037 ~二人の関係~

「なぁYou。何か知ってんなら教えなよ。」


一般Beは目をばってんにするように気絶していた。

その一般BeはBe子に軽々と抱き上げられると、

二人は早々に引き上げようとしていた。


「ちょっと待ってください。」


YouはSheの問いかけに答えることなく、まずBe子を呼び止めた。


「おい、You。どういうことだ?」

「すみません、She様。このBe子様に伺うことがそのまま答えになると思います。」


「なによあんたたち! んもう! 私たちの燃え上がるようなラブ・ロマンスを邪魔しないでくださるかしら!」


「おいおい、またキャラの強い奴だな。」

「そのまま返すよ、He。」


Youはいくつか考えていてことをBe子に尋ねた。


その話によると、

まず一般Beはあくまでも一般動詞兵である。

一方でBe子は自らの言葉でBe将軍家の姫君とのことだった。


今こうして内乱が起きている最中、同じBeを名乗るもの同士、妙に惹かれ合って逢瀬を果たしているとのことだった。


もっとも、一般Beの様子を見れば、どうやらBe子の一方通行のようだ。

しかし相手が相手、断るに断れない。


「身分を越えた崇高な愛! 誰にも私たちを邪魔させないわよ!」


「……。」


皆が閉口していた。こんなおめでたい者たちがいながらどうして争うのか。

見たままの異様さに合わせて、どこか納得のいかない感想を皆が抱いていた。


Iは素直で正直だ。

だから踏み込まずにはいられない。


「ねぇ、Be子さん。どうして今内乱が起きているの?」


一瞬空気がぴりついたような気がする。

陽気なふうに見せつつ、Be子の目は鋭かった。

あの時、殺気立つ一般Beさえ、

頭を叩かれるまでその存在に気づかれなかったほどの実力者だ。


流石はBe将軍家の姫というだけはある。

Iの疑いのない、言い方を変えれば遠慮のない質問が、仲間を不安にさせる。


「お、おい、I。踏み込みすぎだろ!」


しかしBe子は却ってそのIに戦意を吸い取られたように無気力になっていた。


「Iさんって言ったわね? あなた不思議ね。いいわ話して差し上げる。でも……。」


「でも?」


「その話は一般Beから聞いてくれるかしら? そもそも、一般動詞兵の反乱なんですから。」


「は、反乱!?」


反乱と聞いて、横になっていた一般Beをすぐさま立ち上がり、辺りを警戒した。


「ほら、Be様。わたくしの代わりに事情を話しておやりよ。」


事情を理解した一般Beは、いつか見たようにその場に座り、そして皆を集めた。

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