第7話 そんな偶然って・・・
「いやいや、なにこれ」
勢いのままに見てしまった。
チェーンメールでもこんなものは見たことがない。
「すごい怖いんですけど・・・」
「てか、不倫ってどゆこと」
意味がわからない。
そもそも不信しかないこの女性を支援する課というところから、送られてきたメール。
それでいて、連絡をしてくれだなんて、恐怖でしかない。
「…もうなんなの、、、」
事故当初よりは体調もメンタルも良くなってきた。
けど、こんな陰湿のような仕打ちは酷すぎる。
自然と涙が溢れてきた。
誰が何のためにこんなことを・・・って。
でまかせにも程がある。
イジメに近いこんなことを・・・。
手に持ったスマホを強く握りしめたとき、スマホが鳴った。
ピロン
-
清乃〜体調はどうだい〜?
-
それは、私が尊敬する職場の先輩、レナさん。
社歴はもちろん年齢が私より10歳もうえってだけで、尊敬しているわけではない。
レナさんは、ご結婚もされていてお子さんもいらっしゃる。
仕事もしつつ家庭を守り続けているところが、すごい尊敬している。
そんな先輩からタイミングよく連絡くるなんて。
-
レナ先輩〜>_<
ちょっともう色々ダメかもです。。。
-
ピロン
-
おっと・・・身体、結構やばいの。。。?
清乃のことだからきっと大丈夫かなって思ってて、、ごめん、いきなり連絡して・・・
-
ピロン
-
身体は・・・まぁそうなんですけど、、、そうじゃなくて〜、、、
-
ピロン
-
ん〜?どうしたの??
-
ピロン
-
・・・なんか変なことがあって。。。
先輩、こんなことってありました。。。?
-
親友とはまた違う、信頼と安心できる唯一の先輩。
意識が目覚めてから、ちょくちょくやりとりはしていたけど、先輩は仕事に家庭もあるから私から話しかけることはあまりしないようにしていた。
まだ、仕事をしていた時は職場でよく話していたけど。
今日は仕事が休みでまったりしていたので、気になって私に連絡したんだって。
だから、先輩に甘えてアレやコレやをたくさん話した。
先輩は、キョトン?としたリアクションで笑いながら聞いてくれた。
なにより、今の私のメンタルが心配になったようで、それらの解決策とかではなく、退院した後に2人でデートに行く約束をしてくれた。
ピロン
-
あんさ!ずっと工事してて先月オープンしたアミューズメントレジャー施設知っとる?
-
ピロン
-
あっ、オープンしたんですね!存在は知っていたけど、オープンしたのは知らなかったです!
-
ピロン
-
そこ!無事退院したら行こう!
ご飯も美味しいし、色んなのあるんだ〜
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ピロン
-
はい!ぜひ行きましょ!!!
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ピロン
-
退院頑張ったご褒美ね〜
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ピロン
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はい!!!楽しみができました!!!先輩ってほんと尊敬します
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ピロン
-
なんにもだよ(笑)
あっそうそう!今日の夜にね、バラエティ番組でその施設が特集されて、紹介されるんよ!折角だから見てみようよ!
行った時の想像もできるしね〜
-
ピロン
-
それは見ましょ!!!
-
そんなこんなで、1時間くらいやりとりをした。
気づけば、楽しい気持ちが溢れてスマホ越しだけど笑みがでているのを自分でも気がついた。
そんな先輩が言っていたアミューズメントレジャー施設とは。
ちょうど清乃達が引っ越してきたくらいのタイミングから建設が始まっていた「ニューランドン」と呼ばれる施設。
あのメールの事はいつしか忘れており、ずっとつけていなかった病室のテレビをつけてみた。
そのバラエティ番組までは1時間ほどある。
「あっまだ少しあるなぁ」
「は〜い清乃さん〜」
と、丁度夕ご飯が運ばれてきた。
いつもはゆっくり食べてる病院食も、この日はすぐ食べ終わってしまった。
ワクワクする気持ちが抑えきれず、なんども時間を確認してはあと5分、あと4分・・・
と、全然過ぎない時間を体感してた。
・・・友春からの連絡はない。
それでもこの日は大丈夫って。
・・・
・・
・
気づくと、番組が始まる時間へ。
番組の内容は、新規オープンした都内最大級のアミューズメントレジャー施設をゲストやお笑い芸人さんなどが現地に行って体験したり、インタビューしたりして、魅力を紹介するものだ。
ショッピングモールはもちろん、飲食店や複数のカフェ、映画館に大人から子供まで楽しめるレジャー施設を様々な人た紹介している。
さらに一押しとして、屋上は庭園となっており、夜にはライトアップされ定期的に実施される霧の演出が幻想的なデートスポットとして使えるとのことも。
久しぶりに声を出して笑ってしまった。
そんな素敵なところに先輩と行くだなんて!
もっとリハビリとか頑張ろうって思えたんだ。
そんなワクワクいっぱいの番組も終わりに近づき、番組MCが利用者の声をインタビューする映像が流れた時、清乃の目が留まるものが映った。
そのシーンは、3人家族が映画館ロビー前でインタビュー。
すごい仲睦ましく、微笑ましいのだが、それは問題ない。
そう。
その家族の後方・・・
「あれっ・・・」
「・・・トモくん!??…と誰?」
そう、それはたった数回の夢の中で見た光景と同じものが目にはいった。
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