第58話 能力の実験

「ちょっと能力の確認してくる」

「行ってらっしゃいませ」

『行ってらっしゃーい』


巻き込んでもあれなので轟雷を使って遠くまで飛んでいく


いつもとは違って轟音が鳴り響かない…足の使い方が上手くなったのかな?音が無くなったら無くなったで少し寂しい


とりあえず相当な距離離れたので体を動かしながら能力の確認をする


こう言う時は声に出しながら確認するのがいいってじっちゃんが言ってた気がするので独り言を呟きながら確かめていく


「えーっとまずは身体能力だけど…言うまでもなくバグだな。多分5~10倍くらいまで伸びてる気がする」


進化したばっかだから力の扱いがまだ下手だなぁ…ここは要練習か


「後は…常に見た目が魔装使ってるアレだけど魔装が使えるかどうか…使えるっぽいな見た目の禍々しさがアップグレードされるけど」


魔装の重ねがけの見た目こんなんなんか…いや厳密には重ねがけじゃないけれども

力の上がりよう異常だしデフォルトで魔装纏ってる感じなのかね


「他は魔力が伸びて…魔力の操作も格段にしやすくなってるな」


そう言いながら魔力を型どり鎌を作り出す


「遂に無から作り出せるようになったか…前までは物を作り替えるくらいしか出来なかったのに。創造魔法と同じこと出来そうだなこれ」


他に出来そうなのは…魂の加工が出来るようになってるっぽいな


やれることは感覚で分かるけど自分に試すのはなぁ…せめてこうなんか妖怪とかに…


そう思っていると待ってましたと言わんばかりに地面を裂き昔大量に出会ったミミズが俺を食おうと突進してくる


「久しぶり!元気だった?」


つい嬉しくなって声をかけてしまうが返事は来ず俺を食おうと猛進してくるのでちょっと殴って落ち着かせ…


ドパンッ!


落ち着かせ…うん。ちょっと殴ったら破裂しちゃった


「えーっとどうしよこれ」


そりゃそうだよ力めちゃくちゃ強くなってんのに死なない訳ないじゃん序盤の雑魚敵が


どーすっかなぁ…あ?ん?え?


ミミズの破裂現場を見ていると頭の中にふっと出来そうなことが思い浮かんでくる


その思いに従い破裂したミミズの残骸に魔力を込めてみるとウゾウゾとめちゃくちゃキモイ挙動でミミズが再生していく


「えぇ…?」


確実に死んだのに…えぇ?嘘だろ蘇らせること出来るようになってんじゃん俺…


感覚的に…死後1日迄かな?余裕すぎだろ


得ちまったかぁ…全能の力


そんな事を思っていると再生したミミズがこちらに頭を垂れている…ように見える


「あん?どした?何?」


そう問いかけるも返事が返ってくる事は無い

これあれかな?眷属にしちまったみたいな感じかな?

試してみよう


「その場で3回転して」


するとミミズがその場で3回転をかます

死んだ生物を蘇らせたら眷属に出来るのかなこれは…支配の魔術が種族特性にでも統合されたのかね


まぁ一旦このミミズ君で実験しようかな

魂の能力も試してみたいし


まずはもう1回バラバラにしてみる

するとほんの少しずつだが体が再生しようと動き死んでいない事が確認出来た


眷属にすると弱い不死性が生えるのかな?


次は魔力をミミズに込めて見てからバラバラにする。するとさっきよりも目に見えて早く再生して行った


魔力を込めた量によって不死性の強さが変わる…と。条件クリアでもしたのか一気に頭に流れ込んできた情報を精査しながら考える


双方の合意がある場合は生きてる状態でも眷属にする事が出来て俺の魔力の1割を込めれば不老不死になれる…か。それ以上込めると再生力とかが上がる感じっぽいな


不老不死ねぇ…頭に浮かんだ奴を振り払いながら知りたいことは知れたので魂の実験に入る


まずはミミズ君の魂を知覚する所からだがこれは前から出来ていたので大して苦労もせず知覚出来る


なのでその知覚した魂に触れその形を弄ってみる


魂を弄られてるミミズ君の体がぐにゃぐにゃと歪んだり何処と無く辛そうな顔もしている


すまんなミミズ君…ミミズに生まれたことを恨んでくれ…俺お前の同種に頭だけにされた事あるからさ…


思いつきで魂を整え刀の形にしてみると何故かはよく分からないがミミズ君が蛇になった


「………なんで!?」


何!?何処がどうなってそうなったの!?


ちょっと良く分かんなかったので魂を元の形にしようとするがそう言えば元の形覚えてねぇわ


ごめん


次に魂に反射魔法をかけてみる。イクシオンに反射魔法を教えてもらってからずっとやろうと思ってたことだ。師匠のような敵が出てくるとは限らないけど魂に攻撃出来る奴が他にもいるかもしれないからね


俺も魂攻撃は出来るし


ミミズ改め蛇君の魂に反射魔法をかけていく…どうやら3重までは出来るっぽいのでとりあえず3重に反射魔法をかけ自分の魂にもかける


これである程度は魂に攻撃されても大丈夫だろう


他は…もう蛇君関係ないけど一旦魔砲使ってみるか。被害が出すぎてもあれだし空に向けて打とうかな


「魔砲」


……空が割れた。音もなく放たれた魔砲が一帯の雲を晴らし空に大きな穴を開ける


封印かなぁこれは


多分打ったら一帯が更地になっちまう


これでも師匠ならどうにか出来そうな凄みを感じるのが凄い


検証も終えたので2人の元へ戻ろうと思うがこの蛇どうしようかねぇ

処分に困るんだけど放逐していいかなぁ…駄目だよなぁ…うーん、もうちょい魂の形弄ってから考えるか


もうちょい耐えてくれよな


そこから魂を弄りに弄ること早1時間。ある程度はどう弄ったらどう変わるのかが分かるようになった


1時間の魂の弄りに耐えた蛇君は…蛇君は…


「ゴァァァァァァァ!」


立派な龍になっちゃったとさ☆てへぺろ☆


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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(思いの外ミミズに対する恨みが強かったですね主人公)

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