第35話 甘えれる存在

「いつ人里に着くんだろうか」

「嘆いてたってまだまだ森ですよご主人様」

「辛い」


ご飯を食べ終わってからメイを抱き上げながら今日も人里目指して歩いていく


「良いなぁメイさん」

「大丈夫ですよ刀華、明日は貴方です」

「楽しみだなぁ!」


遠くの方で2人が話す声がする


「なんでなんだろうなぁ」

「?何がですか?」

「いやなんか師匠とイクシオンから謎に好感度が高いなぁって」

「あぁー」

「やっぱりあれかな。どんだけ性格でデバフあってもAPPが高すぎるからかな」

「32ありますもんね」

「このルカに作ってもらったカッコよすぎる狐面も関係してるかもしらん」

「まぁそれもありそうですけど…御二方にとってご主人様は甘えれる存在だからじゃないですか?」

「どゆこと?」

「恐らく御二方には孤独だった過去が根強く残っているように思えます。それがなんでなのかは分かりませんが…恐らく差別や迫害などに苦しんだ過去があるのでしょう」

「ふむふむ」

「そんな時に現れた何の壁も作らず歩み寄って来て仲良くしてくれる狐のお面のミステリアスな人とかもう…ねぇ?」

「いつの間にか攻略が完了してたわけか」

「恋愛的な好意があるかは分かりませんが少なくとも人としてなら大分好まれてると思いますよ」

「じゃあその思い裏切らないように頑張らないとなぁ…」

「そうですね」




─夜


「うーむまだ森かぁ…」

「先は長いですねご主人様」

「そろそろ降ろしていい?移動は終わったやん」

「しょうがないですね…」


お姫様抱っこから解放され凝り固まった体をほぐしていると胡座をかいていた俺の膝にメイが頭を預ける


「何してんの?」

「え?ご主人様に甘えようかなと」

「何で?」

「私が先に甘えたら御二方も甘えやすくなるかなと」コソコソ

「あぁなるほど…」

「後甘えたいなって」

「あっそれもあるのね」

「撫でてくれて良いんですよ頭」

「女性は頭撫でられるの嫌がるもんじゃないの?まぁいいけど」

「ルカ様やシロ様や真菰様を撫でたりはしなかったんですか?」

「全員撫でたことあるけどシロは兎も角としてルカとか真菰は俺のやること基本全肯定だから…」

「あぁ…」


そんな風に頭を撫で…うおっ髪サラサラだなメイ。とても水浴びをココ最近あんましてないとは思えない艶だ。これが神の力か…


「ただいまー封印完了したよー」

「ん、おかえりー」

「いやーあんま疲れないとは言え大変…何してんの!?」

「どうしたんですか刀華そんなに騒いで…何してらっしゃるんですか!?」

「おかえりなさい御二方」


そんな騒ぐ?


「えっずるいずるいずるい!」

「変わってくださいメイさん!」

「しょうがないですねぇ…ちょっとだけですよ?」

「…どっちから行きます?」

「ここはじゃんけんにしようよイクシオン」

「目瞑ってくださいよ?」

「俺に拒否権は…いやそんな悲しい顔しないで全然大丈夫だから」


捨てられた子犬のような目をしてこっちを見ないでくれ良心が痛むから


「「じゃん!けん!ぽん!」」





「ぬえへへへへリョーマぁ…」

「じゃんけんに弱い自分が憎い…」

「後で変わってあげてね師匠」

「勿論だよ!堪能したらしっかり変わる!」

「いつになるんだろうなそれ」


まぁ大丈夫俺の膝魔力通してクソ強くなってるから疲れないし痛まないよ

寝心地良いのかね俺の膝




「ご飯出来ましたよ皆様…」

「あっホント?じゃあほら師匠ご飯食べましょご飯」

「うぐぬぬぬどきたくない…食べさせてリョーマ」

「えぇー」

「………嫌?」

「そんな泣き落としに負けると思うなよ…………しょうがないなぁ師匠」


メイのお姫様抱っこでタガが外れたのかな


「ん?あぁ…イクシオンも良いよ食べさせてあげるよ」

「やった!」

「んー可愛い……メイ?」

「何ですか?」

「どうしてこっちを見て口を開けているんだい?」

「仲間はずれにするおつもりですか?」

「…分かったよ」


結局全員分あーんで食べさせた

腕がとても痛くなったけど餌付けしてるみたいで気分が良かった

可愛い表情沢山見れたしプラマイプラスである




「昨日も修行で周りを更地に変えてしまってたので今回は私がご主人様と起きておくので御二方が寝てください」

「えー」

「私寝すぎだしリョーマ兄さん寝なさ過ぎでは?」

「毎日睡眠はとった方がいいですよ?ご主人様は魔力を全身に通してから眠くなくなったと言っていて…監視が居ないと駄目でしょう?」

「それはそうですけど…」

「私全然眠くないんだけど!」

「たまには寝てください刀華様」


何か話が長くなりそうなので昨日もやった魔力の修行を話に相槌を打ちながら進める


別に俺1人で良いんだけどな起きるやつ




「結局言い負かしたと」

「人聞きの悪いこと言わないでくださいご主人様…無茶をしない範囲なら修行は続けてもらっても構いませんからね」

「おぉ優しい…んじゃお言葉に甘えて」


修行をしながらも暇なのでメイと話す


「なぁメイ」

「何でしょうかご主人様」

「今のルカとかシロとか真菰の様子ってしれたりしない?」

「そうですねぇ…ご主人様が居なくなってから一月たった様子なら教えれますよ」

「おっじゃあ教えてくんない?」

「まずルカ様はショゴスじゃなくなりました」

「もうパンクしそうだよ俺」


どう言う事なんだよ


「ショゴスではなくスライムロードになりましたね」

「ファンタジー小説に出てくるあれになったのかルカ」

「結構強くなって居るので今はご主人様の代わりに神話生物と戦ってますよ」

「そんな事してんの?頑張ってんなぁルカ」


あんま傷つくようなことして欲しくないけど俺のエゴでしかないしなぁ…応援しとこ過去から


「シロ様は回復魔法を覚えて戦闘は出来ませんがその能力でルカ様をサポートしていますね」

「回復魔法覚えたのか凄いなシロ」


帰ったらめちゃくちゃに褒めよ


「真菰様は試練中ですね」

「試練?」

「魔法少女の存在の格を亜神の域まで押し上げるための修行ですね」

「…何で?」

「リリス様方よりも強くなるためでは?」

「あー…そりゃそうか」


頑張ってんだなぁ真菰


「ちなみにめちゃくちゃ病んでますね」

「後11ヶ月耐えてくれ真菰…」


迷惑かけたし凄い嫌だけど3ヶ月くらいなら監禁してくれていいよ


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