっているがにそうだ。


 ヒカリちゃんがすぐに、なにやらながめの詠唱えいしょうはじめる。


「ヒカリののもとに、かみ御使みつか天使てんしいやしのちからわれさずけたまえ、ヒール」


 ちょっとずかしいけど、かっこいい。

 ロールプレイングってかんじがする。


 ちょっとまって!

 なにか、一かいのヒールで、アリクイさんのHPがぜん回復かいふくした。


 わたし回復かいふくりょうは10HP。ヒカリちゃんの回復かいふくりょうは100HPくらいあることになる。


 アリクイさんも、あたまを二かいるとがって、前線ぜんせん合流ごうりゅうしなおした。


「いまのなに?」

あと説明せつめいするね」


 回復かいふくできない敵側てきがわが、じわじわHPをらしてきている。

 わたしもいままでかくしていたけれど、アイスブリーズをとなえて、てきあしめる。


 すかさず魔法まほうしょくのシロガネさんからみがはいった。


「マジックボール以外いがい攻撃こうげき魔法まほうなんて、らないっすよ。このチームどうなってるんすか」


 足止あしどめしたところを、クルミはじめ前衛ぜんえい全力ぜんりょく攻撃こうげきする。

 きのHPが次々つぎつぎに0になっていき、ついにボスのみになった。


 アイスブリーズの氷結ひょうけつ攻撃こうげきは、ボスにはかないようだ。


「よし、このままる」


 アルクさんが、ボスにシールドバッシュをめ、ボスが後退こうたいして一瞬いっしゅん硬直こうちょくした。

 そこを全員ぜんいん一斉いっせい攻撃こうげき最後さいごはクルミがやりの三連撃れんげきをお見舞みまいして、てきたおれた。


 戦場せんじょうはなくなり、いきなりしずまりかえった。


「やりましたわ」


 サクラちゃんが一人ひとりつぶやいた。


「「うおー!」」


 けいたいのメンバーもかちドキをげた。


 ドロップアイテムはと。

 オオカミは、普通ふつうおなじ。

 オオオオカミからは以下いかとおり。


 ・オオオオカミの毛皮けがわx5

 ・オオオオカミのつめx5

 ・オオカミのにくx5

 ・おなかなかいしx5


 いし? はなに使つかうんだろう。とく説明せつめいはなかった。

 ドロップアイテムがユーザーすうれないので、わたしたち二つ、けいたい二つ、ヒカリちゃんたちが一つの割合わりあいになった。

 こういうとき定石じょうせきは、アイテムをもらひとがそのぶんもらわないひとにおかねはらって、均等きんとうにするのが、普通ふつうだそうだ。


 アルクさんがはなす。


「ところで、ドングリのひとたちは、初見しょけん魔法まほう使つかうわ、武器ぶきもなんかいいの装備そうびしてるみたいだし、どうなってるんですかね」

「えっと、それは……秘密ひみつです」

「ぜひ説明せつめいを! 秘密ひみつにするって約束やくそくしますから、おねがいします!」


 結局けっきょくわたしは、アルクさんの気迫きはくにまけた。

 ボノックじいさんと、氷結ひょうけつつえについて、説明せつめいしたよ。

 つえについては、魔法まほう使つかいのシロガネさんにして、アイスブリーズをおぼえさせてあげた。


北東ほくとうもりのエリアボス「オオオオカミ」が討伐とうばつされました。ゲームない時間じかんで二週間しゅうかんよるもりのオオカミがれなくなります。』

 このシステムメッセージは、ぜんユーザーに表示ひょうじされたらしい。


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