第51話 労働力の確保

──side了真


あっぶなぁ…今めちゃくちゃ絶望してたよこの魔王さん


助けに入るまでメイからの心の声えぐかったし…(ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様!へいへいへーい!不味いですよ不味いですよ!時間止めます?止めましょうか!?)とか言ってたもんなぁ


テンションもおかしかったし早く落ち着いて欲しい


(あんれどしたのリョーマ)

『どしたのじゃないよ師匠…確実に殺すとこだったよ今』

(人に仇なす奴だし良くない?)

『それはそうだななんで生かさんといけないんだろこいつら』


確かに未来関係なかったらここで殺した方が良いよな…


そんな思いを込めて抱えている魔王さんに目を向ける


「ぴぃっ!」


めちゃくちゃ怯えられた


『まぁなんかこいつら殺したら未来が壊れるみたいなのよ…落ち着いて欲しいまじで』

(はーい…消化不良だし後で戦おうね)

『おけおけ』


そういやまず殺さないようにしようなんて言ってなかったな失敗失敗


「一体なんなんじゃこの状況…」


そう魔王さんがボヤいていると師匠がこちら側へ来て何故か俺の肩に乗る


「えっ…何?なんなのじゃ?」


(どうすんのこの子)

『まぁ配下の奴ら拘束してる所まで一旦連れていくか』


そう言葉(?)を交わしユダを串刺しにし3人を牢に入れた場所まで戻る


「とんでもねぇ奴らに喧嘩売ってしまったのじゃ…」


失礼だなこいつ




「あっリョーマ兄さんに刀華おかえり!」

「たっだいまー!イクシオン!大丈夫だったー?」

「成長を実感出来て嬉しかった!」

「それなら良かった!」


そう言い師匠がイクシオンの頭を撫でる

何かイクシオンって頭撫でたくなるよね


「おかえりなさいませご主人様」

『ういただいま。落ち着いた?』

「私はいつだって冷静沈着です」

『冷静…沈着…?』


馬鹿も休み休み言ってくれ


そんなこんなで牢の方へと戻るが予想通り魔王さんが動揺してる


「あばばばばばばば」


…電流でも受けてんのかなこいつ


「魔王様〜助けてください〜」

「なんでお主だけ貫かれておるんじゃ!」

「僕が聞きたいです〜」


余裕そうだなーあいつ…もっと強めにしとくべきだったかな痛み…まぁアレ仕込めたし良いか別に


「お主らも捕まってしまって…」

「魔王様もう辞めましょ世界征服」

「無謀も無謀」

「おでらが勝てる気がしない…」

「こやつも強かったのか?いやまぁ強いんじゃろうが」

「余裕もって全員処理されました」

「全力の1割も出さずに全滅」

「辞めるかもう」

「僕に至っては初手串刺しでした」

「お主なんかやった?」

「なんもないよ心当たり!」


負けた奴らとは思えんくらい元気だなこいつら…いや一人抱きかかえられ一人貫かれ3人牢に閉じ込められてるけども


「どうすんのこいつら。殺した方が良くない?」

「私も別に生かす必要ないと思うんだけど」

「未来が壊れるので勘弁してください」


敗者共のわちゃわちゃを観戦しているとそんな事を言いながら3人がこっちに来る


『実際どうすんのこいつら』

「そうですねぇ…生きたいですか?貴方たち」

「めちゃくちゃ生きたいのじゃ!世界征服なんて馬鹿なことは目指さんから助けて欲しいのじゃ!」

「オデ生きたい」

「死にたくないない」

「まだやりたいことがあって…」

「生きたいですー」


すんごい焦ってるな魔王さんだけ…

目線ずっと師匠に固定されてるし相当トラウマになったのかね

いや強いとは思うんだよ?こいつら


確かに昔もリリスは一撃でKOだったけどありゃクリティカル出したからだし…

魔法少女連中は巫女さん見る限り手も足も出んかったやろしなぁ


強くなりすぎたのよ俺ら(n回目)


「ふむ…どうします?ご主人様」

『えっここで俺に振るのやめて?』

(ここでビシッと言ってやってください何か)

『丸投げすぎん?』


とんでもないパスを受けたため必死に考え言葉を紡いでいく


『お前ら…もう悪いことはしないって誓える?』


ノイズが走っていて聞き取りにくいと思うが全員真剣そうな顔で頷いてくれたため聞き取れてはいるっぽい


未来で何したか知ってるからユダが白々しすぎてやだな手出そう


『じゃあ俺らと一緒に怪異討伐してくれるね?』

「精一杯頑張らせていただくのじゃ!ほらお主らも!」


俺に抱えられっぱなしの魔王さんがそう吠え、それを皮切りに他の奴らも次々に頑張ると言ってくれた


『うんうん…これから一緒に頑張って人の役に立っていこうな』


労働力GETだぜ☆


メイが良い笑顔でこっちにサムズアップしてるから正解のルートっぽいなこれ


未来の話だとこっからまぁ戦うことになるだろうけど…師匠とイクシオンが傷つきそうなの知ってて放置するの歯痒いなぁ…

唇噛みすぎてなくなりそうだよクソが


「あのーそろそろ儂を降ろしてくれると嬉しいなぁってぇ…」


忘れてたわごめんね魔王さん


ユダの串刺しと3人の牢もついでに解除する


『自己紹介提案してくれメイ』

(刀華様とイクシオン様あんま話したくなさそうですもんね)

『所業考えると妥当すぎる』


「まぁ私たちはこれから仲間になると言うことで…自己紹介でもしましょうか。そちらからどうぞ」

「儂はミコトじゃ。こいつらの主をやっておる」

「僕はユダって言いますよろしくお願いします」

「リリスでーす」

「おっおではデストロイって言います」

「私はバトラーと申します」


向こう側の自己紹介が終わるが何であっち皆正座してんの?大丈夫だよ?別に楽にしても

師匠が許すかは知らんけれども


って…あれ?

視界に悲しそうな顔のイクシオンの姿が映る


『どしたのイクシオン悲しそうだけど』

(りょっリョーマ兄さん!?)


話しかけるとイクシオンの体がめちゃくちゃに跳ねる


『あっごめん急に話しかけて』


そんな驚くとは思わなかったんだ


(だっ大丈夫…実はミコトさん以外の名前が分からなくて…)

『格とか力が足りんかったか』

(最近出来ること増やそうと修行してたから強いのボーダーが上がっちゃった気がするんだよね…)

『あぁ確かに…出会った頃と比べると大分強くなったもんなイクシオン』

(そっそうかな…えへへ)

『良く頑張ってるよ本当に』

(まぁ名前が分からないって感覚が久しぶりだったから少し悲しくなっただけだよ)


どうにか出来んのかねぇこれ…

あまりにも可哀想なんやけど


そんな事を思っても何か変わるはずもなくこちらも自己紹介をし始める


「私はメイと申します」

「刀華です」

「シオと申します」

『リョーマだ』


よろしくね新規労働者諸君



そんなこんなで俺らは怪異狩りの旅に出るのであった


────────────────────

カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(先の展開まじで思いつかなくなってきたから駆け足になるかもしれない…許して)

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