16.白魔法師ミケ

◆16.しろ魔法まほうミケ


 わたしたちはつづ草原そうげんりしながら移動いどうしていた。

 しばらくすると、ちかところで、ソロプレイヤーの金槌かなづち使つかいがプリンとたたかっている。


 ちょっとつらそうだな。わたしはそうおもっていた。

 とく応援おうえん要請ようせいもないので、わたしたちはそれをながめている。

 男性だんせいひくいようで、あれはドワーフだろうか。


 すると、プリンが魔法まほうはなってそのプレイヤーはたおれてしまう。

 どうても死亡しぼうである。


「ちょっと、んじゃった。てくるね」


 わたしちかづいてこえける。


かえらせましょうか?」

「う。おねがいします」


 プリンはすでにこちらにターゲットをえてきていたので、サクラちゃんに相手あいてをしてもらう。


 わたしははじめて手持てもちの「初心しょしんしゃ復活ふっかつやく」というものをした。


可愛かわい猫耳ねこみみさん、ありがとう」

「いえいえ! そういえば、猫耳ねこみみだった。わすれてた」


 わたしはすぐに目標もくひょうをプリンにえて、マジックボールをたたんでやっつける。

 数回すうかいでやっつけると、武器ぶきをロザリオに変更へんこうして、ドワーフくんにヒールをける。


「ヒールも使つかえるんですね。かっこいいです」

「ちょっとひろものしまして」


 しかしわたしのヒールりょうはまだ10しかない。何回なんかいける必要ひつようがあった。


本職ほんしょくじゃないので、回復かいふくりょうすくないみたいです」

「なるほど。でもたすかりました。不味まずいポーションまなくてすんだので」

「そりゃそうですね」


 かれはまだはじめたばかりで、攻略こうりゃく情報じょうほうとかもていなかったようだ。

 前回ぜんかい戦闘せんとうでは、ぎりぎりでプリンをやっつけて不味まずいポーションをんで回復かいふくしたらしい。

 かれ名前なまえは「ブラスミ」くんだそうだ。

 ああ、ブラック・スミス、すなわち鍛冶かじ職人しょくにんりゃくですね。

 まだ、鍛冶かじになる方法ほうほう不明ふめいだ。


 せっかくなので、パーティーにれて、四にんたたかってみる。

 プリンせんでは、あまりやくたないけれど、ウサギせんでは活躍かつやくしてくれた。

 ハンマーは結構けっこう火力かりょくたかいのだろうか。


「なるほど。たてしょくがいるとらくなんですね」


 げん段階だんかいでは、プリンせん防御ぼうぎょたて有利ゆうりだ。

 しばらく、いつものかんじプラスおまけみたいにして、戦闘せんとうつづけた。

 わたしはウサギせん時間じかんでは武器ぶきをロザリオにして回復かいふく使つかってみた。


 途中とちゅうなかいたので、ウサギの干肉ほしにくをブラスミくん提供ていきょうする。


美味おいしい! 携帯けいたいしょく不味まずいんですよ。たすかります。しょく生活せいかつ大事だいじさを実感じっかんするゲームです」


 なんかブラスミくんをすっかり餌付えづけしてしまったみたいで、好感こうかんがっているようだ。


ぼくいとかと一緒いっしょはじめたらかった……」


 オープンベータは、かなりの人数にんずうれる予定よていらしいが、ログインは人数にんずう制限せいげん抽選ちゅうせんたらないと、はじめられない。

 もっとも、運営うんえいはパーティーを重視じゅうししているらしく、友人ゆうじん一緒いっしょ抽選ちゅうせん参加さんかできる仕組しくみがあった。

 ただ、VRギアも高価こうかだし、なかなかしにくいのが現状げんじょうだろう。


「もしよければ、ぼく固定こていパーティーにれてくれませんか? おねがいします」

わたしたちはちょっと事情じじょうがあって、固定こていれるのはむずかしいとおもう」

「そうですよね。女性じょせいパーティーにれてくれなんて図々ずうずうしいですよね」

「そういうのとはちょっとちがうんだけどね。まあいろいろと……でも、フレンドくらいならいいよ」

「ぜひに!」


 わたしたちはフレンド登録とうろくをして、夕方ゆうがたわかれた。

 かれるのでログアウトするそうだ。現実げんじつではそのうち朝方あさがたかな。

 普通ふつうひとの二ばい活動かつどうできるので、トップを独走どくそうということもできる予感よかんだが、生産せいさんけい効率こうりつからするとそれほどLvはたかくならないので、だい丈夫じょうぶだろう。そうしんじたい。


 ペンダントは全部ぜんぶれたようだ。

 トラニーくんからげのやく60,000セシルをる。

 また、ウサギの毛皮けがわを三十二って3,200セシル増加ぞうかだ。

 残金ざんきんは72,500セシルになった。


 村長そんちょういえたずね、ウサギにく三十二干肉ほしにく(しお胡椒こしょう)x16と干肉ほしにく(しおハーブ)x16に加工かこうする。

 いつもの宿屋やどやまり、今日きょうもクルミたちはペンダント製作せいさくをする。

 わたし読書どくしょとwikiと掲示けいじばんとweb情報じょうほうまわった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る