第49話 町

「さぁ行きましょうか」

『待ってくれよ』

「…?何ですか?」

『何この状態』

「何って…イクシオン様が肩車されてて刀華様がおんぶされて私がお姫様抱っこされてるだけじゃないですか」

『だけでまとめるには怪奇すぎんのよこの光景』

「んだとー私たちを背負いたくないってのかー」

『いやそう言う訳では無いんだけど』

「重くないですか?」

『羽』

「まだ羽なの!?」


もっとちゃんと食いな?


夜が明けたためメイの案内に連れられ歩いていく


何でもここを抜けると森から出られるみたいだ。知ってんなら森で計2年彷徨ってたの何やったんや


奇々怪々な状態で歩くこと2時間…ようやく森を抜けることが出来た

時代劇とかで見るような風景が目に飛び込んでくる


『ここなん?』

「はい。ここです」

「いやぁー長かったなぁ森」

「長かったですねぇ」

『町そろそろ着くしそろそろ降りない?』

「降りません」

『そんなに力強く…?』


結局誰も降りてくれなかったためそのまま町へと降りていく


『すんごい好奇の目で見られるんだけど本当に降りないの?』

(降りないですよ特等席じゃないですか)

『えぇ…』

(めちゃ楽でいいねぇこれぇ)

『俺楽じゃないんすけど』

(がっ頑張ってください)

『頑張るー』


イクシオンだけが癒しだよ本当に

他2人。反省しろ


とりあえず何したらいいか分からないのでそこら辺に居た肉屋のおっちゃんに話を聞いてみる


声は凄いノイズ走るけど出せるように調整してある。どうしても声を出さねばならん時はノイズ声で応対しよう


肉屋のおっちゃんには師匠たちに話してもらうけど


「おっちゃーん!話聞きたいんだけど良いー?」

「あん?どうした嬢ちゃん」

「えーっとー」

(あれ?何聞いたらいいの?これ)

『最近ここら辺で何か変なことは起きませんでしたか?で行こう』

(りょーかい)

「最近ここら辺で何か変なこと…とか、不思議なこととかありませんでしたか?」

「不思議なこと…ねぇ…んーそうだなぁ…2つくらいあるな」

「2つも?」

「あーでも言いてぇんだが言えねぇなぁー何か串買ってくれたら言えそうな気がするなぁー」


商売上手だなこのおっちゃん


(どどどどうする?お金なんて私たち持ってないよ?)

『物々交換でワンチャンないかなぁ』

「ここ来たばっかりでお金ないんだけど物々交換でも良い?」

「ん?あぁ全然大丈夫だぞ」

(よしリョーマ何か出して!)

『んーじゃあほい』


腕を操るよりも容易になった魔力操作を使い鉄を作り出す。これなら多分大丈夫なはず


「はいおっちゃんこれ!」

「おーありが…ってこれ鉄じゃねぇか!これと等価になると商品無くなるんだが」

「串8本と情報でいいですよ」

「そいつは助かる………ほら串だ。受け取ってくれ」

「ありがとー」


1人2本ずつ串あるのは嬉しいなぁ〜美味しくなかったらメイに押し付けよ


「んで不思議なことなんだが…1つ目は森の怪物だな」

「森の…怪物?」

「あぁ、ここの近くにめちゃくちゃ深い森があるだろ?そこは様々な怪異や妖怪や悪霊が蔓延る地獄みたいな森だったんだがここ1年で森にいたそいつらが全員死んだらしいんだよ。それをやったやつを便宜上森の怪物って呼んでる訳だな」

「へぇ〜…」

(私たちじゃん)

(刀華様とご主人様じゃないですか)

(刀華とリョーマ兄さんじゃん)

『俺らやん』


そんな森だったのかよてか全滅したのかよあいつら。だから湧かなかったのかあいつら


「2つ目は…眉唾ものなんだが人を怪人と呼ばれるものに変える悪の組織を名乗る奴らが都の方からこっちに向かってきてるらしい」

「悪の組織?」

「あぁ何でも異星人らしいんだがこの世界を征服することを目的に人の悪感情を増幅させ怪人に変える力を持っているみたいだ…真偽は不明だがな」

「ほんほん」

「怪人になった奴は陰陽術やそれに準ずる特異な術で戻せるらしい。今ん所被害は無いらしいがどうなんだろうな」

「ふむふむ…ありがとおっちゃん」

「毎度あり」


おっちゃんと師匠が話し終えたため串を食べながら移動する


「2つ目のやつ?」

『間違いなくそれだろうな…何かこっち向かってるらしいしこの町でゆっくりしながら待つか』

「そうしましょうか」

「美味ひいですねこれ」

「あのおっちゃん凄いね」

「美味しいですね」

『美味しいよね』


それから3日ほど町でぐぅたらしていると未来で感じたことのある気配がこの町に近付いて来ていることに気が付いた


「リョーマ」

『来たみたいだな…んじゃ向かおうか』

「りょーかいー」

『メイとイクシオンは来る?』

「置いてこうとしないでくださいご主人様」

「自分の身は守れるし行きたい!」

『まぁ回復魔法防御魔法反射魔法使えるなら余裕か…おし、んじゃイクシオンは背にメイは俺が抱えて行くわ』

「頼みました」


イクシオンをおんぶしメイを抱きかかえて気配のした方へ轟雷を使いつつ向かっていく


師匠は迅雷で着いてきた

ちょっと不服そうな顔をするの辞めて欲しい


気配のした方へと辿り着くとイクシオンとメイを置いてそこにいた奴らに向き直る


「なんじゃなんじゃ主ら!儂らの邪魔をするなら容赦はせぬぞ!」

「オデ戦いたくない…」

「しょうがないですよデストロイ…これもまた仕事です」

「ぐぅたらしたいなー辛いなー」

「統率無さすぎないか僕ら」


えーっと上からのじゃロリ巫女服カイリ○ー

見てぇな四腕、執事服の男ゴスロリ服の女宗教服の男…か


属性過多すぎだろこいつら


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