第78話 激戦の後
「やったか…?」
「それフラグだよ凛さん!」
「フラグですよそれ!」
「何やってんですか凛さん!」
「えっそんな駄目なこと言った!?」
フラグをおっ立てる凛さんを責めながら機砲によって立ち上がった土煙を戦闘態勢を維持しながら見つめる
モクモクと立ち上る土煙が晴れると見るからにボロボロな傷だらけの魔王がそこに立っていた
「あぁ…」
皆が固唾を飲んで見守っている静かな空間に嗚咽のような声が響く
「あぁぁ、あぁぁ…」
「魔王様…?」
その声を出した張本人である魔王にリリスが声をかける
「儂は…なんて事を…」
「魔王さ」
魔王がそう言ったかと思うと背中から地面に倒れ顔を両手で抑える
「もう駄目じゃあ…皆、皆傷つけて…誰に…合わす顔もない…あぁぁぁぁぁ…」
静まり返った空間に魔王のすすり泣く声が響く
「…洗脳とやらが解けたっぽいなこりゃ…」
「…記憶も残るタイプの洗脳かぁ…」
「これは…なんとも」
「何も言えないねこれは…」
凛さんと咲良さんと晴と集まりながらコソコソと喋る
今も静かに泣きながら懺悔の言葉を吐き続ける魔王の姿を見ていると心が締め付けられる
大切に思ってる人たちを傷つけた気持ちは痛いほど分かる…痛いほど分かるからこそ何も言葉をかけることが出来ない
「ミコト…」
「イクシオン…」
そんな魔王にイクシオン様が近づいて行く
「大丈夫…?」
「…それを言うなら儂の方じゃ。怪我とかはないか…?お主にも本当に…本当に迷惑をかけてしまった…」
「それもユダに洗脳されてたからだし…私は気にしてないよ」
「儂は自分を許すことなんて出来そうにない…刀華にも酷いことを言ってしまった…」
「ミコト…」
昔の自分を見てるようで心が痛い
「少なくとも、私は気にしてませんよ魔王様」
「バトラー…」
そんな魔王にバトラーが次は近づいて行く
「私もユダに洗脳されてましたし…責めることなんて出来ませんよ…とりあえず帰ってきてくれて良かったです魔王様…おかえりなさいませ」
「バトラー…儂は…」
「私も許されないことを沢山してしまいましたし…一緒に償いをしていきましょう」
「私も一緒に償うよ魔王様」
「オデもだ魔王様」
「リリス…デストロイも…」
こう言うのを見ると本当に人望があったんだろうな魔王って…
「マスターが解いてくれはしたけどそれまでは洗脳のせいで色んな人に迷惑かけちゃった」
「じゃが儂は…刀華もイクシオンも…傷つけて…それに主殿にまで…」
「魔王様…」
「結局ユダが悪いんだし気にしなくて良いと思うよ?刀華とイクシオンに謝るべきではまぁあるけど。ほら食べなこのおにぎりでも」
「ありがとうなのじゃ主殿…美味しいのじゃ…………ん?」
「ん?」
何の気配もしないまま魔王の傍に現れた了真と魔王の目と目が合う
「あ…主殿…?」
「よっ。まぁ戦ってる時会ってはいるけどもまぁ久しぶりミコト」
「お久しぶりですリョーマ様」
「やほバトラー…まぁいいやほら、立てミコト。洗脳解けたんだし刀華に謝りに行くぞ」
「刀華に謝れるのか…?」
「おう、今あいつ俺の家で刀堕たちと遊んでるから。ほらさっさと行ってさっさと話してこい」
「そっその前にせんといけんことがあるのじゃ」
「ん?あぁ…まぁそうだな」
そう言うと魔王が立ち上がりイクシオン様の方を向いたかと思うと土下座をする
「ミコト…!?」
「本当に…本当にすまんかった…お主を傷つけてしまった…許される訳もないのは分かっておるがどうか償わせて欲しい…」
「いや別に償いなんて…」
「いや償わせた方がいいと思うぞ?じゃないとミコトの心はいつまでも晴れんし…いやイクシオンがそれを望むなら別だけど…」
「いやそんなの望むわけなくない!?」
償い…償い?うーんうーんとイクシオン様が頭を抱える
「うーん…じゃあしっかり刀華と仲直りして?難しいかもしれないけど…」
「全力を尽くすのじゃ…」
「うし。じゃあ刀華らの所まで…あぁいやその前に」
何かを思い出したかのような仕草をした後に了真が話を切り出す
「ユダがどうなってるか一応話しとくな」
「そうじゃ…あいつは…あいつはどうなったんじゃ?」
「気になる…」
「ちゃんと報いを受けさせてるから安心してくれな。ちょっと諸事情で見せられはせんが」
そう言った了真には謎の迫力があり何をしたのか聞くのが凄く怖くなる
「諸事情?」
「あんまりにも絵面がグロくて…」
「グロなら大丈夫じゃ。儂には見させてくれんか?あいつにはどうしても恨みがあって…」
「えぇ…見るぅ?本当にグロいよ…?あっ取り敢えずイクシオンだけには絶対に見せないから」
「いや私も恨みめちゃくちゃあるからどうなってるか見たいんだけど!」
「その恨みがなくなって俺にドン引きするくらいにはグロいよ」
「何したの…?」
そんなレベルでヤバいの…?
