15.初レアドロップ

◆15.はつレアドロップ


 ゲームない時間じかん五日いつかあさになった。

 ゲームない時間じかんで九十時間じかん経過けいか現実げんじつで十五時間じかん経過けいかだからいま午前ごぜんごろだ。


 結局けっきょく昨夜さくやうちに、クルミは星形ほしがたペンダントを三つ、サクラちゃんはウサギペンダントを四つつくっていた。

 なお、秘密ひみつりたいので、作成さくせいしゃ情報じょうほう削除さくじょしてある。

 削除さくじょできるのは作者さくしゃだけだ。


 ●星形ほしがた木工もっこうペンダントx3

  五芒ごぼうせいかたちられたのペンダント。まだ粗削あらけずりだがそこがいい。

  種別しゅべつ:アクセサリー(ペンダント)

  レア:4  ランク:2

  攻撃こうげきりょく:2

  魔攻まこうりょく:2

  命中めいちゅう:2

  耐久たいきゅう:20/20


 ●ウサギのペンダントx4

  かわいらしいデフォルメのウサギがかれたのペンダント

  種別しゅべつ:アクセサリー(ペンダント)

  レア:4  ランク:2

  防御ぼうぎょりょく:2

  魔防まぼうりょく:2

  回復かいふくりょく:2

  回避かいひ:2

  特殊とくしゅ効果こうか:ウサギがたモンスターとのエンカウントりつ上昇じょうしょう

  耐久たいきゅう:20/20


 正方せいほうけいのかまぼこいたみたいなのにウサギのいてあるだけなのだけど、絶妙ぜつみょうなバランスのかおで、ニンジンをかじっている。


 これはれる。わたしことミケは確信かくしんした。


 あさから雑貨ざっかのところにいき、トラニーくんりてくる。

 ペンダントの値段ねだんについては、星形ほしがたが5,000セシル、ウサギが4,000セシルにしてみたけど、ユーザーの反応はんのう交渉こうしょう次第しだいということにした。

 そのへんはトラニーくん判断はんだん一任いちにんした。


今日きょうは、ペンダントとあとウサギの干肉ほしにくもおねがいね」

「おねえちゃん。わかりました。全部ぜんぶれるように頑張がんばるね」

「おねえちゃんってもう一かいって!」

「なあに? おねえちゃん?」


 おとうととかいないから、おねえちゃんってわれるの新鮮しんせんだわ。

 干肉ほしにく百七十りさばいてもらおう。

 自作じさくするひとてきたので、値段ねだんは180セシルで様子ようすげてもいいとっておいた。

 あといくつか試食ししょくようにするように指示しじをしておいた。

 わたしたちは、はなれたところからきをチェックする。


 かげから見守みまもったところ男女だんじょのカップルとおぼしき二人ふたり星形ほしがたを一つ購入こうにゅうしていった。

 かんじでは、男性だんせい片手かたてけん女性じょせい回復かいふくやく魔法まほう使つかいのようだ。


 広場ひろばに、堂々どうどうきゃくのふりをしてはいっていき、ほか露店ろてんともる。

 おとなりさんの露店ろてんは「ウサギの干肉ほしにく(あじなし)」を三十ほどならべていた。

 ちょっと試食ししょくさせてもらったけど、おにくあじはするけど物足ものたりないかんじだ。


 となりのユーザーはこういっていた。


いまからしおっても、くっつきません。それにトラくん塩味しおあじ試食ししょくしちゃうとやするしかないですね。手間てまもバカになりません」


 トラくんいたところ、にんのふりをして接客せっきゃくしてくれた。

 情報じょうほうとしては、さきほどカップルが星形ほしがた定価ていかってくれたが、女性じょせいぶんまでは資金しきんがなく、えなくてがっかりしたとっていた。


 わたしたちは、広場ひろばあとにして草原そうげんかった。


 ウサギは、サクラちゃんとクルミ担当たんとうだ。

 わたしおもにプリン担当たんとうになった。


 かなり戦闘せんとうをしたあと、あるプリンの戦闘せんとうで、めずらしいものがてきた。

 アイテム「ぎんのロザリオ」がドロップしたのだ。


「えー。これって、プリンが冒険ぼうけんしゃべてそれがてきたってことかな?」

「たぶん、そういう設定せっていだとおもうよ」

「プリンって結構けっこうこわいのですわね」


 ●びたぎんのロザリオ

  ぎんでできているがプリンにべられてびているロザリオ。まだ使つかえる。

  種別しゅべつ武器ぶき(ロザリオ)

  レア:3  ランク:2

  魔攻まこうりょく:4

  回復かいふくりょく:8

  回避かいひ:2

  耐久たいきゅう:40/100


「これ、しろ魔法まほう装備そうびだね。ちょっと装備そうびしてみるね」


 わたし初心しょしんしゃつえをストレージに収納しゅうのうして、かわりにロザリオを装備そうびした。

 スキル「ヒール:Lv0」と表示ひょうじされていた。まだかり習得しゅうとくなのだろうLvが0だ。

 武器ぶきとスキルはべつことなっていても問題もんだいないが、初期しょきスキルを習得しゅうとくする手段しゅだんが、その武器ぶき装備そうびするくらいしか、いまところない。


「ヒール」


 ロザリオを両手りょうてつつんでち、いのるようにヒールをとなえ、サクラちゃんを回復かいふくさせてみる。

 サクラちゃんのちょっとだけっていたHPが10回復かいふくしたようだ。


「おー。使つかえるー。これで不味まずいポーションまなくていいぜ!」


 よろこんだのはクルミのほうだった。


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