転生した殺し屋はスキル『加速』と『魔導書庫』で無双する

@crossstar

第1話 転生


「こんなつまらない世界....もういる意味なんてない。」


 私は殺し屋だ。小さい頃から殺しの技術を叩き込まれ、今までに殺した人数は数えきれない。だが最後に殺した奴の言葉が妙に引っかかり、生きる意味が見いだせなくなってきた。だから死ぬことにしたんだ。


「じゃあな。つまらない世界。」


 私は屋上から飛び降りた。


 地面に激突する寸前私の意識は闇に飲まれ気づくと真っ白な空間にいた。


「ここはどこだ?」


「ここは天界ですよ。」


「誰だ。」


 後ろを振り返ると、そこにはとても美しい女の人がいた。背中には羽があり、とても神々しい。


「私は神様です。あなたの人生を見ていたのですが、とても可哀想に見えたので転生させてあげようと思いまして。」


「なぜ私が?」


「まあまあ、細かいことは気にせず....」


「いやいや気にするって!」


「なんか素に戻ってません?」


「もうクールな感じ装うのも疲れちゃって....」


「まあそれは別にいいですけど....何か欲しい能力とかあります?」


「いきなりですね....そうだな、早く移動とかしてみたいですね。あと色々な武器を使ってみたいですね。」


「わかりました!それだけでいいですか?」


「あとは魔法使えるようにして欲しいです!」


「わかりました!それでは年齢は私の好みで17歳!それでは、異世界へ行ってらっしゃい〜」


 その言葉を聞いたのを最後に私の意識は暗転した。


 ・・・・・・


 次に目を覚ますと見えたのは辺り一面の草原だった。


「私....本当に異世界に来たんだ。」


「よし!殺し屋の仕事からも解放されたし、これからは自由に生きるぞ!」


「でもなんか戦闘してないと落ち着かないな....」


 そんなことを考えていると


「ぐおぉぉぉぉッ!」


 狼みたいな魔物が現れた。


「え?まだ何も持ってないのに魔物に襲われるとかまじで?異世界転生早々詰んだ?」


 (あれ?そういやなんか転生前にスキル貰ってたよな?)


「使ってみるか!『加速』。」


 ビュゥゥゥン「早ッ!?(あれ待てよ?これ攻撃に使えるんじゃね?)」


 狼?の方を向いて「『加速』!」


「(これで)加速パンチ!」


「きゃうん!」バタッ


 倒せた!この加速ってスキル強くないか?

 これならこの世界でも生きていけそう!


「にしてもこの死体どうしよう....」


「おーいそこの姉ちゃん!大丈夫か〜?」 


「え、あ、はい!大丈夫です。(誰?)」


「俺はクロムっていう冒険者だ。よろしくな。」


「あ、はいよろしくお願いします。」


「それにしても姉ちゃん....こいつどうやって倒したんだ?」


「え?加速してパンチしたら1発でしたよ?」


「は?こいつはAランク冒険者が4人パーティ組んでやっと倒せるような奴だそ?」


「えっ?そうなんですか?」


「もしかして知らないのかい?」


「えぇ、私ここに引っ越してきたばかりなので....」


「そりゃ大変だな。そうだ。姉ちゃん冒険者ギルドに連れて行ってやるよ。」


「冒険者ギルド?なんですかそれ。」


「姉ちゃん冒険者ギルドも知らないのかい?今までどうやって生活してきたんだ....」


「あはは....(さっきまで別の世界にいたとか口が裂けても言えない!)」


 とりあえずクロムさんの案内で冒険者ギルドに向かった。


「いらっしゃいませ!おや?クロムさんじゃないですか!そちらの方は?」


「こいつは草原で困ってたようだったからここに連れてきたんだ。」


「ルナです。よろしくお願いします。」


「初めての方ですね!冒険者ギルドでは主にギルドに出された依頼を行っていただきます。依頼は主に【採集】【討伐】【調査】の3種類がありあそこにある掲示板に貼ってある依頼を取ってこちらのカウンターに持ってきていただくと受理されます。依頼を達成すると報酬をお支払い致します。」


「さらにギルドにはランク制度がありランクによって受けられる依頼が違います。最初はFランクからなのでFとその1個上のEランクの依頼まで受けれます。ランクは依頼をこなしていくと上がっていき、最高はSSSランクです。」


「長いな〜」


「さて説明は以上になります。登録されますか?」


「お願いします。」


「はい!それではこの石板に手を触れてください。」


「わかりました。」


 石板に手を触れるとそこに自分のステータスが映し出された。


・・・・・・・

  名前:ルナ

レベル:1

 種族:人間

 職業:無し

 ステータス

 攻撃力10

 防御力3

 素早さ10

 魔力100000

 スキル

 魔導書庫 加速 武器創造

・・・・・・・


「魔力10万!?!?凄いじゃないですか!しかも魔導書庫も持ってるなんて!」


「あの〜、魔導書庫ってなんなんですか?」


「魔導書庫っていうのは、この世の全ての魔法が使えるスキルなんですよ!」


「えやばくないですか?」


「加速と武器創造はよく分かりませんけど...レベル1とは思えません!」


「まさかここまでだとは....」


「まあこのことはさておき...出来ました!これがルナさんの冒険者カードです!身分証明にも使えるので無くさないように気をつけてくださいね!」


「ありがとうございます。あっそうだ!魔物の素材の買取ってどこでやってますか?」


「ギルドでやってます。」


「ならこれを買い取って欲しいんですけど....」


「わかりました....ってスターウルフ!?!?なんでこんな物を....」


「実は移動中襲われたんですよ....それで加速使ったら倒せたんですよ。」


「いや普通倒せませんよ!?これはとんでもない大物が入ってきましたね....」


「俺もそう思う。」


「?何話してるんですか?」


「あ、すいません!それじゃスターウルフの毛皮と牙で金貨100枚になります!」


「ありがとうございます。それじゃ私はこれで...」


 そう言って私はギルドを出た。


 あの測定結果を聞いた他の冒険者がそのステータスのことを広めてしまうことを私はまだ知らない。 

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