第80話 良く考えなくともイカれてる奴

見事にミコトと関係を結んでしまったあと隔離空間から出ると、ゴマちゃんと話すルカとシロの姿が目に入る


「あの時はリョーマサマがこんな事を言ってくれたでござるよ」

「流石ダーリン。たらしの天才ね」

「こっち見ながら言うの辞めてくんない?」


何の話してたんだよ


「拙者が心を病んで塞ぎ込んでいた時の話でござるよ」

「あん時のかぁ…」


懐かしい…刀華に全然勝てなくて存在意義なんてないでござるとか言ってたよなゴマちゃん…


何言ったっけなぁ俺…


「拙者は何で生きてるんでござるか?って聞いた時にそんなん俺が望んだからだよ、と事も無げに言ってくれて…」

「ヒューヒュー」

「やめてくれシロ…」


言ったなぁそんなこと


そんなこんなで雑談をしていると隔離空間から他の奴らも出てくる


「ふいー満足満足」

「まだ何か感覚がするんじゃが…」

「慣れるしか…ないよ…」

「足の震えがまだまだ止まらないですね…」

「皆様体力無さすぎでは?」

「メイさんがありすぎるんだよ…」


そんな感じで皆口々に喋っていく


…3人からの視線が痛い


「ねぇダーリン」

「なんでしょうか」

「また増えたの?」

「本当に申し訳ないです」


全力で土下座し全員への愛を叫ぶことで何とか事なきを得た




───翌日


「やっほーお兄さん!来たよ!」

「いらっしゃい晴ちゃん。まぁゆっくりしていきな」


今日は前から言っていた通り晴ちゃんへの大まかな説明の日である


まさか決戦から昨日の今日になるとは思わなかったけどまぁまぁある程度話すことは決めておいたので行けるはずである


ちなみに既に真菰が部屋で待っているが他の人は隔離空間でお休みである。混乱しちゃうからね


「やほ晴。まぁまぁ座りな」

「なんでお前が部屋の主面してんだ真菰」


くつろぎすぎだろお前


良く人のベッドに許可なく潜り込んで寝転べるな…


「…どうした?晴ちゃん」

「うえっ!?なっ何がですか!?」

「いやなんか凄い難しそうな顔してたけど…えっ真菰になんかされた?叩いとこっか?代わりに」

「いやいや私何もしてないけど!?」

「とりあえずベッドから出ろお前は」

「へーい」


気の抜けるような返事をしながら真菰がベッドから出て用意してた椅子に座る


「まぁほら晴ちゃんも座って…」


晴ちゃんも素直にちょこんと椅子に座ったので話を切り出す


「じゃあ説明するけど─────」







「って事なんだよね」

「待って待って待って混乱が増した」

「質問なら受け付けるよ?」

「宇宙人に改造されてゾンビになったって本当?」

「本当だよ」

「その後怪人さんらとは違う怪物とかと戦って…?」

「うん」

「過去に飛ばされて紆余曲折あって神になったの?」

「そうだよ」

「?????」


面白いくらい混乱してる晴ちゃんを見て少し微笑む。何かで見たが上手な嘘の吐き方は真実の中に少しだけ嘘を混ぜることらしい


ゾンビになったのも化け物と戦ってたのも過去に飛ばされたのも神になったのも本当のことだし真菰が原因だとはとても思いつかんだろうて


いや原因は攻撃を別の場所に飛ばすカス怪人だけども


「じゃあ今お兄さんは神ってこと?」

「うん」

「何の?」

「…なんの神なんだろうね俺って」

「性欲とかの神じゃない?」

「えっ俺性欲神なん?悪口じゃね?わんちゃん」

「はっはっは」

「そのわんちゃんじゃねぇよよしよし」

「撫ではするんだお兄さん」

「可愛いじゃん」

「いや分かるけども…私も撫でていいかな真菰お姉ちゃん」

「わぅん」こくこく

「可愛い」

「可愛いよねぇ」


普通に恥ずかしくてちょっと頬赤みがかってんのも可愛さに拍車をかけてる


10分ほど撫でたあともうそろそろ良いよと顔を真っ赤にした真菰に言われたので撫でるのをやめる


「にしても神って…遠く行っちゃったねお兄さん」

