第2話 猫だって興奮する?
つくづくついてないぜ。その日は昼から小雨が降りしきり、その雨はやがて豪雨に変わっていた。
つ、冷たい!! ダンボールから浸透してきた水が俺の身体から体温を奪う。猫が風邪を引くのか分からないが、このままでは病気になってしまう。逃げ出したい。しかし、この雨の中無理に動いても、雨宿りできる場所が見つかるか分からない。ここは雨が止むのを待って移動した方がよさそうだ。
俺が震えていると突然、たたきつけていた雨音が止まった。いや、正確には雨が降る音は聞こえるが、俺は不思議に思いダンボールから首を出してあたりを見渡した。
「猫ちゃん、ごめんね! 遅くなって……」
そこには傘をさした制服姿の由奈がいた。
「寒いよね、風邪引いちゃうよね」
濡れるのも構わず俺を持ち上げ胸に抱く。嘘! 由奈のいい匂いと胸の柔らかさで昇天しそうだ!!
「君、なんて名前なのかな? うーん、捨て猫だから名前はないか。じゃあ、康二くんから康を取ってコウちゃんって、どうかな?」
俺が嬉しそうににゃーんと鳴くとそのまま由奈は歩き出す。へっ、もしかして飼ってくれるの?
「パパはきっと飼っていいと言ってくれると思うけど、ママは動物嫌いだからなあ」
震えるほど寒いが、由奈に温められて気持ちよかった。
転生して良かった……。て、それはおかしいか。本来なら由奈と付き合えたかもしれなかったのだ。それに母親が捨ててきなさいと言うかもしれないしな。
俺が自問自答していると、由奈の家の玄関にいた。
「今日から、ここがコウちゃんの家だよ」
由奈は俺を見て、ニッコリとほほ笑んだ。俺はなんて幸せ者なんだ。
「ママはまだ帰ってこないから、先にシャワー浴びよっか」
へっ!? 俺は今の状況を理解しようとした。えっ!! ええええええ!!!!
もしかして由奈と一緒にお風呂!? そ、それは、すばら……、いや、ここここ、コンプライアンス上の問題があるだろ!!
俺が焦っている間にも由奈は俺を抱いて脱衣所に入り、目の前で制服を脱ぎ始めた。
ちょ、ちょ、ちょちょちょちょ、やばいでしょ。男の前で脱ぐなんて……。由奈はブレザーに手をかけ、ホックを外していく。そんな、心の準備が!! 俺は慌てて目を瞑るが、衣擦れの音がかえっていやらしい。由奈の衣服が脱衣カゴに落ちる音を聞き、我慢できなくなって目を開けると由奈はネクタイに手をかけていた。
ちょっと待って……。ダメだよ、それは……。
止めようと声を出したが、ニャーンと言う声が出ただけだ。て言うか俺、本当に猫なの!?
そのままネクタイを外すと、スクールシャツに手をかける。俺が食い入るように見ている目の前で由奈がボタンを外していく。や、やばい。スクールシャツの下には夢にまで見たはちきれんばかりの大きな胸。
猫だから見ていいんだよな。俺はやがて由奈から目を離せなくなっていた。
手がスカートに伸びていく。い、いけない。由奈が裸になってしまう。そうしている間にも由奈はホックに手をかける。ゴクリ……。そのまま、スカートが地面に落ちる。う、うわあああっ、す、素晴らしい!!!!
純白のパンティを凝視していると、由奈の手は胸に移動しブラジャーのホックに手をかけた。ほ、本当に見ちゃっていいの。いくら好意を抱いてくれたって、盗み見るような行為はダメだよね。
俺は慌てて目をつぶった。こう言う卑劣なことはダメだ。
これで由奈の裸を見ることはできない。そう思っていると、いい匂いと共に背中に感じる柔らかな感触。な、なんだ、この柔らかさは……、もしかして、俺、今、由奈に抱かれている!?
こ、これやばすぎるでしょ。
俺のアレは確実に勃起していた。
――――――
「ちょっと逃げちゃダメだって!」
由奈は俺の身体を洗い出した。気持ちいいけど、正直これはやばい。
見ないように気をつけているが、産まれたままの姿の由奈が俺を洗っている、と思うとドキドキが止まらない。
身体全体を洗い終わるとシャワーをひねる音が聞こえた。気持ちいい。泥と一緒に身体についた石鹸が流れていく。
「ちょっと、待っててね!」
由奈はそう言うと、今度は自分の身体を洗いだした。や、やばい……。俺は耐え切れず目を開けると破壊力抜群のお尻が目に飛び込む。
俺は再びぎゅっと目を瞑った。
見ちゃいけない。俺がもがき苦しんでいると脱衣場から声がした。
「あれ、由奈お風呂入ってるのか?」
もしかしてこの外人特有のイントーネーションはお父さん!?
それって、ヤバくないか!?
――――――
二話です。
いかがでしょうか?
結末までのストーリーはできております。
今後とも応援よろしくお願いします。
あと、常連の方本当にいつもありがとうございます。
ここで礼を言っておきますね。
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