物語の世界と現実の世界を生きている

小説を書いていくうえで大事なのは書き始める前の気持ちだと思っている。


心が穏やかで頭の中もスッキリして体も軽い、そんな時は小説を書きたいという欲がむくむくと湧いてくるし、こんなこと書きたいなというアイディアが出てくる。


でも「書きたい」と思った瞬間に書けないこともしばしば。

現在、6歳になったばかりの息子が夏休み真っ最中で、幼稚園があっている時ほど執筆時間をとれなくなった。

さらに掃除や炊事などの家事も毎日絶え間なくあるのでそちらに時間をとられて執筆時間を取り損ねてしまうこともある。


息子よりも小説が大事なのか!?

……というのは、また別の話である。

(どちらが大事かと問われたら息子と答えるが)


たしかに少し前は執筆の時間がとれないことにイライラしてしまっていたが、最近は「息子といる時間は息子と過ごすことに集中する」「息子がテレビを見ている間は執筆に集中する」などマルチタスクにならないように気を付けている。


話が横道に逸れてしまったので、話を戻すと「書きたい」という気持ちになった瞬間を逃すと、いざ書ける時間ができた時に頭の中になにも浮かばないという時があるのだ。


現実世界を生きながら物語の世界へ行くとき。

物語の世界に入りながら現実世界へ戻ってくるとき。


どうにも私はこの切り替えスイッチが難しい。


特に前者が難しい。


今書いている小説は泳げない人魚の女の子が、泳ぎの美しい男の子に出会い泳ぎを教えてもらうという話だ。


人魚の女の子が自分の住んでいる世界で他の人魚たちに馬鹿にされる、孤独や生きづらさを感じるというシーンを書いていた。


けっこうさらさらと書けていた。


けれど、夕方、息子をお風呂に入れなきゃ!となんとかキリをつけて離脱。


次の日「よし続きを書こう!」と意気込んでパソコンを開いたら「……あれどうした」というくらい手が動かない。


何秒か前までクイックルワイパーで床を拭いたり、「そろそろ着替えたら?」と息子に着替えを促たり、現実世界で子育て中の主婦を生きていたのだから、海の底の底、人魚の世界へと飛んでいくのには時間がかかるのかもしれない。


この「物語の世界へ飛んでいくまでの時間」を短くしたい。

そうすれば、執筆スピードも上がる。


何が言いたいかというと、私は小説家モードになれるスイッチが欲しいのだ。


よく耳にするのは「自分の小説や漫画に合わせた音楽リストを作り、それで気分を盛り上げる」というもの。

これは取り入れていきたいと思っている。

(ちなみに今書いている小説にピンとくるのはコブクロの「蒼く優しく」)


あとは体を軽くする、頭の中をスッキリさせておく、心を穏やかにするというのは日頃から意識しておきたい。

運動したり、睡眠をしっかりとったり、自分の時間を作ったりなどして。


他に切り替えスイッチがあったら教えてほしい。


現実世界で生きている役割が多ければ多いほどスイッチの切り替えが大切になってくると思う。


スイッチの数があればあるほど物語の世界へ行きやすくなる。

書く前の気持ちがあちこち行かず、小説に向く。


現実世界で自分の役割をこなしながら小説を書く難しさを感じることもあるが、私はこれからも現実世界も物語の世界も両方生きていきたい。


小説を書いている皆さん、一緒に頑張りましょう!

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