第48話サクラソウのロボット

西日に消える、幻をロックンロール

蹴り飛ばした明日に、消せない傷が、キスのあざに泣いている。

あざとい君は、静かに笑う。

故郷なきグラス

クラス一かわいい、飛びっきりの笑顔が、飛んでいる鳥の翼に奏でる思い出はないけど、思い出すんだよ。

君の優しい唇が、ぴらっと咲いた桜草のように、唇から孵化したアゲハ蝶が、飛んでいく。

幻は消えない。

キスの後は消えても。

手を開いてくれ、僕の愛を受け取ってよ。と言ったら、君は白けた顔をして、そっぽを向くから、悲しい気持ちになって、土手沿いのあぜ道を、走る、自転車の後ろには、軽い鼻歌。

軽すぎる腰が、ヒップラインに滑るなら、滑っていく滑り台の上で、待っているよ。

君の話を聞いていると、なんだか眠くなってくる。

明日の悲しみを数えて、消していくのは、君の笑顔があればそれでいいんだ。

後ろから抱きしめたら止まってしまった時間に、放課後の恋が、路端の桜草に見つかるから、軽くハミングをして、唇をすぼめると、まるで花びら、繊細な。

キスのためらいの一瞬止まった蝶が、僕の声を風に流すから、流れる乱れ髪に、指を入れて、トキメキを囁いたあの頃の、君の仕草は、素敵な幻。

とりとめのない話をかわして、すっとよける泥の撥ねる音に、ぴくっと動いた君の眉毛に、そっと触れたいと願った青春の惑いが、今、こうして、僕の後ろのサクラソウのロボット。

まだだよ

隠れないで

でてきてよ。

いいよ。

腕を前で組んだ君の小首を傾げた仕草に、あどけない少女を見て、フォトグラフに閉じ込めた、押し花をして、君の笑顔を重ねると、なんだか、おかしな笑いが起こって、僕はきりきり舞いの気分で、舞うように、空を行く、君の軽やかな足取りにむしろオシドリ夫婦になんて言ってみたら、君ははにかんで、照れたように、「バカ」というから、僕は、うれしくて、かけがえのない今を生きていきたいと願った二人の時間に、遮るものなんて戸惑いしかないと言った。

君のフェイスラインに、込めるように、愛を込めると、君に手作りのお弁当を食べたいと言って、君は料理は苦手と言いながら、そっと、僕のために作ってくれた恋の味がしたキスを求めるなら、サクラソウ、そういうことなんだよ。恋っていうやつは。

思いがけない街角で、すれ違う時、夢がポップのようにはじけても、愛を抱く心が、あれば、恋人は生きていけるんだ。恋人と一緒にね。

誰も一人きりじゃつらいから、手を握りたい。

でもね、そういうことは、とりあえずほっておいて、空に雲の数を数えている。

青春は、遠いけど、近づいた思い出の影に、あなたのような女性がいてくれたら、サクラソウ。サクラソウ。幸せじゃないか。

あははッと笑って、あっけらかんとしている君は、僕の大切な初恋のような女の子なんだ。

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