第77話 VS魔王⑤

───少し前 side晴


本当になんでお兄さんがこんな場所に?とか、全く刀振ったの見えなかったけどどんだけ強いの?とか、聞きたいことはいっぱいあるけどとにかく今は目の前の危機!


真菰お姉ちゃんの為にも頑張らないと!


「なんで主殿まで裏切るんじゃ…儂がどんな気持ちで…どんな気持ちでェェ…!」


不安定な魔王さんの心を表すかのように城がぐにゃぐにゃと不規則に揺れ至る所から攻撃が飛んでくる


「飛拳!」

「玄武の盾!」

「光の盾」


各々で攻撃を捌きながらリリスさんとバトラーさんの方へ目を向けると2人も無事に避けてしっかりバトラーさんはイクシオン様を補佐していた


今なら怪我してもイクシオン様が回復してくれる筈だから思い切った攻撃が出来る


「光槍!行っくぞおらあぁぁぁぁぁ!」


光で槍を作ってからそれを手に握りしめそのまま魔王さんに突撃していく


「いやちょ晴!?」

「なんっ…」


突然の突撃に混乱してる魔王さんを思いっきり槍でぶん殴って後方に飛ばしてから更に突っ込み連撃を重ねていく


「正気に戻してあげるから今は我慢してね魔王さん!」

「ぶん殴るなら槍じゃなくて良くね?まぁいいや爆裂脚!」

「ナイスガッツです晴さん!麒麟脚!」


凛さんが魔力を込め足を爆発させながら蹴りを放ち咲良姉さんが麒麟の足を纏いながら蹴りを放つ…皆蹴りじゃん


そんな事を思いながらもライトビームで追撃を重ねていく。こんなもので死なないと言う圧倒的な信頼の元攻撃を放っていく


案の定傷はありながらも全然余裕そうな顔の魔王さんが反撃をしかけてくる


「そうじゃなぁ…どうでもええんじゃ裏切りなんて…儂とユダさえいれば世界征服なんて余裕なんじゃ…他のやつなんて…いらんのじゃ!魔砲!」


高密度の魔力の塊が広範囲にばら撒かれる


あまりにもクソ技すぎないかなこれ…!修正必須だよこんなの!これ作った人に文句言いたい!魔王さんの話聞く感じお兄さんらしいけども!


どうしても捌けない弾幕が来た時はリリスさんが鎖で軌道を変えてくれたりなんだりして傷つけばイクシオン様に治してもらいながら持てる力全てを使って魔王さんに食い下がっていく


「鬱陶しいのうお主らァ…!まともに死ねると思うなよ…!」

「まだ魔力増えんのかよこいつ!何形態まであんだクソが!」


怒りによってか更に魔力が増した魔王さんに凛さんから暴言が飛ぶ


本当に何回も何回も回復して魔力増えやがってぇ…私たちもそんなんだけど強い側がそれやるの卑怯じゃない…?


でもやるしかないし頑張るぞ私たちは!


「ジャッジメント!」

「全!力!拳!」

「混合息吹!」


戦いが苛烈になりさらに研ぎ澄まされて行った私たちの技が魔王さんに突き刺さる


安定して傷は与えられるのに有効打が与えられない…!


そんな泥仕合を繰り広げていると視界の端にこちらに高速で向かってくる何かが見えた


「ん?なんじゃぁ?あ」


そこまで言ったところで魔王さんがその何かに衝突され吹き飛ぶ


「何だ…ってもしかして真菰か?」


衝撃的な光景に少し脳が処理を止めてしまった私と咲良姉さんに代わって凛さんがその何かに話しかける


「ただいま凛さん!私はもう絶好調だよ!」


纏う鉄が更にごつくなり最早機動性無くなったろって感じの姿の真菰お姉ちゃんがそう答える


そのゴツさであんなスピードが出るって事は…更に強くなったと見て間違いないだろうね


───side真菰


魔王を吹き飛ばしながら滞空しつつ凛さんからの問いに答える


了真のお陰で今なら何だって出来る気がする…イメージをどんどん固めていこう


てか何故か晴が分析キャラみたいな顔してこっち見てるけど晴が分析キャラは無理だと思うよ…?


「なんなんじゃお主らはァァァ…邪魔ばっかしおっ」

「鉄の兵隊」


衝突で発生した土煙から出てきた魔王が何か言い始めるがこの後のご褒美にしか興味が湧かないので思いついた魔法を魔王の言葉に被せるように使う


イメージが固まったから使ってみたけど鉄の兵をかなりの数生み出せるのは強いな…早速突撃してるけど


「千差万物」


数多の武器を瞬時に複数生み出してそれを魔王に飛ばしたり兵隊たちに武器を配る


ゴマちゃんの戦いも見てて良かった…!


その間も鉄の兵隊は魔王を攻撃し晴も凛さんも咲良さんも追撃を加えていく


「なんじゃァ…なんなんじゃァァァ!」

「うるさい。洗脳だ何だなんて知らないけどさっさと救われてろ私たちに」


そう言いながら魔力を溜め、放つ


「機砲」

「アァァァァァ!」


前までの私なら震え上がっていそうな声を上げながら魔王が鉄の兵隊たちを引き剥がし機砲を避ける


「愚か者がァ…!こんなもん当たらなければ…あ?なんじゃその顔…後ろ?」


避けれたことに安堵しこちらに勝ち誇った顔を向ける魔王に後ろを向けとジェスチャーで伝える


「反射」


後ろには見たことない厚さの透明の壁を構えたイクシオン様とバトラーがいた


「しまっ」


反射された機砲が魔王に直撃した


────────────────────

カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(次回ちょっと…いやかなりキツめな描写が入るかもしれません。何故ならユダが出るので)

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