「まぁもう人間では無いしなぁ…でもそれを言うと晴ちゃんらも魔法少女とかなっとるやん」

「まぁ確かに…」

「てかぶっちゃけもう話すことないんだけど他に質問あったりする?NGなしで答えるよ」


何でも来いって感じですわ。隠すもんなんて1つも…1つ…うーんいっぱいあるな


「じゃあはーい」

「んじゃ真菰どうぞ」

「どんくらい強いの?了真って」

「そうだなぁ…ミコトいるじゃん?」

「ミコト…あぁ魔王ね?」

「身体能力半分に抑えてなおかつ使用可能な全ての能力封じても1歩も動かず倒せるレベル」

「えぇ…?」

「えっお兄さんそんなに強いの?」

「うん。才能も強さもほぼ同じ奴らと気が遠くなる程命のやり取りしてたらいつの間にかね」

「化け物じゃん」


考えれば考えるだけ化け物だよなぁ…


「じゃあ次私聞きたーい!」

「はいどうぞ晴ちゃん」

「どんな能力持ってるのー?」

「良い質問だね…能力はまぁ3つくらいかな」

「どんなんどんなん?」


オタク心が騒ぐのか目をキラッキラさせながら晴ちゃんに能力の詳細を聞かれたので答える


「1つ目が自分が今感じてる痛みをそのまま相手にも味合わせる能力、2つ目がシンプルに不老不死、3つ目が魔力を使ってイメージを具現化させる感じの能力だな。あとは刀使えてシンプルに肉弾戦が出来て体力が無尽蔵って感じ」

「つっよいねお兄さん…」

「だろ?」

「魔力使ってイメージを具現化させるってどんな感じ?」

「こんな感じ」


そう言いサクッと魔力を使って今着ていた普通の服を袴に変える


「どう?かっこよかろ?」

「めちゃくちゃ似合ってるねお兄さん…」

「すっごいかっこいいよ了真」

「そうであろうそうであろう」


そんなに褒められると照れますな…へへ


「でも不老不死って大変じゃない?」

「…うーん大変ではあるけど…まぁなんとかなるさの精神で今を生きてるよ俺は」

「そっか。なら…うん、なんとかなるよね」

「なるなる」


辛いことあるとしたらこれからだしなぁ…親しい人間が死ぬ時なんて必ず来る訳だしさ…


「じゃあ次私が質問するね」

「んっおけ。じゃどうぞ真菰」


暗い気持ちになった思考を打ち切り真菰の話に耳を傾ける


「えっとね─────」


それからも色んな質問に答えながら時間が経ちお開きになる


「ばいばーいお兄さん!またねー!」

「おうじゃあな晴ちゃん」


玄関先で手を振る晴ちゃんにこっちもしっかり手を振って答える


送ろうかと言ってみたがそんなに暗くないし私はもう子供じゃないんだよお兄さん!立派なレディーなんだよ!って言われたので断念することとなった


「じゃ部屋戻ろっか」

「…お前は帰らんの?」

「今日は了真の家泊まるってお母さんに言ってあるから」

「聞いてないんだけど」

「えっ駄目だった?」

「いや駄目じゃねぇから泣くな。…分かったよおじさんには俺から伝えとくから」

「あっおじさんには言ってあるよ?ルカちゃんやシロちゃんやメイさんいるし今更だろ良いぜ…って言ってた」

「おじさぁん…」


だから今朝ニヤニヤしてたのかよ…息子が複数の女と仲良さそうだったら少しは心配した方がいいよ?確実にたらしじゃんそんな奴


まぁ俺は全員しっかり幸せにするから並のたらしではないけどな


…並のたらしってなんだよ!


「あっそうだ真菰」

「ん?どしたの了真」

「明日からで暇な日ってある?出来れば一日中」

「明日は1日暇だよ?どうしたの」

「2人っきりで遊園地デートしようぜ」

「……………えっ?」


────────────────────

カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(終わらせるはずが全然終わらなかったんで次回真の最終回になります…ごめんね)

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