「リリスらもまぁやめとけ。ミコトは…まぁ他よりも恨みが深そうだしなぁ…じゃあちょっとこっち来て」
そう言い了真が魔王を手招きし何処かへと向かう
取り残された私たちは戦いの疲労を癒しながら皆で集まって色んなことを話す
今までやった事を許すことは難しいけど洗脳によるものだって分かっては居るしもう気にしないようにして雑談に興じる
最初はぎこちなかったがイクシオン様の手助けによってしっかりと喋れるようになり段々と皆の口数が多くなった頃に青い顔をした魔王とだから言ったじゃんって顔の了真が戻ってくる
「見るべきじゃなかったのじゃ…」
「だから言ったじゃん…そんな気持ちで刀華に会いに行ける…?」
「それはしっかりと遂行出来るから任せて欲しいのじゃ…謝らんと行けんことなんて幾らでもあるからのう…」
「んじゃ会いに行くかさっさと…つか皆仲良さそうに喋っとったなええことやん」
「もう軋轢なんてないからね!これから仲良くなっていくんだよ私たちは!」
「さっすが晴ちゃん。光の極みみたいな言葉だな」
「えへへ」
晴が了真に褒められ(?)て顔をほころばせる
「じゃちょっと行ってくるから皆を元の場所に戻してあげてリリス」
「任せて」
「イクシオンは一緒に来る?」
「行くー」
「よっしゃ行くか」
そう言い了真がイクシオン様と魔王を肩に担ぐ
「まぁ真菰は疲れたろうし一旦…な?ご褒美云々は明日以降に…晴ちゃんにもまた今度説明するよ」
「はーい」
うぐ…そんなん気にしなくていいのに…でも放置プレイもまた一興か…
今日は大人しく帰ろ
了真が行ったあとはリリスに来た時と同じ方法で城に来る前の場所へ戻してもらう
その後は皆で話しながら解散した
───ミコトと魔法少女と魔人連合の戦闘前
───side了真
俺の前には這いつくばっているこの世で1番憎い相手が居る
本当はもう少し放置しようと思ったが「魔王様もあの侍も本当に哀れだなぁ全く…僕の能力に気付きもせず傷つけあって…ほんっとうに哀れだ」なんて聞こえちまったもんだから頭を蹴り潰してしまった
「なっ何故貴方が…」
再生した頭でユダがそう喋る
不愉快すぎてどうにかなってしまいそうなのでさっさと当初の考え通り支配を使う
(自動成功だよね?)
<はい、自動成功です>
支配にかかったユダにどんどん命令をしていく。支配の良いところは感覚をも弄れるという所だ
「痛覚は5倍にして…絶望する事を禁止する」
これでユダは痛覚が5倍になり絶望出来なくなったことで真の不老不死となった
さぁ復讐をなそう。他の人はここまでは望んでないだろうが俺の心がどうしても許せないのだこのゴミを
「元に戻れカス」
「…はっ!なっ何を!」
喚こうとしてるユダを蹴り飛ばし腹に穴を開ける
「ガッ…なっ何故…こんなにも痛みが…」
痛覚が5倍になり戸惑っていそうなユダに次の作業に入る
(ユダを対象に共痛を振る)
<どうぞ>
共痛80>30
「あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!」
今の俺が感じてる痛みを更に5倍にされ受けたユダが喉を張り裂けんばかりに叫ぶ
普通の人間なら死ねる痛みを100以上積み重ねてきてるからなぁ俺…そりゃ痛てぇよ
そう思いつつも五月蝿いので喉を消し飛ばしそこに魔力で作った永久的に回り続ける手裏剣を喉に埋め込んで喉の再生を封じる
こんな形になったのはゴマちゃんが使いまくってて想像しやすかったからだね
共痛を受け声も出せなくなったユダに次は大分前に録音しておいたハスターの歌を体に埋め込んだ盗聴器を改造して聞かせる
(自動成功だよな?)
<自動成功です>
ハスターの歌は効果がしっかり出るのに割と時間がかかるが永久的に聞かせ続けられるので無問題である
そしたらもうあとは腕と足を両方引きちぎって傷に手裏剣埋め込んで再生を封じたらもうあと一工程で終了である
魔力を地面に流しユダ1人をちょうど入れられる箱を作ってユダをそこにぶち込む
あとは蓋を作ってそれを閉め、箱から無数に枝分かれする棘を生み出してユダに突き刺せばはい完成
永久に苦しみ続けるユダの完成である
あとは何も無いとは思うが万が一のために須佐之男君にこの箱を見守ってもらいながら真菰たちの救援に向かう
ほんの少しだけ溜飲が下がった
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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)
カァッ(次回ミコトと刀華和解…?)
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