第31話ルビーホワイト
斬新なファッションに身を包んだガール
最新のコーディネイト、初々しいコート
もう夏が終わる。
ショップには、秋の服が並んで、待ちきれない出会いに張り裂ける胸を抱いたボーイズ&ガールズ
ルビーの色をしたカラーヴァリエーション
ホワイトにした口紅に、シュールな近未来の情景
出会うはずのない二人に、花束をささげるティッシュ配りの女が、プードルのリードを握った淑女の手袋の香水の香り。
指を差した交差点の子供が、赤信号を待たずに進む、帰り道。
着せ替え人形のドールに、ショーウィンドウに吹きつける風。
待ち遠しいようで遠い秋がそこまで来ている。
振り返らないでって言った女のパットの入った80年代風の服に、スピーカーから流れる夢のような音楽。
ビートミュージック
シャレた街の片隅で、うずくまる家のない少女の恋が、金じゃ変えない出会いを待っている。
希望が鳥のように空を飛べば、飛行船が空を渡る。
ルビーとホワイトの日に燦燦と降る日差しに弱まる太陽の気配が、恋を励ます偶像の老人。
まだ、僕らの夢は終わらない。
でも、夏が終われば、恋は終わるという。
日傘を閉じたビーチで、一匹の犬が、走っている。
大きな声で言いたいなと言った。車の中で。
抱きしめ合うことのない街頭のエンジェルが、翼を閉じる前に、空から降りてくる
奇跡じみた謎かけに、溶けない知恵の輪が、絡まって、いっぱいいっぱいのワークウーマンが、その手に持った交通整理の棒を投げる時、受け取る夢は小さくても、電光掲示板に映る影に、あの日の自分を見つけた。
笑顔になって、緑が紅葉しないかな。
そうすれば、きっとうるさいガキも消えるのに。
何ていうワンシーンが街に光れば、ビートミュージックにかけがえのない宝物を見つける。
さようならと言って別れた子供の大人になるまでの青春は、街の中で秘める心のワーミーな独り言
消えないで私の夢。
消えないで僕の幻。
そして今日も、街には車が走っている。
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