雪のように白い姫
おもちくん
第1話
とある国に魔法の鏡を所有した王妃がいた。王妃は鏡に質問をし、あらゆる事象を知っていた。ある日、いつものように娘の幸せを願って鏡に質問をする。
「鏡よ鏡、鏡さん。私の愛する白雪姫は誰と結婚するのでしょうか。白雪姫は幸せになれるのでしょうか」
王妃がこの質問をしたのには訳があった。王様と王妃様は決して愛し合っていた訳ではなく、国の都合で結婚をしたのだ。王妃は自分の娘には幸せをつかんで欲しかった。結果、鏡が答えた答えは少なくとも王妃の望むようなものではなかった。そして王妃は鏡に質問を続ける。
「どうすれば白雪姫は真に愛する人と結ばれるのでしょうか。どうすれば私の娘は幸せをつかめるのでしょうか」
鏡は答えた。
「思い上がるな、私を手にしただけの小さき人間。未来を願いの通りに変えるのは容易ではない。蝶が羽ばたけば遠くの街で竜巻が起きる。世界とはそういうものだ」
王妃は絶望した。何とか方法はないのかと鏡にすがる。すると鏡の中の王妃は悪い笑みを浮かべて言ったのだ。
「その首を刎ねられる覚悟があるのなら、そこに至るための道筋を教えてやらんこともない」
雪のように白い姫 おもちくん @tarosei
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